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都庁内公募で水道局からベンチャーへ。異なる組織文化の“架け橋”となり官民連携の推進を目指す

最終更新: 2024年10月9日

今回インタビューしたのは、東京都のスタートアップ・国際金融都市戦略室からガイアックスへ派遣され、スタートアップスタジオ事業部でお仕事をされている伊藤舜介(いとう しゅんすけ)さん。 もともと東京都水道局で徴収業務や財務関係の業務を担当していた伊藤さんは、庁内公募への応募を経て、2023年4月からガイアックスでお仕事をスタートされました。 今回のインタビューでは、スタートアップに携わろうと思った理由や行政の仕事との違い、現在携わっている業務や今後のビジョンについてお聞きしました。

入都6年目でスタートアップの世界へ。起業家支援や事業検証を通じて起業プロセスを学ぶ

現在、スタートアップスタジオ事業部ではどのような業務を担当されていますか?

自治体と連携して起業支援を行う「インキュベーション共創事業」に関する業務や、スタートアップスタジオの認知度向上や情報交換を目的として設立された「SUSU協会」の事務局運営などに携わっています。水道局で財務部署にいた経験を活かし、お金周りの管理を仕組み化して整えることが主な業務です。 そのほか、中高生を対象としたアントレプレナーシップ教育プログラムを提供する「起業ゼミ」を全国へスケールさせていくための方向性を同事業責任者の吉川さんとディスカッションしたり、スタートアップ事業部責任者の佐々木さんにご協力いただきながら、マーケット分析やリーンキャンパスの作成を通じた事業アイディアの検証活動もしています。

これまでの経歴についても聞かせてください。

2018年に新卒で東京都に入都して現在で6年目です。 初期配属は水道局で、2年間は新宿営業所で料金の徴収業務をしていました。水道料金の算定・請求・徴収といった一連のプロセスを経験し、個人宅など現場を回ることもありました。 3年目には、より水道局全体を見渡せる業務に携わりたいと考え、自ら異動願いを提出して水道局の予算や財務を管理する総務部主計課に移り、財務関係や経営計画の作成、進捗管理業務に3年間携わりました。 そして5年目となる2022年に、スタートアップやアクセラレータに職員を派遣する庁内公募に応募し、2023年4月にスタートアップ・国際金融都市戦略室に異動、ガイアックスへ派遣されて2ヶ月弱になります。

伊藤舜介

都のお仕事に就かれた背景には、どのような想いがあったのでしょうか?

幼少期に2年ほどアメリカに滞在したり、学生時代に海外旅行や短期留学を経験したことで日本や東京のよさをあらためて実感し、自分が生まれ育ったこの国や町をさらにいい場所にしていくことに貢献したいと思ったからです。 私は幼少期から学生時代までサッカーのクラブチームでずっと「1番」を目指していたのですが、東京都は「世界一の都市を目指す」とビジョンを掲げており、そのビジョンに共感したことも入都の決め手になりました。

行政とは異なる「未整備な環境」で“ゼロイチ力”を鍛える

庁内公募を希望されたのはどのような背景からだったのでしょうか?

アメリカや中国の友人から刺激を受け、スタートアップに興味関心を持っていたからです。 彼らは起業していたり、普段の会話からも自分の国の未来に対する希望が感じられました。 一方、私自身は経済が衰退していく日本にあまり希望を感じられず、友人たちとの違いを肌で感じていて。 その体験から「日本経済の再興に貢献できるような領域の仕事に携わりたい」と思うようになり、イノベーションを起こす力のあるスタートアップを生み出す仕事に携われる機会を探していました。

ガイアックスで働きはじめて2ヶ月弱になりますが、実際に働いてみていかがですか?

まず、上下関係を感じさせないフラットな雰囲気に驚きました。 都庁では名字に役職をつけて呼ぶ習慣があるのですが、ガイアックスでは名前で呼び合うメンバーもいて、日常の小さな部分にもフラットなカルチャーが浸透しているのを感じます。 実際の業務においても、スタートアップ事業責任者である佐々木さんが指示役に徹するのではなく、最も現場を走り回っている姿は印象的でした。そんな佐々木さんの背中を見て、「自分たちも走らなきゃ!」という気持ちにさせてもらっています。 ほかにも、ガイアックスには頑張りたい想いのある人を応援する文化があると感じています。 私が派遣されてからまだ2ヶ月弱ですが、「起業ゼミに興味がある」と言っただけですぐに起業家教育事業責任者の吉川さんとつないでもらえたり、起業ゼミやインキュベーション共創事業で「講師をやってみないか?」と提案してもらえたりといった機会がありました。成長したい想いを否定したりせず、具体的な選択肢を示すことで応援してもらえている空気を実感しています。

伊藤舜介

これまでの仕事との違いは感じますか?

長い歴史のなかで蓄積されたものがある都の仕事と、“整っていないことを整えにいく”ベンチャーとでは、仕事の進め方において違いがあるなと感じています。 都の場合は絶対的な正解があり、マニュアルも引き継ぎ書もきちんと整っています。反対に、ガイアックスはマニュアルや仕組みなどが整っていないこともありますが、整っていない分、「そもそもこれは必要なのか?」と本質的な部分から考えることができます。

仕事の性質の違いから、戸惑うこともあったのではないでしょうか?

慣れるまでは大変でしたが、わからないことは遠慮せずに聞くことを意識しています。 これまでは人脈について意識することはあまりなかったのですが、いまは自分のあらゆる人脈を活かして、知見のある人に教えを乞う機会も増えました。 あと、最近気づいたのは、ゼロイチの仕事では「誰も正解はわからない」ということです。事業をともにつくるなかで、誰かが絶対的な正解を持っているのではなく、メンバー全員で試行錯誤をしながら前に進んでいるのだと気づきました。 なので、わからないことをただ質問するのではなく、自分でもいろいろと調べて動いたり、「このように進めようと思うのですが」といったように提案と合わせて質問するようにしています。

行政とスタートアップの“架け橋”となり、イノベーションが生まれる土壌づくりに寄与する

この派遣期間でどのようなことに挑戦したいですか?

最初の1年はインキュベーション共創事業のプロセスを一通り経験する予定なのですが、もし2年以上ガイアックスにいられるのであれば、2年目は案件を1人で回してみたいと思っています。 そのためにも、自分の担当業務外のことも気になることは質問したり、ほかのメンバーの動き方を見て全体像をできるだけ把握するように努めています。機会があれば自分が心から惹かれるアイディアを持つ起業家に対し、実際に自分の手で事業を形にする支援ができたら嬉しいです。

そこを自分が橋渡し役となって、何かしらの形で官民連携の推進に携わり、世のなかに大きなインパクトを与える企業が生まれる土壌づくりをしていきたいです。

いずれは都のお仕事に戻ると思うのですが、ガイアックスでの経験をどのように活かしていきたいですか?

ガイアックスのフラットなカルチャーを都の組織にも還元していきたいと考えています。ガイアックスで働いていると、年齢や役職に関係なく意見を言ったり、意見が反映される文化が当たり前になっていきますよね。そういった風通しの良さが「働く人の主体性」を引き出していると感じたので、小さなところからフラットなカルチャーをつくっていけたらと考えています。 これまでは都の仕事しか知りませんでしたが、ガイアックスに来てみて、ベンチャーと行政では仕事の進め方や文化が異なるために、両者の間に壁ができてしまうケースがあるのだとわかりました。そこを自分が橋渡し役となって、何かしらの形で官民連携の推進に携わり、世のなかに大きなインパクトを与える企業が生まれる土壌づくりをしていきたいです。 そして、ゆくゆくは世界の時価総額ランキング50位以内に再び日本企業が名前を連ねる時代を、志のある方と一緒につくっていきたいです。

 

インタビュー 樗木亜子
ライティング 黒岩麻衣

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