働き方や価値観が大きく変化する現代では、従来の管理型マネジメントに頼らない「新しい組織のあり方」が求められています。
社会に価値を提供するだけでなく、メンバーが組織に愛着を持っているか(ロイヤリティ)やメンバーと組織が互いに貢献し成長できる関係になっているか(エンゲージメント)という指標がより重要になるでしょう。
そこで、本記事では現在の組織の状況を客観的に判断できる組織診断について、詳しく解説していきます。組織の現状を把握できれば、理想とする組織の実現に大きく近づくことが可能です。組織の現状を把握するのに有効な Team Journey Supporterや組織改革に伴走する自主自律型組織変革コンサルティングついてもご紹介します。
「組織の雰囲気を改善したい」
「組織の現状を把握して効率よく業績を伸ばしたい」
「メンバーの満足度を高めて活気のある組織を運営したい」
このように思っている方は、アイデアが得られるかもしれないので3分ほどいただけたらと思います。
組織診断で自社の現状や課題を発見し、マネジメントに活かす
組織診断とは、組織のパフォーマンス向上や働きやすい組織づくりを行うために、組織の現状や課題点を調査することです。
組織診断を行うメリットとしては、主に次の2つが挙げられます。
- 定期的に診断結果を見比べることで、マネジメントの改善に活かしやすい
- 組織の状態を可視化することで、メンバー同士で共通の認識を持つことができる
定期的に組織診断を行うことで、組織のメンバーが掲げる共通のビジョン実現のために、現在どのような状態にあるかを可視化することができます。組織診断によって組織の課題点や改善点を把握することで、次に何をすべきなのかが明確になり、効率的に自社に合う組織形態へ改善することが可能です。
組織診断ツールでできることを具体的に紹介
組織診断ツールを使うことで、普段の組織運営では把握することができないような指標まで細かく数値化されるため、客観的なデータとして可視化することが可能です。診断結果を参考に改善していくことにより、効率的に組織改革を進めることができます。
具体的には、組織診断ツールを使用することで、主に下記の3つができるようになります。
- 組織の状態やメンバーと組織の関係性を可視化できる
- 営業成績や業務成績などのデータを蓄積できる
- 最適な人材を配置することができる
それぞれ詳しく解説していきます。
組織の状態やメンバーと組織の関係性を可視化できる
組織の業績を伸ばすためには、働き続けたくなるような職場環境を実現することが大切です。特に、最近ではメンバーの「心理的安全性」と「エンゲージメント」の関係性が重要視されており、通常のストレスチェックだけでは把握しづらい、メンバーの心の状態まで理解してあげる必要があります。
組織診断ツールを活用することで、現在の組織の状態だけでなく組織に所属するメンバーの現状までデータとして可視化することができます。組織のエンゲージメントを高め、ハラスメントや離職などのリスクに備えて、包括的に組織診断を行っておくと良いでしょう。組織診断は、メンバーの定着や組織改善に大きく貢献してくれます。
営業成績や業務成績などのデータを蓄積できる
使用する組織診断ツールのシステムによって詳細は異なりますが、診断ツールを活用することで客観的なデータを継続的に分析することが可能です。組織診断の結果は、データとして管理しやすいため、膨大な量のデータを整理するといった手間がかかる心配はありません。
組織診断の結果を定期的に比較することで、早い段階で組織の方向性が間違っていないかをチェックできるため、メンバーのモチベーションを維持しやすいというメリットがあります。
営業成績や売上だけでなく、各メンバーの業績や心身状態を把握しておくことは、組織を大きくしていく上で欠かせないポイントと言えるでしょう。
最適な人材を配置することができる
組織診断ツールで得られた結果を参考にすることで、最適な人材配置を実現することができます。理由としては、組織診断によりメンバーの特徴や得意な分野が明確化されるため、自分に合った部署を見つけやすいからです。
組織の業績とメンバーのモチベーションは、密接に関係していると言っても過言ではありません。同じ企業であっても、チームの組み合わせや業務内容によってメンバーのモチベーションは大きく変化します。メンバーの特徴に合わせて、能力を発揮しやすい環境を提供してあげることで、効率的に組織の業績を伸ばしていくことが可能です。
組織診断の流れを解説
ここからは、組織診断の流れを詳しく解説していきます。組織診断と聞くと、複雑そうに感じますが全くそんなことはありません。組織診断の流れは、基本的には以下の3ステップで完了です。
- 自社の組織の特徴を把握する
- 自社の組織の課題を解決する
- 自社に合った組織へと進化する
それぞれのステップを詳しく解説していきます。
自社の組織の特徴を把握する
組織診断によって、まずは自社の組織の特徴を把握していきましょう。
マッキンゼーで10年以上の期間、組織変革プロジェクトに関わったフレデリック・ラルー氏は、著書『Reinventing Organizations』の中で組織の進化形態について解説しています。
組織形態にはレッド・アンバー・オレンジ・グリーン・青緑(ティール)などの種類があり、そのうち「ティール組織」が組織の最終進化形態と言されています。(※ティール組織について詳しくはこちら)
ラルー氏はティール組織に至るまでの過程をの5色に分け、メタファ・特徴をつけて解説しています。このカラーは、単純な組織のイメージカラーというわけではなく、組織形態の特徴を表しており、自社の組織形態を把握する際に非常に便利です。
具体的には、特定の個人の力によって支配的に組織を運営していく「レッド」色の組織から、社長や管理職からの指示系統は存在せず、メンバー1人ひとりが主体性を持って組織のビジョン実現を遂行する「青緑(ティール)」色の組織までという風に分けています。
より詳しい内容は、「ティール組織の色とは?他4つの組織との違いも解説します」にて組織形態の特徴を深堀りしています。
自社の組織の課題を解決する
組織診断で自社の組織の特徴を把握できたら、続いて、診断で明らかになった組織の課題を解決していきます。
組織の課題とは、「理想とする組織像と現実とのギャップを埋めるための具体的な行動」を示します。メンバーの主体性や自律性を高めるためにも、明らかになった組織の課題をメンバー全員に共有する必要があると言えるでしょう。組織が描く目標をメンバー間で共有し、目標実現のために必要な課題をメンバー全員で解決することは、組織の業績アップだけでなく、メンバー自身の成長にも繋がります。
自社に合った組織形態への進化に向けて
最後に、組織診断によって明らかになった現状と理想を再確認して、自社に適した組織形態へと改善していきます。
先ほど組織の進化形態についてご紹介しましたが、必ずしも「青緑」色(ティール型)の組織が正しいというわけではありません。自社の組織がどのようなビジョンを掲げているのか、社会の中でどのような価値を提供したいのかによって、理想とする組織像は異なります。
「どのような組織を目指すか」「組織が果たすべき役割は何なのか」を明確にしておくことで、組織診断をより活かすことができるでしょう。
組織診断を導入する際の注意点
組織診断は、組織として目指すあり方に向かうための手段の一つです。
「組織診断に費用や時間を投資したのに、組織の業績が改善されない」という事態を避けるためにも、この注意点は押さえておきましょう。
組織診断後のアクションを明確にしておく
組織診断ツールを使用しただけで満足していては、組織を改善することはできません。組織診断は、診断結果を受けて終わりというわけではなく、診断後にどのようなアクションに繋げるのかが重要です。
診断の結果から課題点を見つけ、具体的な解決策を考える必要があります。その上で、仮説に基づいたアクションプランを策定し、長期的なスパンで修正しつつ継続することで、理想の組織へと進化していくでしょう。
自社でも組織診断を導入したいあなたへ
自社でも組織診断を導入したいと考えているなら、組織診断ツール「Team Journey Supporter」を使用することもおすすめです。Team Journey Supporterを使用することで、チームの強みや特徴が可視化され、ティール組織の観点から組織診断を行うことが可能です。組織のタイプ別に診断され、自社の強みを活かしつつ、より自律的な組織へ成長していくためのアドバイスがもらえます。
組織診断ツール「Team Journey Supporter」の特徴
ここから、組織診断ツール「Team Journey Supporter」の特徴を解説していきます。Team Journey Supporterの特徴は、主に下記の3つが挙げられます。
- ティール組織の本質的理解に基づいた「自社らしい」進化を支援
- 29項目の組織の強みから自社の特徴を可視化
- ポジティブアプローチによる対話プログラムでチームの一体感を作る
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ティール組織の本質的理解に基づいた「自社らしい」進化を支援
従来の組織診断ツールは、他社との比較による組織の相対評価や、マネジメント側が管理や評価のために「課題(できていないこと)」を明らかにして改善することを目指していました。Team Journey Supporterは、ポジティブアプローチに基づき、「チームの特徴・強み」を可視化します。それにより、”他社と比べて優れている”ではなく、<自社らしい進化>を追求の支援をします。
29項目の組織の強みから自社の特徴を可視化
組織・チームのあり方は多種多様であり、唯一の正解はなく、ティールよりもレッドやアンバーなどが適しているチームもあります。「ティール組織を目指すよりも、一人ひとりの思いに合った進化が大切」という『ティール組織』著者フレデリック・ラルーの考え方に基づき、レッド・アンバー・オレンジ・グリーン・青緑(ティール)のそれぞれの組織が持つ特徴を「組織の強み」として29項目に洗い出しました。
ポジティブアプローチによる対話プログラムでチームの一体感を作る
従来の組織診断でありがちだったのが、レポート結果を受け取った後に「何から手をつければいいかわからない」となることです。アンケートに答えて終わりにならないために、組織変革のプロファシリテーターが作成した<対話の手引>もレポートと一緒にお渡ししています。
対話の手引きを活用することで、チームのありたい姿や進化に向けての問いの発見、変革への次のアクションを見つける対話を促進します。また、チーム毎の特徴や強みを可視化・共有することでチームを超えた学び合いや助け合い、連携の最適化を生み出すことが可能となります。
自主自律型組織変革の伴走者を求めているなら
組織の現状をどんなに把握したとしても、改善のために具体的なアクションを起こさない限り組織を変えることはできません。
組織診断を行い、自社でアクションプランを練ったとしても、「より具体的にアクションに対するアドバイスがほしい」と感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで株式会社ガイアックスでは、Team Journey Supporterとは別に、株式会社はぐくむと共同で自主自律型組織への変革に伴走するコンサルティングサービスを立ち上げました。
上場企業として自主自律型の組織運営をしてきたガイアックスと、国内外の企業において自主自律型への組織変革をサポートしてきたはぐくむの経験が手を取り合い、自主自律型組織への変革に伴走します。
「ティール組織」のような、自主自律型組織を目指すことが決まっている方には、こちらの自主自律型組織変革コンサルティングをおすすめします。
担当コンサルタント/ファシリテーターには、株式会社はぐくむ代表取締役の小寺毅さんをお招きしております。小寺さんはこれまでにUber、DeNA、Gaiaxなど国内外の企業において自主自律型への組織変革をサポートしており、書籍『奇跡の経営』で知られ、『ティール』でも触れられているブラジルのセムコ社が、自社の経営スタイルを広めるために運営している「セムコスタイル・インスティチュート」が認定している日本には数人しかいない認定コンサルタントでもあります。
ミーティングへのファシリテーター派遣や、組織変革に関する各種ご相談を受け付けております。まずは、お気軽にご相談ください。