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[日本郵船×ガイアックスDAOコンサルティング]大手海運企業がDAOで行う新しいチャレンジとは

最終更新: 2024年9月3日
ガイアックスでは、企業によるDAOの立ち上げ・DAOによる新規事業検証の支援サービスを提供しています。
今回は導入事例のご紹介として、日本郵船株式会社(以下、日本郵船)様にご登場いただきます。インタビューしたのは、港湾グループの森本庄平様、DX推進グループの横山真由様。森本様は港湾関連のビジネスの統括を担当されており、横山様は社内の業務改善、改革に携わられています。
社内有志でDAOをトライアル導入した経緯や、実際にどのような取り組みが行われているかについて、ガイアックスDAOコンサルタントの上井登志之がお聞きしました。
上井 登志之

上井 登志之

web3事業本部・DAOコンサルティング ディレクター

長野県安曇野市出身。東京農工大学農学部 共同獣医学科 2023年卒業。現在はweb3事業本部・DAOコンサルティングディレクターを務め、企業や自治体の新規DAO結成時のコンサルティングのディレクションおよびプロジェクトマネジメントを行う。

ガイアックスは、これからDAOを立ち上げたいと考える組織運営者向けに、コンサルティングを提供しています。日本初のDAO型シェアハウスなど数多くの実績があります。社内でDAO導入を考えていたご担当者様は、DAOコンサルについてをご確認ください。

DAO組成や、弊社での具体事例についてまとめた資料を、
無料でご共有しております。

web3の知見を得るなかで感じた有志による「社内DAO」導入への期待

日本郵船様では、社内のコミュニケーション課題をDAOで自己解決することを目的に弊社が伴走させていただきながら、4ヶ月間で社内DAOを組成いたしました。今回のDAOのプロジェクトは、どのような背景や課題があってはじまったのでしょうか?

日本郵船 森本様(以下、森本)
日本郵船は海運物流の会社なのですが、新しいことへのチャレンジを会社としてどんどん進めていこうという取り組みがあり、その1つに実践型の研修というものがあります。

その研修活動の中で、web3やDAOについて勉強した際に可能性の大きさを感じ、web3・DAOの仕組みを使って「我々のビジネスであったり会社に対して新しく価値創造ができるのではないか」、「いま私たちが抱えている課題を解決し、その先に何か新しいものをつくりだせるのではないか」と考えるに至ったというのが背景です。

DAOの知見に関して、もともとご自身で勉強されていたり、社内研修などで学ばれていらっしゃったのでしょうか?

森本
正直に申し上げて、当初は知見がまったくございませんでした。web3やDAOの可能性を知るために、世界中のさまざまな導入事例やマーケットの大きさというのをデータとしては勉強を進めていましたが、いざ日本郵船グループのなかでどのように使えるのかを考えてみると、まったく想像ができなくて。

「DAOコンサルティング」でGoogleで調べて一番最初に出てきたガイアックスさんにお問い合わせフォームからご連絡したところ、すぐにレスポンスをいただきまして、今回のご縁に至ったという感じです。

上井
たしかにDAOコンサルティングで調べるとあまり手がけられている会社さんはいらっしゃいませんので、弊社がヒットします。こういったご縁をいただいて、私としても感謝しております。

社内DAOから“月曜日も楽しみになる”会社づくりを目指して

実際にDAOを組成していく過程で、通常の組織形態と違うので慣れない部分もあったのかなと思うのですが、何か苦労した制約はありましたか?

森本
たとえば世のなかのDAOは、企業のなかだけでなくよりオープンなものになっていますし、そのコミュニケーションツールとしてDiscordを使うケースも多々あるかなと思います。
しかし、会社のなかでそれをやってしまうと「情報セキュリティの観点的に難しい」という問題がありましたので、私どもの場合は社内でいつも使っているTeamsを使ってコミュニケーションを取っています。
また、これは情報セキュリティの問題ですけれども、この新しい組織をつくった時に「誰がどう管理していくのか」という点はさまざまな管理部門と調整を進めています。

導入するなかで新たに感じたDAOの魅力について教えていただけますでしょうか?

森本
DAO的な組織とこれまでの会社組織を比べた時に、より上下関係のないオープンな組織で、多様なアイデアを生み出せるのかなと感じました。その点はDAO、あるいはDAO的な組織の大きな強みじゃないかなと思っています。
あとは、コミュニティとして立ち上がって盛り上がりつつあるので、自分自身もそのコミュニティに携われていること自体にとてもワクワクしています。

上井
フラットに意思決定が出来る組織という特徴があるので、そうした部分を体感していただけたのかもしれません。
あとはおっしゃっていただいたように、シンプルに「運営していて楽しいな」という気持ちが生まれますよね。“社内サードコミュニティ”という位置付けでスタートされたと思うのですが、社内で普段は関わらない方とコミュニケーションをとれる機会になっているようにプロジェクトを見ていて感じました。

実際に立ち上げていくなかで、どのような意見がメンバーから挙がりましたか?

日本郵船 横山様(以下、横山)
メンバーに声を掛けた際、誰もがDAOやweb3という言葉をほとんど聞いたことがない状態だったと思うので、おそらく「何をしはじめたの?」と思われた方が多かったんじゃないかなと思います。

そのなかでも、新しいもの好きな人やアンテナの高い人がいて、「何かわからないけれど一緒にやってみたい」とか「興味があるから参加してみたい」と言っていただけたことはとても嬉しかったですし、私たちとしても「一緒に何かをつくり上げていきたい」と思った瞬間でした。

上井
個人的に意外に感じたのが、熱量の高い方が多かったことです。
DAOのメンバーを集める前に、web3やDAOに関する研修を弊社の方から提供させていただいたのですが、そちらに100名近い方が参加してくださっていて。

その部分はお二人にとって意外なことでしたか?

森本
そうですね、弊社の規模で100名だと「よく集まったな」という印象です。
この半年から1年で新聞などでもweb3やDAOのワードがどんどん取り上げられはじめているなかでも、多分みんなどちらの言葉もスルーしていたと思うんです。でも、「とはいえ社内研修でも取り扱いはじめているし、スルーしてはいけないのだろうな」と感じているメンバーもいて、、「今回のDAOプロジェクトでちょっと勉強してみようか」というメンバーも多かったんじゃないかなと思います。

横山
何かちょっとしたきっかけって大事だなと感じた瞬間でしたし、開催してよかったなと思いました。ガイアックスのみなさんにお力添えいただき、無事に取り組みを推進できて安心しました。

上井
ありがとうございます。私としても、実際に投票だったり、Snapshotを用いたツールの説明だったりを体験していただける素晴らしい機会だったなと感じてます。

DAOには公平な意見反映の仕組みや貢献の可視化といった仕組みがありますが、こうした仕組みがエンゲージメントにどのような影響を与えていくのか、今後期待されていることがあれば教えていただけますでしょうか。

横山
私たちが社内DAOをはじめたきっかけに、「社内で何かちょっとした悩みを持つことはあるけれども、なかなか吐き出したり誰かに相談する場がない」という悩みを社員から寄せられた経験があります。

そうした声を受けて、事務局としてやっている私たちとしては、社内DAOを通じて「月曜日が楽しみに」というビジョンを実現できればいいなと考えるようになりました。
小学生の時に月曜日が楽しかったのと同じように仕事を楽しめる社員がもっと増えたらいいなとか、会社を「もっと人生の実験場として使えるようになってもらえたな」と思いながら、私たち自身もDAOをメンバーと一緒につくり上げていました。

社内DAOが誰しもにとって楽しかったり挑戦できるような場になったとしたら、それはエンゲージメント向上に直接つながるでしょうし、「もっとこの会社で働きたいな」と思ってもらえるようになるのではないでしょうか。

上井
まさしくおっしゃる通りで、DAOはメンバーの自発性を尊重して組成される組織です。今後、さらにDAOが活性化して「実験場」という言葉がぴったりの場所になるだろうなと思いましたし、私としてもそういったコミュニティに進化しなっていくと非常に嬉しく思います。

導入から4ヶ月、新たなDAOプロジェクトも続々と始動

最初の段階と比べると、「DAOってこういうものなんだ」という体感値を持っていただけたり、組織のあり方の理解を深めていただけたのかなと思うのですが、最初の1ヶ月目と運営がはじまって4ヶ月目を比べての感想を教えていただけますでしょうか。

横山
まず1ヶ月目の時点では、「そもそも何をやるんだろう」と私たち自身も思っていたので、1メートル先が見えないぐらいの不安やモヤモヤを感じる時期もありました。ですが、ガイアックスさんに伴走いただく中で、DAOのなかでどうやって議論を回し、どう議題を投票まで持っていくかが理解できてからは楽しみな気持ちが大きくなってきて。

そうしたポジティブな流れを受けて、最近では事業部間の情報共有プロジェクトもスタートしました。
このプロジェクトは、社内でITツールの知識を持ってる人はいっぱいいるけれども、なかなか共有する場がないよねという背景から発足しましたね。

上井
僕自身も最初は初心者だったのでお気持ちがよくわかるのですが、やはり実際に投票して、さらにそこからタスクを自発的に選んで実行していく流れが一巡すると、DAOがどう機能するかがわかってきますよね。
その点を4ヶ月で体験していただけてよかったなと思いますし、1度慣れるとコミュニティのマネジメントが今後さらにスムーズになるのではと感じております。

社内外の垣根を超えたコラボレーションをDAOで実現していく

DAO立ち上げから4ヶ月経ちますが、現在課題に感じていることを教えてください。

横山
熱量が下がらないよう、プロジェクトの種になるようなネタ探しが必要ですが、ここはやっぱり大変ですね。「生みの苦しみがあるな」というのが正直なところです。

上井
おっしゃる通りで、中長期的にみなさんが取り組めるようなプロジェクトがあると、やはりエンゲージメントが保ちやすくなります。ですが、初期はどうしても旗振り役の方に依存してしまいますよね。

そういった意味で、先ほどの社内での情報共有というのは、とてもよいテーマだなと感じます。エンゲージメント向上を実現しながら、社内共通の業務オペレーションに対する課題と解決策を効率的に共有することで「車輪の再発明」のような状態を防ぐ成果を生めるのではと。
また、その貢献活動に対してリワードトークンが付与できますので、DAOの仕組みを活かせるかと思います。ぜひ今後も発展させていけると面白いなと感じました。

DAOコンサルティング

今後実現したいことについて教えていただけるとうれしいです。

森本
DAOの展望としては、いまは社内のDAOに注力して取り組んできましたが、このDAOを活用して社外のお客様や取引先様、ほかのステークホルダーの皆様とコラボレーションをして、この価値創造の輪を広げていきたいと思っています。

やはりDAOというのは、オープンでいろんな人や組織が混ざり合って一人だけではできないようなことにチャレンジをしていくことで、価値がどんどん生まれていくというのが一番の特徴じゃないかなと思います。なので社内だけにとどまらず、ガイアックスさんを含めもっともっと社外の方を巻き込んだ活動を目指していきたいです。

横山
まず社内DAOに関しては、事務局がいなくてもDAOらしく回るようになっていけばいいなと思っているところです。また、誰しもが楽しいって思ってもらえるような社内のコミュニティになればいいなと考えています。

それを超えた先としては、今回のコミュニティ形成の経験やノウハウを社内外の新しい取り組みにも活かしていきたいです。web3を活用してさらにいろんな人とつながりながら、もっともっと発展させていきたいと思っています。

本ブログの動画はこちらよりご覧いただけます https://www.youtube.com/watch?v=4rCh7PuzZaE

インタビュー・ライティング:上井 登志之

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上井登志之
DAO事業部にて、企業や自治体におけるDAO立ち上げのコンサル・PMを担当。これまで日本郵船社の社内DAOプロジェクトや三井住友海上火災保険社の「採用DAO」構築に取り組む。採用DAOによる採用活動の透明性や公平性担保はTVなど多数のメディアで紹介された実績あり。参加就活生は「匿名・学歴等不問」「評価の公開」に高い満足を得た。
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