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何歳になっても現場で戦い続けたい。TABICA 高田大輔さんの仕事論

最終更新: 2022年5月13日

私たちガイアックスは、“使命で動く” というPhilosophy (経営哲学/企業理念) を持っています。使命で動くとは、世の中の課題を自分ごととして捉え、ビジョンや問題意識を打ち出し、ムーブメントを生み出すことで社会を巻き込み実現すること。そんなガイアックスメンバーの様子を連載で紹介していく「使命で動くシリーズ」をご覧ください!

今回インタビューしたのは、TABICA事業部の高田大輔(たかた だいすけ)さん

ガイアックスでは「人と人をつなげる」をミッションに掲げています。TABICA(※現在はainiにリニューアルしました。2021.08月現在)そのミッションを体現するサービスの一つとして、CtoCで体験シェアサービスを提供しているプラットフォームです。今回はTABICA事業部の高田大輔さんの使命についてお聞きしました。

daisuke.takata

高田 大輔
TABICA事業部
2012年Gaiax中途入社。入社時より子会社や投資先の支援を担当。法人営業から事業提携の構築、バックオフィスの支援や経営企画までBizDevを幅広く担当。現在は、TABICAのBizDevと子会社であるロコタビの取締役を担当。趣味はキャンプと料理と第三者委員会調査報告書を読むこと。タスク管理アプリマニア。

現場のリーダーであり続けることが、僕の役割

ー 高田さんの使命について教えてください。

高田:僕は「善く生きること」を人生のテーマにしていて、それを軸に日々の意思決定をしています。
世の中には、事故や戦争で人が亡くなったり、悲しい出来事もたくさんありますよね。
僕自身も子どもの頃から、うまくいかない経験はたくさんありました。サッカーの試合で負けちゃうとか、親が自分の意見を受け入れてくれないとか。
一方で、自分のことを考えると「恵まれている」とも思っていたんです。裕福な家ではありませんでしたが、ご飯も食べられているし、健康だし、友達もたくさんいる。「幸せだな」と思いました。
悲しい出来事やうまくいかないことに注目するのではなく、恵まれているものに注目し、世の中に対して正しい行いをすることが大事なんじゃないか考えているんです。

ー 仕事をする上ではどのようなことを大切にしていますか?

高田:仕事をする上で大切にしていることは「現場のリーダーであり続けること」です。
僕はプライベートライアンという映画がすごく好きなんですが、トム・ハンクスが演じる主人公のジョン・H・ミラー大尉の姿に共感しています。
彼は自分自身も戦争の悲劇を体験していながら、戦争の大義も理解している。その中で自分が部隊を率いている時は、その局面局面で勝ち残り、メンバーを生きて返すことを大事にしています。
世の中の大義を理解しながら、思いがぶつかることがあったり、世の中の仕組みを悪くハックしようとする人もいる中で、手の届く範囲で幸せを届けようとしている姿に共感しているんです。
ガイアックス代表の上田さんやTABICA事業部代表の原田さんの側にいると「大きな所を見ているな」と感じて、憧れていました。でも、自分はどういうことができるかを考えた時に、大局観と現場で起きていることの間に立って、まとめていくことが僕の役割なのだろうと思っているんです。チームをまとめたり、チームに与えられている役割をどうやって完遂させるかというところで、大局を忘れてしまっては誰も幸せにならないですからね。

何歳になっても現場で戦い続けたい。TABICA 高田大輔さんの仕事論
何歳になっても現場で戦い続けたい。TABICA 高田大輔さんの仕事論

最前線で戦い続けるために必要なのは、謙虚さと貪欲さを両立させること

ー 現場のリーダーで在り続けるために意識していることはありますか?

高田:先人のマニュアルを実行することと、習慣の積み上げですね。
僕は天才への嫉妬が小さい頃からずっとあるんです。パッとすぐにできる人とか、外れ値の人っていますよね。上田さんは20代で会社を上場させていますが、人類から見れば外れ値だと思うんです。スラムダンクでいう流川くんみたいな。
そんな天才たちをマニュアルと習慣の積み上げによって倒していくことが、僕の一個人としての世の中での戦い方だと思っています。
小学校6年生の文集のタイトルは「一生懸命」ですから(笑)
僕は現場が好きで、仕事が好きなんです。できればずっと現場で仕事をしていきたいんですけど、僕が50代になったとき、20代の人たちは自分より優秀な人が多いと思うんです。自分が優秀だと思える人間に「一緒に仕事しましょう」と言ってもらえるということが、自分が仕事を頑張ってきたことの証だと思うので、そう言われるように頑張りたいです。
歳を重ねるとどんどん硬直化してくるんですよね。柔軟でいたいと思いつつ「tiktokとか何がおもしろいの?」みたいになる(笑)。
そうなった時に、20代の人たちを見てちゃんと対等だと思えるのか、自分が柔軟でいられのかを意識していたいですね。
新しいものには触れてみて、良いところは吸収しようと思っています。自分がわからないことがあったら、わかりそうな人に聞いたり。相手が正しいとまず思い込むことは大切だと思います。

机に座っているだけ? ガイアックスはIT企業のイメージを覆してくれた

ー ガイアックスに入社を決めたのはどうしてですか?

高田:僕はガイアックスに2012年に入社したんですが、その前の1年間は業務委託としてガイアックスに関わっていました。ガイアックスに関わる前の1~2年は僕自身が伸び悩んでいて、今思えば他責思考になっていました。これからどうしようかなと思っていた頃に、IT業界に興味を持ち始めていたんですよね。昨日アメリカの西海岸で発表されたことが、翌朝には自分が利用しているサービスに影響するというようなスピード感にワクワクしました。そのスピード感に魅力を感じてIT業界に転職しようかなと思っていたところ、上田さんからお声かけいただいたんです。
それまでの僕はIT企業に対して「どうせ机に座っているだけだろう」という印象を持っていたんです(笑)。そしたら、佐別当さん(現・ADDress代表)を始め、当時いたメンバーはみんな賢いのに泥臭いし、低姿勢だし、個人のビジョンも持っていました。泥臭さや地道さや野望、そして世の中に対する心の向き方がかっこいいと思っていました。

任された状態を常に説明できることが、自由に対する責任

ー 高田さんはガイアックス以外の職場も経験されていますが、ガイアックスの自由と責任についてはどう感じていますか?

高田:業務委託の頃、とあるサービスを買収するプロジェクトを進めていたんです。そのプロジェクトの会議中に気がついたんですが、その会議は業務委託の僕と、もう1人の業務委託とインターンだけで意思決定していました。こんな大きなことを、よく任せられるな〜と驚きました(笑)。
任せてもらえる自由さと、任せられた後の自由さはあると思いますね。

ー 責任に関してはどう感じていますか?

高田:自分がしていることを常に説明しなければいけない責任はあると思います。聞かれた時にちゃんと説明できる状態でいること。任せられたからには自分で設計して整理しておくことと、ちゃんと情報がオープンにできること。任せられたことの状態をちゃんと説明できないのは失格だと思います。数字的な責任もありますよね。
もう一つはガイアックスならではかもしれませんが、社会的に正しいことをすることに対する責任はあると思っています。そこから外れていたら、ガイアックスから任せられていることを担えていないということだと思っています。

ー 世の中のためになると自分が信じられることをしている、ということでしょうか。

高田:そうですね。世の中って、もっとみんなが生きやすくなる大きな流れに向かって進んでいると思うんです。その流れに逆らわずに、最先端の事をするということだと思います。

やりたいことをしているから、仕事が嫌になりようがない

ー 今はどんな思いで仕事に関わっていますか?

高田:人間には居場所が必要だと思うんです。ずっと家庭や会社以外の居場所が必要だと感じていましたが、コロナの影響で居場所の大切さをより強く感じるようになりました。
TABICAのホストの皆さんは、居場所を作っているんです。帰る場所や遊びに行ける場所、「そこに行けば知っている人がいる」という場所を作っている。
僕は世の中にあるサービスは全て役に立つものだと思っているのであまりサービスに対する好き嫌いはないんですけど、TABICAは尊いと思いますね。
分断が進んでいく中で、コネクトすることをしている。そんなTABICAのホストの皆さんが好きだし、尊敬しかありません。

ー TABICAはすごいスピードで進んでいますよね。これまでにどんな困難がありましたか?

高田:僕が関わって3年くらいになりますね。昨年対比は伸びていますし、8月は過去最高の参加人数だったんです。伸びてはいるんですけど、何も成功しているという感覚はないですね。日々チャレンジが続いている感じです。

ー 何も成功している感覚はない…それでもチャレンジを続けられるのはどうしてですか?

高田:仕事をしたくないという感覚があまりないんです。自分でやりたいことをしているので、常にエネルギーが出てくるんです。
自分でハンドルを握っている感覚があるので、嫌になりようがないのかもしれません。
あとは、すごく幸せな環境で仕事をさせていただいていると思っているんです。
僕は当初、TABICAのような新しい事業において、リモートワークのように証明されていない働き方はしない方がいいと考えていました。お互いが見えにくくなることはわかりきっていますし、集まれる人は集まった方がいいんじゃないかと。
でも、今ではリモートワークしかないとすら思っています。メンバーが何をしているかとか、見えなくなるのは事実なんです。一方で、リモートワークになってから「正しいことが行われているはず」という感覚が強くなりました。見えなくなっても何も心配にならないんです。
「どうして僕はこんなに安心していられるんだろう?」と考えた時に、それは信頼できているからなんですよね。一緒に働くメンバーを信頼できるというのはすごく幸せな事だと思います。だから辛くならないんでしょうね。

ー 高田さんがチームメンバーと信頼関係を築くために心がけている事はありますか?

高田:いいと思ったことは褒めて、悪いと思ったことは言うようにしています。褒めるのも、おかしいと思ったことを伝えるのも、遠慮せずに言うようにしています。
あとは、特に若い人には「強みで勝負して、弱みで負けないようにしよう」と伝えます。
自分が弱みだと思っていることって、大体は練習できていないかやったことがないかで、本当は弱みってあまりないんだと思うんです。

現場に立ち続けるために、自分自身が柔軟に変わり続けていたい

ー 高田さんの今後について教えてください。

高田:コロナのことに限らず、経営環境の変化は今後もたくさんあると思っていて、その中で死なない事業を作ることが重要だと考えています。
もう一つは、桁を変えていく仕事をしていきたいと思っています。「10倍にするにはどうしたらいいか?」に常にこだわっていきたいですね。
これまでは日々をもっとよくしたり、仕事を滑らかにしていくことにこだわっていたんですけど、桁を変える仕事をしていかないとどうにもならないと感じました。

ー 「桁を変える仕事をしていこう」と意識が変わったのは、どういう経験があったのでしょうか?

高田:いろいろな思いがありますが、以前の経験が大きいかもしれません。
僕は全員の思いを形にすることにこだわっていたのですが、結局それはうまくいきませんでした。ライバル会社はマーケットに従って規模を拡大していて、結局そういうものに飲み込まれてしまうんです。
「みんなのことを考えるところ」が僕の良いところだと思っていただいているかもしれませんが、それによって、結局誰も助けないことになりかねない…。すごく悔しいんですけど、ノアの方舟を用意したかったのに何も用意できずに終わってしまったんです。10倍にすることに対する僕の意識が低いばかりに、調整ができなかったと反省しています。
あとは、個人的なことでは、最近はアンラーニングをテーマにしています。僕が20代で身につけた仕事観やスキルセットは、急速に古くなっていくんです。時代に合わせていくために、変わっていかないといけない。変わるためには、捨てなければいけないと思っています。

ー 柔軟に時代の流れに向き合うこと、人との信頼関係を築くこと。現場で戦い続ける高田さんの美学を垣間見ることができました。ありがとうございました!

インタビュー:荒井智子
ライティング:黒岩麻衣

編集後記

いつも朗らかで、気さくな印象のある高田さん。このインタビューを通して、高田さんの軸にあるものに触れることができたように感じています。こんな隊長がいてくれるなら、隊員としても心強いのではないでしょうか。

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