なんとまぁ!Gaiaxを卒業した私が引き続き卒業生インタビューを書かせて頂くことになりましたw
というわけで、改めましてGaiax Bardsの好奇心担当大川美里ですo(^-^)o
Gaiaxを卒業していったユニークな皆さんをインタビュー形式でご紹介する「Gaiax卒業生に聞いてみた!」シリーズ、その頭の中見せてもらいましょーっ!!
なお、ガイアックスに興味を持ってくださった方は、オンライン座談会にてメンバーに直接疑問をぶつけることができます。「採用に興味がある」や「ガイアックスってどんな会社だろう?」と思った方はご確認ください。
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Vol.6のゲストはAppBank 株式会社 代表取締役社長CEO 村井 智建さん
村井 智建(むらい ともたけ)
石川県出身。2000年、株式会社ガイアックス入社。2006年、株式会社GT-Agencyを設立。2012年、AppBank株式会社を設立し、代表取締役CEOに就く。2013年からはニコニコ動画やYouTubeに出演し、「マックスむらい」チャンネルでは約150万人の登録者数を獲得。
最近Gaiaxのオフィスと同じNagatacho GRiDに移転してきたAppBank。
参考:上場企業のAppBankがシェアオフィスに期待する2つのコト
トレードマークの「マックスむらい」がプリントされた赤いパーカーで登場してくれた村井さん。スマートフォンと三脚・マイクのようなものを持っていらっしゃるような…?
村井 今日せっかくなので、映像も回しておこうと思います。YouTubeでも流そうと思ってますけど良いですか?
大川 おー。いいですね、ありがとうございます!今日はよろしくお願いします。
ノーカット映像版はこちら
村井 よろしくお願いします。
大川 今日は卒業生インタビューということで、「起業家輩出企業」と言われるGaiaxの卒業生たちがどんなことをやっているのか?どんなことを考えているのか?をお伺いしてブログ記事として公開しようと思っています。普段は、まずGaiaxとの出会いや在席時代のエピソードなど「Gaiaxと私」のお話を伺っているのですが、村井さんの「Gaiaxと私」はもうブログ記事にありました!
村井 ありました?私、どんなこと言ってました?
大川 この記事です。
新しい事業や産業を作るなら 強烈な“熱量”が必要だ!
Gaiaxとの出会いからAppBankが生まれた経緯まではこちらの記事に書いてあるので参照して頂くとして、今日はその後のお話から伺っていきたいと思っています。
ドロドロの恋愛みたい?なGaiaxとの関係
ー AppBankはGaiaxのカーブアウト制度*第1号ということで…
*申請した事業チームに対して、事業を子会社化。ストックオプションを最大50%発行し、子会社の経営陣やメンバーに付与する制度
村井 お?そこ聞いちゃいます?
ー んんっ??
村井 AppBankはGaiaxのカーブアウト制度第1号ってなってますよね。それ厳密には違うんですよ。
ー え?違うんですか?
村井 元々、Gaiaxには事業を起業するとか、それを支援する制度はありませんでした。
AppBankは、株式会社GT-Agencyという携帯向けに占いコンテンツを配信するGaiaxの子会社の一事業として始まったiPhoneアプリを紹介するメディアですが、当時Gaiaxの事業はB-to-B事業が中心で、メディア事業どころか、B-to-Cの事業すらない中で、AppBankというメディアを立ち上げました。
その頃オフィスは鎌倉に構えていて、iPhoneアプリの新着が夜中の2時〜3時に更新されるのに合わせて、朝4時30〜その日にリリースする記事をまとめて書く、6時くらいにカレーのレトルトを食べて、昼のリリース…そんな風に生活していると16:00くらいには頭痛がしてくるくらい。とてもじゃないけと18:00頃には体が持たなくなってくる。これをエンドレスで繰り返す日々を送っていました。
ー すごい…。
村井 もうAppBank1色ですよ。本当に人生を捧げていたという感じです。そうなってくる「Gaiaxってなんなんだろう?」とよく分からなくなってきたんですね。例えば、AppBankを死に物狂いで頑張っても給料が上がるわけでもないし。それである時上田さん(株式会社ガイアックス 代表執行役)と話したんですよ。
「もっと給料ください。」「いくらだったらいいの?」「4,000万くらい欲しい。」「いやいや、それはないでしょ。」と。そこが始まりです。
GT-Agencyではきちんと利益を出していたので、「GT-AgencyはGaiaxにそのまま置いていくから、AppBankをタダで自分にくれないか?」「いやいや、とはいえAppBankもGaiaxの一事業でしょ。」という具合に。
ー 平行線になりますよね。
村井 Gaiaxと喧嘩別れになるのは絶対に嫌で、お互いに納得した状態を作りたかったので「じゃぁこれはどうだ」「いやいや」「これならどうだ」と平行線からちょっとずつちょっとずつビジネスとして交わる点を探して行った感じです。Gaiaxからの独立が決まるまでの半年〜1年くらい喧々諤々と議論を重ねました。マックスにわがまま言ったとは思います。最終的には上田さんが大分寄ってくれたのかなとも思いますね。
それである時、GaiaxのWEBサイトを見たら「カーブアウト制度」という制度が掲載されていて、第一号としてAppBankが載っていた訳ですよ。(笑)
中身を見てみたら、半年〜1年かけて上田さんと話し合ったことが取り入れられていて、株式のこと、サポートの仕方など、私との話し合いの中で、あらゆるパターンが洗い出されて今の形になったのだなと思いました。
ー そして、2012年1月に株式会社AppBankとしてGaiaxから独立。独立して変わったことってありますか?
村井 うーん。特に変わらないかな。気持ちの問題ですかね(笑)。でもこんなに上田さんにお世話になるなんて思ってなかったです。今年、私が代表取締役に復帰したタイミングで上田さんにも社外取締役に戻ってもらいました。また一緒にと思って。Gaiaxとの関係はドロドロの恋愛みたいだなぁと思っています(笑)。
当面の目標は月間1億PV復帰!攻めに転じでメディアを育てて行く
ー 今年5月には、Gaiaxの本社があるNagatacho GRiDにオフィスを移転しましたね。Gaiaxとのコラボなんかも考えていらっしゃるんですか?
参考:上場企業のAppBankがシェアオフィスに期待する2つのコト
村井 実はもう勝手にやっています。
ー どんなことを?
村井 デスソースを飲んでもらって…ですね。(笑)
ー えー(笑)
村井 ここにいると旧友がたくさんいるんですもん!マックスむらいチャンネル出たいって言うし、全然出てもらってOKですし。
※デスソースの動画、見つけました。
https://youtu.be/5C-UBglFseQ
ー その回答は想定外でした(笑)。村井さんが代表取締役に復帰して、Nagatacho GRiDに移転して、これからAppBankはどんなことをやっていこうと思っているのでしょうか?
村井 代表を退いていた間は、主にコンテンツ作りをしていて守りに徹していました。会社も炎上事件のトラウマからがんじがらめのルールが多い会社になっていました。
本来、AppBankは誰よりも早くトレンドを捕まえて、もしかしたらトレンドよりも早くトレンドを捕まえるくらいの感覚で、クリエイター目線でコンテンツを創っているメディアです。私の代表復帰とNagatacho GRiD移転を機に、マネジメントやルールの見直しも行い、ここからは攻めに転じてAppBankというメディアを成長させていきます。当面の目標は月間1億PV復帰です。
Appbankはとてもポテンシャルの高いメディアだと思っています。これ、意外だと思われるかもしれないんですが、今SEOの見直しやサイト内の回遊性向上なんかをコツコツやっています。
「クリエイター・イズ・キング」と「プラットフォーム・イズ・キング」の考え方
ー 先ほど、AppBankは誰よりも早くトレンドを捕まえていくメディアだというお話がありましたが、村井さんがマックスむらいとしてYouTubeを始めた頃そういう露出はとても珍しかったと思います。今、Gaiaxでは新卒メンバーが日報をYouTubeでアップしていたり、動画で表現することが基礎能力のようになってきていますが、そこら辺はどう考えていますか?
村井 YouTubeに動画を配信すると、1再生あたりの収益をYouTubeに支払ってもらう。例えて言うなら株式会社YouTubeに所属している社員みたいなものです。YouTubeと直でやり取りする。このマックスレートの収益性はすごいですよ。そして、誰しもが一番の席に入れる可能性がある。企画を頑張って、動画を作って好きなことで生きていくなら今が一番いいんじゃないかと思いますね。
村井 でも、私はTikTokすごいなって思うんですよ。YouTubeのユーザーは自分の配信したコンテンツに対する収益は自分のものだと思っている、でもTikTokのユーザはそんなことを言わない。これなんでだと思います?
ー うーん、YouTubeは”自分のもの”という感覚ですけど、TikTokは”その場所を貸してもらっている”という感覚があります。
村井 でしょ?それ、騙されてますよ。(笑) 「クリエイター・イズ・キング」と「プラットホーム・イズ・キング」という考え方の違いなんですけど。YouTubeは「クリエイター・イズ・キング」、TikTokは「プラットホーム・イズ・キング」です。
マックスむらいとして知名度が上がってきた頃、人気YouTuberを育てて事務所をやらないか?という話を頂く事がありました。でも、AppBankではそれはやらない。例えば一人の人気YouTuber(クリエイター)がその事務所を移籍したらどうなります?
一方、TikTokはプラットフォームなので、クリエイターをコントロールするのはプラットフォームであるTikTokです。すごいビジネスですよ。ビジネスをやるならこの「プラットホーム」であるべきだと思っています。
そういう意味で、AppBankの経営者としては”マックスむらい”はあり得ないと思ってるんですよね。個に寄りすぎている。
”個で生きていく”という考えは持っていない
ー ちょっと意外です。”マックスむらい”としての村井さんの印象が強くて、”個で生きていく”というメッセージを発している方のように思っていました。
村井 (笑)。もし私が“個で生きていく”だとしたら、2015年の炎上の時に辞めてますよ。あの時は、10分で4000件もの誹謗中傷コメントが書き込まれるような状態でした。それでもブログが好きで、メディアが好きでAppBankを続けてきました。
以前、AppBankのサイトをリニューアルをした時はみんなで合宿したり、そういうのが好きです。よく、YouTubeの登録数を見て「マックスむらいの収入はすごいんじゃないか」って言われることがあるんですけど、そんなこともないですしね。
だからこそ、個に依存していないAppBankというメディアはポテンシャルがすごいと思っています。まだまだスケールしますよ。個で苦労したから分かるのかもしれません。
ー ここ最近のGaiaxは”個”を重視していく方向に進んでいますが、どう思いますか?
村井 確かにGaiaxは”個”に寄っているけど、マインド共有のステップがありますよね。だから完全に”個として生きていく”とはちょっと違うように感じています。
ー Gaiaxの人ってGaiaxが好きで、なんか考え方の根本というか言うこと似てたりしますよね。
村井 そうそう。完全にオンラインサロンのような状態ではない。Gaiaxは良いと思いますよ。そんなGaiaxの組織文化に貢献しているかなと思うこともあって。
Gaiaxからカーブアウトして今年上場したアディッシュ代表の江戸氏。彼、石川の同郷で学年も同じなんです。そんな彼が新卒でGaiaxに入ってきた時に配属されたのが私のチームでした。2年弱ぐらい彼の上司という立場で、私がチームを離れる時に「後は自分がやります」といってその後チームを引っ張っていったのが江戸氏。それがアディッシュの大元です。そのアディッシュが、自分と同じようにカーブアウトして上場していった。これは嬉しかったですし、そういう文化作りに貢献したかなと。
ー 今日お話させて頂いて、マックスむらいとしてのイメージに引っ張られて村井さんを見ていたなぁと思いました。限界突破!みたいな。
村井 あれも本当は私の言葉ではないんですよ。CD出してますけど。石井竜也さんに色々なエピソードを話している中で「限界突破!それいいね!」となって…(笑)。限界突破なんて無理ですよ。着地すべき場所で着地すべきなんです。
ー それも意外です。
村井 私、A型ですからね(笑)。一緒に仕事をする人には「バランサーなんだね」と驚かれることが良くあります。ただ、200Kgくらいのバーベル上げながらバランス取っている感じだよね、と。
ー 200Kgのバーベル!キツそうー(笑)
村井 最後に一言。人が幸せかどうかって「仕事」「家庭」「個」のバランスだと思うんですよね。その黄金比をどう取るか。私はちょっと「仕事」に寄りすぎているかなとは思うんですけどね(笑)。
ー なるほど。今日は知らなかった村井さんの一面を知ることができたように思います。ありがとうございました。
村井 ありがとうございました!
Gaiax卒業生 村井 智建さんからのメッセージ
『人が幸せかどうかは「仕事」「家庭」「個」のバランス。限界突破なんて無理。着地すべき所に着地すべきなんです。』
☆シリーズ連続企画☆卒業生の頭の中を覗いたら
このコーナーはビジネスアイデア発想ゲーム「かけアイ」を使って、大川が卒業生の皆さまから即興で思いついたアイディアをお伺いするコーナーです。
山札から引いた3枚の「欲求カード」と3枚の「お題カード」。村井さんが引いた欲求カードは「スキルアップできる」「なりたい性格になれる」「頭が良くなる
」。そしてお題カードは「シェアリングサービス」「工場」「化粧品」。
「 ”頭が良くなる” これはいらないな。”なりたい性格になれる” こういうこと考えるのは違うと思うな。」
「”スキルアップできる”。動画で考えるとしたら”工場”と組み合わせて、今、工場も大変だと思うけど、実はすごいスキルを持っているのでそれを動画で紹介する。」
「うーん。欲求のカードがちょっとダメでしたね。」
「”シェアリングサービス”×”化粧品”。あ、でもこれは女性からしたらちょっと気持ち悪かったりします?」
「そんな感じかなぁ。」
一つ一つ順を追ってカードを動かしながら、結局すべてのカードを使って短い時間で、あれは?これは?と問いと答えを繰り返しながら考えてくれる村井さん。「バランサーだね」と言われると仰っていたのが少し分かる気がしました。丁寧に思考を深めて、新しく出てくる課題に自問自答を繰り返していく、そんな姿が印象的でした。
※「かけアイ」は、アイデア発想術の専門家、株式会社ウサギ 高橋晋平さんが制作したたビジネスアイデアをどんどん作るゲームです。【作例】#かけアイ #kakeai