web2.0からweb3への変化の中で、コミュニティのあり方も変化しつつあります。web3の非中央集権的な思想とそれを実現するブロックチェーン技術によって、web3時代のコミュニティ「DAO」は、参加者の自律的な行動が生まれやすい組織です。
この記事では、web3におけるコミュニティの重要性や、注目されているコミュニティの形であるDAOについて解説します。
なお、この記事は自治体のDAO立ち上げ支援や、博報堂キースリーがローンチするweb3専門集団「KEY3 STUDIO」にも参画しているガイアックスが解説します。web3時代のコミュニティ形成に関心のある企業や自治体のご担当者様は、ガイアックスにご相談ください。
web3におけるコミュニティの重要性
web3とweb2の時代で、コミュニティのあり方が変化してきています。web2のコミュニティでは、運営側と参加者は明確に線引きされており、運営と発信はプラットフォーマー側からの一方的なものが多くを占めていました。
一方、web3コミュニティでは、スマートコントラクトなどのブロックチェーン技術の活用で、一人ひとりが自主的に参加できる形態に変化することが期待されています。
スマートコントラクトが実装されているDAOは、あらかじめ契約内容をプログラム化しておくことで、人の手を介さずに契約内容を自動で実行できるため、中央管理者がおらずとも成立する組織です。
また、スマートコントラクトはブロックチェーン上で誰でも見られ、さらに改ざんも困難であるため、DAOのルールは透明性が高いです。
web3コミュニティの参加者は、ガバナンストークンによってアイデアの提案や投票をしたり、その他にも応援やプロモーション支援をしたりなど、さまざまな貢献の仕方があります。コミュニティの熱量が高くなると、参加者が増加しさらにプロジェクトが盛り上がり、優秀な人材が集まるという好循環が生まれます。
web3時代の新しいコミュニティの形「DAO」とは
DAO(Decentralized Autonomous Organization・分散型自立組織)とは、特定の管理者が存在しなくても、参加者の意思でプロジェクトの方向性を決定できる組織のことです。
DAOの意思決定はトップダウンでなく、コミュニティメンバーの提案や投票によりボトムアップで行えます。本格的なDAOはビットコインに代表されるように、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどのweb3の技術が用いられ、自律分散的に動きます。
しかし、まだ新しい概念であるため完璧なDAOは少なく、徐々に自律的な運営へ移行していき、最終的にDAOを目指す「DAO型組織」が多いのが現状です。
詳細は「DAOとは何か?」もご覧ください。
【国内】DAOの活用事例
NFTを用いてDAOを組成する例が国内でも増えてきています。
NFTは、デジタルデータにトークンを紐づけブロックチェーン上に記録することで、唯一無二と証明されたデジタルデータです。デジタルアートやトレーディングカード、ゲームアイテム、会員権などの分野で活用されています。
ここでは、web3技術を活用したDAOの事例を3つ紹介します。
美しい村DAO
美しい村DAOは、複数の自治体が連携し地方創生を試みるプロジェクトです。地方自治体がデジタル村民証として発行したNFTを購入すると、購入者はDAOメンバーになることができ、DAOの投票権を得られます。
DAOでは地域活性化を図るため、地域の魅力を広める活動や課題解決などについて議論が行われます。地方自治体が直面する財政難や人材不足などの問題を、DAOメンバーの参画により解決することが期待されているのです。
CryptoBase
CryptoBaseは、web3に関心を持つ人をターゲットとしたDAO型シェアオフィスです。入会証であるNFTを購入したメンバーは、コミュニティの運営方法や共通ウォレットの使い道などを提案したり、投票したりする権利を付与されます。
また、web3業界を盛り上げるためのタスクが設定されており、遂行すると報酬として月額料金やランチ代に利用できるトークンが発生する仕組みも取り入れています。
昨今のコミュニティはオンラインが中心となり、web3業界はとくにその傾向が顕著です。そのため、定期的に勉強会やイベントを開催し、リアルで人と人とが交流できるコミュニティを目指しています。
Roopt神楽坂DAO
Roopt神楽坂DAOは、学生起業家が主体のDAO型シェアハウスです。NFTを購入すると、入居プランまたはワーケーションプランを選んでシェアハウスを利用できるほか、シェアハウスの管理運営について議論、投票できるDAOメンバーになれます。
予算の使い道や掃除の業務委託、資産購入などについて、DAOメンバーで提案・投票を行い、民主的に運営方針を決めていく点が特徴です。
コワーキングルームも備えており、誰かと刺激を与え合いたい若手起業家たちがリアルで顔を合わせられる場になっています。
web3コミュニティをビジネスへ活用するメリット
web3コミュニティでは、参加者の自発的なコミュニティへの参加が期待できます。従来のコミュニティのように、運営側が一方向で情報発信する組織でなく、参加者もプロジェクトメンバーとして参加できる点が大きな特徴です。
コミュニティ参加者にブランドの意思決定への参加権を付与することは、顧客ロイヤリティの向上につながります。
さらに、web3コミュニティはDiscordなどを利用したクローズドな空間であることも特徴です。閉鎖的な空間では、運営者の理念やビジョンを参加者にダイレクトに伝えられ、親しみを感じてもらいやすいでしょう。
web3コミュニティは、web3の思想から誰に対してもオープンであり、入退室は自由と設定されていることが多いです。さまざまな属性のメンバーをまとめたり、それぞれの自発的な参加を喚起したりするコミュニティのマネジメントには、知見が必要といえます。
web3時代でさらに重要になるコミュニティ
web3コミュニティでは、情報発信が一方向から双方向に変化し、メンバーの主体的な参加が期待できます。スマートコントラクトを導入し、非中央集権的な意思決定に切り替えることで、特定の管理者がいないボトムアップ型の組織であるDAOの組成も可能です。
DAOでは議論や提案、投票といったステップを踏み、メンバーの意見をコミュニティ運営に反映させられます。
しかし、参加者のコミュニティへの熱量を高め、活発な議論が行われるようなコミュニティ運営には知見が必要です。
ガイアックスのDAOコンサルは、DAOをはじめweb3に関する情報提供、企画立案、実装オンボーディングまで、一気通貫でサポートいたします。web3技術を用いて、コミュニティやDAOを組成しビジネスに活用したい方はぜひガイアックスのDAOコンサルにご相談ください。