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起業とは
起業とは「新しく事業を生み出すこと」。世の中にある課題に対して解決策を形にしていくのが起業家の仕事です。
あなたが普段何気なく使っているスマートフォンやSNSは「こういったものがあればより良い世の中になる」という思いから生み出されたものです。
社会に対する自分の欲求を自己実現できるのが起業家です。裁量権を持って自分の好きなスタイルで仕事をすることができます。
起業家になることのメリットは以下の記事で詳しくまとめています。
» 起業のメリットを実体験から説明!就職より起業を志した理由。
良い起業アイデアを出すマインドセット
社会に存在する既存課題と自分のしたいことがマッチするにはどういう考えを持ってアイディエーションを行えば良いのでしょうか?
今回の記事では「起業したいけどアイデアが思いつかない」、または「アイデアはあるけどその先のステップがわからない」という方に向けて、ガイアックスのスタートアップスタジオでいくつもの出資を行っている佐々木さんから起業家の特徴についてお話をしていただきます。
なお、Gaiaxでは起業支援を行っています。今事業を作ろうと思い、マーケティングやプログラミング、経理などのバックオフィスができるメンバーがほしい方、出資してほしい、事業アイデアを相談したい方が対象です。これらにあてはまる方は、ぜひオンラインで相談できるスタートアップカフェにお越しください。
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佐々木 喜徳
喜徳技術開発部・技術基盤部 本部長
スタートアップスタジオ 事業部長
組み込みOS開発やテクニカルサポート業務の経験を活かし、個人事業主として独立。 その後、フィールドエンジニアリング会社の役員経て2007年からガイアックスに参画。 技術部門の管理職と新規事業開発の経験を経てスタートアップスタジオ責任者に就任し起業家創出と投資判断を担当。また兼任で技術本部長として、ガイアックスで生まれるスタートアップの技術支援や組織のエンジニアリングの戦略に取り組んでいる。
起業アイデア・ネタが思いつかない
廣渡:今まで多くの起業家や出資の相談者と関わりがあったと思います。起業アイデアやネタが思いつかないという時はどういうマインドを持つべきだと思いますか?
佐々木:まずは自分がどのような観点で事業アイデアを考える起業家タイプなのかを確認すると良いです。起業家には大きく分けて2つのタイプがあります。
- 事業開拓型
「とにかく起業して事業を生み出したい」「何か大きな事を成し遂げたい。」といった気持ちがベースにあり、世の中の課題を見つけて、解決策を形にするタイプです。
この事業開拓型タイプの起業家は一定知識があり得意なマーケットを定めて、そこで面白いものをつくるというプロセスで事業を考えていきます。 - 潜在ニーズ先行型
自分の過去の辛い経験や、環境を通して既に強い課題をもっていて、その問題の解決策の手段として事業をおこしたいというタイプです。
この潜在ニーズ先行型タイプの起業家は、人の考えや行動を分析した上で解決する方向性を定めた上で、マーケットを当てに行くことで事業を作っていきます。
廣渡:なるほど、わかりやすいところで言うとマイクロソフトやアップルがインターネットの誕生を利用してプロダクトを作ったのが事業開拓型で、好きな人の授業履修を見たいという思いから生まれたマーク・ザッカーバーグのfacebookは潜在ニーズ先行型ですね。
佐々木:自分がどちらのタイプなのかを改めて考えることでビジネスアイデアの考え方は変わって来ます。
廣渡:事業先行型タイプの人はどういうマインドを持つべきなのでしょうか?
佐々木:多くの人はまずは自分の観点で良いので「こういうサービスがあれば良いな」というものをリストアップします。そして次に重要なのが、市場調査をしてニーズがあるかの調査です。しかし残念なことに思いつきのアイデアだけではうまく行かないのが現実です。自分の直感と世の中のニーズのすり合わせが必要です。机上であれこれ考えるのではなく、外にでてコミュニケーションをたくさんとってデータ収集することが非常に重要です。
廣渡:潜在ニーズ先行型タイプの人はどうでしょう?
佐々木:潜在ニーズ先行型の場合は、すでに明確な課題があるので、自分だけじゃなく他の人が同じ課題をもっているかを調べることが重要です。ヒアリングを行うことで、同じ課題感をもっている人との出会いから、同じ信念をもって一緒に事業をつくる仲間をを見つけることもありえます。また、課題が明確だからこそ様々な切り口から課題解決をする手段を考えて、ソリューションをピボットしていく前提で取り組んでいくと良いです。
アイデア次第ではピボットも大切
廣渡:「ピボット」という単語はビジネス界において非常によく耳にする言葉ですよね。ピボットとはどういう意味なのですか?
佐々木:企業経営の方向転換や路線変更のことです。事業とは課題解決の手段でしかありません。1つ決めた事業よりもうまくいきそうな事業があればシフトチェンジしていく必要がある。常に手段をいくつか考えておくということです。
廣渡:任天堂がもともと花札やボードゲームを販売していたのを、コンピューターの誕生に合わせて業務用コンピューター向けのゲームを開発したのが一例ですね。1つ目の事業がうまくいくとは限らないですからね。
佐々木:どの起業家タイプでもどんなビジネスでも一貫して言えることですが、1個2個考えたアイデアがうまくいかないのであれば、もう10個考えて粘り強くいることが大切です。リーンビジネスの観点だと、1つ2つうまくいかなかったとしても、その経験が事業作りや、ユーザー、マーケットの学習として糧となっていくのでたくさん挑戦するべきです。
廣渡:なるほどですね!仮説検証の時期をとる必要がある意味がわかりました!
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この記事を見ながら起業戦略を考えるにあたり、もし事業の壁打ちが必要でしたら、Gaiaxにご相談ください。自社からカーブアウトした事業が3社上場した実績もあるガイアックスが運営するスタートアップカフェにて事業の壁打ちから出資、メンバー派遣まで対応可能です。
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2021年 令和時代の起業アイデア・ネタ
廣渡:毎月数十件の起業アイデア相談を受けていると思いますが、最近流行りのアイデアなどありますか?
佐々木:やはりコロナの影響が大きいですね。オフラインからオンラインへ移行関連の事業案が多いです。
廣渡:時代に沿った課題解決ですね。具体的にどんな事業案がありますか?
佐々木:今はまだ事業検証中なのですが、オンラインでのコミュニケーションをよりオフラインに近いものにするサービスがあります。ビデオ会議はシリアルコミュニケーションなのがネックです。本来のコミュニケーションというのはパラレルでも行われます。例えば、オフラインではAさんとBさんがはなしているときに、CさんとDさんが違う話をしていることもあります。そういった、オンラインならではのストレスを解決していこうとしています。
廣渡:ビデオ会議での「間」はオフラインに比べて耐え難いですよね。笑 是非うまく走り出してほしいです!
廣渡:出資する側として今後期待しているジャンルなどありますか?
佐々木:期待しているジャンルとしては、個人的にですがまだスタートアップとして蓋が空いていない領域だと「おお!」と前のめりになります。特に世の中としてタブーと言われるようななジャンルに挑戦したい人に出会いたいです。
廣渡:世の中のタブーですか!
佐々木:過去の投資先の例でいう「メンヘラテクノロジー」が近いかもしれません。メンヘラと聞くとマイナスの表現でビジネスとしては手をつけづらい領域です。このサービスの運営者も自分自信がメンヘラということから、他の人も支援したいという自分の経験に基づいて生まれたサービスです。
廣渡:具体的にどうやって課題を解決しようとしているのですか?
佐々木:メンヘラの方は気持ちが病んでしまうことで自分を傷つけてしまうことがあります。その方法は色々で不必要なものを爆買いしたり、好きでもない異性と付き合ったり。そういった不安やストレスをマイナスな方向に発散するのではなく、プラスになる違う手段で傷を発散する。という解決方法を模索しています。メンヘラをなくすのではなく、「うまく付き合っていく」というのがポイントです。
廣渡:たしかにメンヘラであること自体は悪いことではないですからね。どんなサービスが生まれてくるのか楽しみです!
佐々木:あと事例としては、まだ投資前の仮説検証の支援中ではありますが、フェムテック(feminineとtech)領域で課題解決を試みている事業です。性におけるペインや苦しみをテクノロジーで解決するビジネスモデルですね。
廣渡:テクノロジーでジェンダー課題の解決ですか!全く想像がつかないこの類いの事業は非常に希望を感じますね!
起業アイデアを形にする方法
廣渡:起業をするにあたってのマインドセットや、様々なビジネスモデルことがあることがわかりました。とにかく大切なのがニーズの大きさを明確にする仮説検証が大切ということですね。
佐々木:はい、世の中の流れでチャンスを見つける開拓型でも、自分の原体験や課題をビジネスで解決したいという潜在ニーズ型であれ、仮説検証して、最終決定するまでのアイディエーションの時間は必ず必要です。その助走期間をサポートするのがガイアックス・スタートアップスタジオです。
佐々木:いくつか事例として出しましたが、基本的には「人と人がつながり」によって、社会課題を解決していくよな事業アイデアであれば、ジャンル問わずカジュアルに壁打ちしています。可能性を感じた事業アイデアは仮設検証の支援しますし、ビジネスモデルが固まったタイミングで投資して事業開発を一緒に取り組んでいきます。
まだ起業していない方、アイデアがない方でも相談できる「STARTUP CAFE」を開設しています。僕含め、起業経験のあるメンバーが相談を受けてサポートをしていくので是非お気軽にお申し込みください。