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シェアエコは人類の「分断」を乗り越える ー SHARE SUMMIT2020 Co-Society ガイアックスCEO 上田祐司 登壇レポート Vol.1

最終更新: 2021年9月9日

11月16日に一般社団法人シェアリングエコノミー協会主催で開催されたシェアサミット2020。シェアリングエコノミーの事業者や参入に興味のある法人・個人を対象とし、例年の有料でのオフライン開催を本年度はオンラインとし、無料での開催が実現しました。
本記事では、一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事 兼 当社代表執行役社長の上田が登壇したシェアサミット2020のオープニングトークの一部分と上田がファシリテーターをしました「プラットフォーム環境の未来〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜」でのセッションの様子を全三部にわたり、ご紹介いたします。

上田 祐司

ガイアックス代表執行役社長 上田祐司  コメント
こんにちは、ガイアックスの上田です。
第一部では、シェアサミット2020のオープニングトークの内容をご紹介します。
また、今回は現職大臣2名に本サミットへご登壇いただきました。
過去を遡ると、今年9月にデジタル改革担当大臣に就任された平井大臣との出会いが、このシェアサミットを開催するシェアリングエコノミー協会の立ち上げに繋がりました。
詳細はこちらからご覧いただけます
平井デジタル改革担当大臣より、今回のシェアサミット の開催に向けて、ゲストグリーティングとして素晴らしいお言葉を頂きましたので、そちらも併せてご紹介させていただきます。

シェアサミットとは

社会のあらゆる分断を浮き彫りにした新型コロナウイルス。その脅威によって私たちがどう未来を描くべきか、境界線を飛び越え、誰もが納得して共生できる社会経済の仕組みと、豊さを享受できる持続可能な社会モデルにシェアリングエコノミーが果たす役割を考えるべく、共生による持続可能な社会「Co-Society」という次の時代を切り拓くため、12種類のディスカッションが設けられました。
シェアサミット 詳細
日本のシェアリングエコノミーは大手企業とシェアリングエコノミー事業者が協業しながら普及を図っていくスタイルが多く、提携によってシナジーを生み出すきっかけづくりとなることを本サミットの一つの目標としています。そして、諸外国と比べシェアリングエコノミービジネスを行っている絶対数が少なく議論すら巻き起こらない日本で、社会を良い方向に前進させるために議論を起こすという狙いが、このシェアサミットにはあります。
ガイアックス代表上田と平井デジタル改革担当大臣によるオープニングトークからサミットがスタートし、豪華39名の登壇者が2種類のステージに分かれ、12種類のセッションに登壇。さらに19:30からは、オンラインヨガやオンライン芸者遊び体験など、ZOOMでシェアサービスの体験ブースが設けられ、本サミットへ3000名もの方にご参加いただきました。

OPENING

「分断」を乗り越えるシェアリングエコノミー

新型コロナウィルスが蔓延して以降、経済や健康に影響を受け、我々の生活はどうなるのか?そしてコロナ前と比べどうなったのか?自身の実体験と重ね合わせ、今後のシェアリングエコノミーに対する期待について、ガイアックス代表執行役社長の上田によるオープニングスピーチでサミットがスタート。

上田 祐司
株式会社ガイアックス代表執行役社長。
1997年の大学卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で名証セントレックス市場へ上場。
社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事を務める。同志社大学経済学部卒。

このコロナの中、シェアサミットを開催できて非常に嬉しく思っております。
コロナは私たちに常に選択を迫っています。感染防止か、または経済活性化か。
そのせいで多くの制約がかけられ、経済や健康的にも影響を受けている方もいらっしゃいます。皆さんは、コロナの影響でどの様に生活が変わりましたか?
私は最近、葉山へ引っ越しました。緑と自然が多い場所です。皆さんの中にも田舎へ引っ越した方は多いのではないでしょうか。満員電車から解き放たれ、都心から自然いっぱいの環境へ移住する。そして、食事ひとつとっても高価な店に食べに行くのではなく、焼き魚や味噌汁というシンプルな食生活へ変わりました。みんなが家族と過ごす時間が増え、テレビ会議をしている時に子供達がテレビ会議の前を通るということも経験されているのではないでしょうか。何よりも大きな違いだと思うことは、見栄えのためにモノを買うということがなくなりました。必要なものだけを買う様になり、足るを知るということを体現する生活に変容しました。
新型コロナウイルスの影響で、我々人類は経済や健康など多くのダメージを受けましたが、もしかするとそれは、我々に社会的に大切なことを思い出させてくれたのかもしれません。
私たちがこれまで頑張ってきた事は発展を生む一方で、不幸や分断を生んできたのかもしれません。世界的に見ると民主主義でもポピュリズムが進み、少数派を受け入れるのではなく、多数派や大衆にのみ迎合する様な動きもありました。何よりも経済社会は資本主義、いわば、所有主義の価値観です。また、例えば「客という立場であれば、サービスしてもらって当たり前」という脳内に刷り込みをしていると言えます。その様な、価値観や無意識の刷り込みによって「分断」を生む考えを持っていました。
私たちが今取り組んでいる、シェアリングエコノミーは、この分断を乗り越えられる力を持っています。服だろうとカバンだろうと、「僕のものがあなたのもの」に変わる。車や家、そして駐車場といった様々なモノのシェア。何よりも人に貸して「相手に喜んでもらえるという、自身の喜び」がシェアリングエコノミーにはあります。仕事だってそうです。クラウドワークスやビザスクなどのおかげで、どこまでが自社の社員で他社の社員かわからない。家だって変化してきています。自分の家をシェアとして貸し、人の家にシェアとして入る。「所有主義」という価値観が変容しつつあるのです。
例えば、シェアリングエコノミー協会の石山アンジュさんは、シェアを活用して、東京と大分県で多拠点生活をしています。近所のおばあちゃんが農家でとれた野菜を軒先に入って置いてくれる。そんなことがあるそうです。私が引越しをした先の葉山でも、知り合いでなくても通りすがりの人と挨拶することは日常です。
この様な、古き良き時代をこれから作れるのかもしれません。新型コロナウイルスの蔓延という歴史的事件、そしてサービスが進みつつあるシェアリングエコノミー。
今日は、この二つが進みつつある真っ只中で、シェアサミットを開催することができました。
今回のシェアサミットでは、豪華登壇者の方々、パネラー、スポンサー企業の方々を迎え、記念すべき時期の貴重な機会となりました。分断を超えて新しく作る共生の社会は一体どんなものなのか、是非皆様と多くの意見をシェアして、これからどのようなことに取り組んでいけるのだろうかということに、今から非常にわくわくしています。
皆さんとご一緒にこのような社会を作っていきましょう。

新しいビジネスを求め、そこからの人間の幸せを

シェアサミットでは、情報通信技術(IT)政策担当大臣、デジタル改革担当大臣の平井 卓也氏よりオープニングのご挨拶をいただきました。
会場におりました上田としては、平井大臣のご挨拶の中でも、特に、デジタルがSDGsを実現するというお考えは素晴らしく、ぜひ多くの人にも知ってもらいたい、と感じたとのことです。こちらも併せてご紹介させていただきます。

平井 卓也
情報通信技術(IT)政策担当大臣
デジタル改革担当大臣

本日はシェアサミットの開催、おめでとうございます。
シェアリングエコノミー協会の方とはお付き合いが長く、皆さんを応援する形で設立された議員連盟の会長も務めさせていただいております。
今や会員社数も300社を超え、またシェアリングシティと呼ばれる地方自治体も100を超え、上場企業もどんどん輩出され、皆さんの頑張っている姿を見て大変喜んでおります。「シェアリングエコノミー x デジタル」これから先、どの様な社会を作っていくのか、どの様なニューノーマルを作っていくかは非常に重要だと思っています。
そして私は、ちょうど2ヶ月前の今日、9月16日にデジタル改革担当大臣に就任いたしました。そして、この2ヶ月間の間にいろいろなことを整理しながら、来年の9月にデジタル庁をスタートさせる予定となっております。
ここにきて、「なんのためにデジタル化を進めるのか」それを今一度問わなければいけないと思います。「デジタル化」という言葉を日本語に訳せと言われても訳しづらいものですけれども、感覚的にはわかる言葉です。私が非常にいいなと思っている言葉に、台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン氏のものがあります。「ITは機械と機械をつなぐけれど、デジタルは人と人をつなぐ」これはまさにシェアリングエコノミーそのものだと感じております。
先ほど、上田さんから新しいライフスタイルの話がありましたが、これもデジタル庁が推進する一つのテーマだと考えています。適正な分散と集中が社会全体として問われる時代になりました。
アフターコロナの時代も、感染症に対して耐性の強い社会を作らねばならないことは間違いありません。そこで、今問われていることは何かというと、新しいデジタルワーキングスタイルをそれぞれが作るということ。その環境整備のために我々も努力しますし、デジタル庁は、はじめからその考えで人を採用する考えです。北海道でも沖縄在住でも、どこにお住みでも、デジタル庁で勤務することができるということを役所が自ら率先して行動していこうと思います。おそらく、民間企業でも、その様な形で進んでいくでしょう。
デジタルという「繋がる」という技術により、時間と距離を格段に新しい創造的な資源に変えていくことが出来るとなったときに、人々が求めるのは「質の高い生活」だと思っています。
私と同じ香川県出身で大宰相の大平正芳氏は、1980年に田園都市国家構想というものを提唱されました。当時はあまり理解されていなかった方々も多くいると思います。「都市の持つ高い生産性、良質な情報、地方にある歴史や伝統や文化、潤いのある人間関係と自然の豊かさを融合させて、それぞれの地域がサステイナブルに発展することを目指す」というのがこの「田園都市国家構想」で、1980年当時に、まさにSDGsのことを言われていました。
そして、現代では当時の大平総理が言っていたことがデジタル技術で可能になりました。
これから様々な地域が持つ素晴らしさを前面に出し、それをサステイナブルなものにしていく。そしてデジタルが進めば進むほど、実は「潤いのある人間関係」がそこでは大事になってきます。地方で生活をして、今までと同じ仕事をする人がどんどん増えていく時代になることでしょう。そうなると、住む場所なども、ますます誰かとシェアをするという思想へ進み、物事の価値観が「所有から利用へ」と、これから一気にそちらの方向に進むのではないかと思っております。
皆さんはこのシェアサミットにオンラインで参加されていると思いますが、人間中心のデジタル社会をどうやって作っていくのかということに関して、デジタル庁は霞ヶ関の組織文化とは決裂した新たな位置として存在し、今後シンボリックな存在になっていきたいと考えています。デジタル庁へ「我は」と思う方々は参加をしてください。そして、デジタル庁を踏み台にして、それぞれ皆さんが人生の花を咲かせていく。そんな組織にしていきたいと思います。
シェアサミット開催を政界からも心からお喜び申し上げると同時に、このデジタル社会が益々、人間の根源的な欲求に添う形で進展していくと思いますので、皆さんも新しいビジネスを色々考え、そこに人間の幸せを求めていただければと思います。開催にあたりデジタル改革担当大臣としてお祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、おめでとうございました。

次世代日本 「信用評価」の未来 ー SHARE SUMMIT2020 Co-Society ガイアックスCEO 上田 登壇レポート Vol.2  へ、続く
ライター : 遠藤桂視子

ガイアックスにおけるシェアリングエコノミーへの取り組み

ガイアックスグループでは、自らシェアリングエコノミーのプラットフォーマーとしての事業を行うとともに、プラットフォーマー向けにご支援をするサービスを提供しています。
加えて、シェアリングエコノミーは、実際に宿泊や食事などのサービスを提供することから、これまで、そのようなサービス提供形態を想定していなかった国内にあった現業法と矛盾することが考えられます。
このようなことが問題にならないように、仲間であるシェアリングエコノミーのプラットフォーム企業とともに、シェアリングエコノミー協会の設立や運営を行っています。

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上田 祐司
1974年大阪府生まれ、1997年同志社大学経済学部卒業。大学卒業後は起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で株式公開。 ガイアックスでは、「人と人をつなげる」のミッションの実現のため、ソーシャルメディア領域、シェアリングエコノミー領域に加え、web3/DAO領域にも注力し、分散型自律組織やコミュニティの分野を強化。また、新規事業・起業を支援するスタートアップスタジオとして社会課題の解決に取り組む。 一般社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事、株式会社Unitoの社外取締役を務める。

主な政府委員・登壇などの実績

・消費者庁 第3回デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における 環境整備等に関する検討会(2020年)
・G1サミット2018 登壇(2019年)
・経団連 生活サービス委員会(2018年)
・日本学術会議 経営学委員会・総合工学委員会合同 サービス学分科会(2018年)
・総務省 地域IoT実装推進タスクフォース 地域資源活用分科会(2016年~2017年)

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