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もう距離はハンデじゃない。熱意を生かすオンライン就活。【前編】

最終更新: 2023年11月9日

オンライン就活では、インターネット環境があれば、自宅にいながら企業の合同説明会やキャリアセミナーに参加できるサービスを提供しています。
現在はその2つのサービスに加え、エントリーシートの書き方や企業研究の方法など、具体的な就活のノウハウを学べる4日間の集中講座である就活カレッジにも力を入れているそう。
2019年の始めに着想を得てから現在に至るまでには、どのような経緯や思いがあったのでしょうか。また、コロナウィルスの感染拡大によって起きた変化や、今後の事業展開の展望ついて、オンライン就活の事業責任者である管大輔さん(@suga_neo)にお話を伺いました。
今回のブログではその内容を前編、後編に分けてお届けします。

SNSのプロ集団が採用活動・就職活動の課題解決に挑む

ー オンライン就活は2019年の始めに着想を得たそうですが、立ち上げからの流れを教えてください。

もともとは、採用広報の事業に着手したことが始まりでした。SOC(ソーシャルメディアマーケティング)事業部はSNSマーケティングのコンサルをしていて、これまでの知見をそのまま企業の採用活動に活かせると思ったんです。

提供するノウハウとか知見はそのままで、商品を消費者にマーケティングすることに代わって、会社を採用候補者にマーケティングするようになる、というイメージ。自分たちが持っている知見を採用領域で提供しようと思いました。

ー SNSのプロ集団としてマーケティングをしていたノウハウが採用にも活かせると気づいたとのことでしたが、そもそもなぜ採用に目をつけたのでしょうか?

SOC事業部の採用がうまくいっていて、この4〜5年はリファラル採用しかしていないんです。TwitterやFacebookやブログなどでしっかりと情報を発信していたら、いざ人が欲しいという時に、SNSでつぶやいたら応募が来る。
ちゃんと情報発信していれば採用もスムーズにできる、という成功体験があり、これをもっと活かせるのでは?と思いました。

そして、もう一つ理由があります。
それは、周囲の素敵な経営者の方たちとお会いして話す中で、採用に困っているというお話を聞いたことです。「こんなに素敵な方なのに、なぜ採用に困っているんだろう。」と、理解できなかった。

「この人のもとで働いたら、絶対幸せなのに」って。
話してみたら魅力が伝わる経営者はいっぱいいるのに、それがあまりにも外に出てなさすぎるから、そこに改善の余地を感じました。もっと、いい経営者のもとに人を集めたい、という思いが強かったですね。

ー 情報発信のスキルだけで、出会うべき企業と学生が出会えない。そこに違和感を感じて、情報発信にメスを入れ、本来起こるべき出会いを起こそうと。

そうです。もうちょっと言うと、SOCのもともとのミッションが「クライアントが持っている魅力や価値をちゃんと引き出して、それがお客さんに伝わるように伝えるサポートをする」というものなんです。

それが採用の文脈において、企業や経営者にも同じことが言えるのではないかなと。それぞれの企業や経営者が持つ魅力や価値をちゃんと引き出してあげて、広く伝わるように伝えるサポートをすることは、SOCとしてやるべき事だと思いました。

ー 採用広報をやっていたところから、なぜオンライン就活というサービスにシフトしていったのですか?

結論からいうと、その採用広報の事業は継続しないことを選択しました。成果が出ていたクライアントもいるのですが、事業としての拡大はかなり難しかった。
サービス内容をそれぞれのお客さんに合わせてカスタマイズする必要があるため、再現性を出しづらく、事業として成長させていくことは難しいと感じました。成果は出せるけど、事業として大きくしていくには、ビジネスモデル的に難しそうだ、と。そういう経緯で、採用広報のコンサル事業は売上は立っていたものの、半年ほどで新規営業をストップすることになりました。

オンライン就活
suga

一人の学生との出会いによって訪れた転機

そんな時に、SOC事業部で採用することになるインターン生との出会いが大きな転機になりました。2019年2月のことです。

当時の僕はアドレスホッパーをしていて、様々な地方を転々としていたのですが、金沢でイベントに参加した際にその子と出会いました。彼女は東京から来た社会人の僕と話すためだけに1時間も待ってくれていたんですけど、その時の1時間の会話がおもしろくて、「こんな学生がいるんだ」と思ってその場で採用を決めました。まさか金沢で出会った学生をその場で採用することになるとは思いませんでした。

そして彼女と話す中で、地方学生の就活に関する課題を聞かせてもらいました。
夜行バスで体力を使って、時間を潰すためのカフェ代もかかる。場合によってはバイトや学校を休んで、お金と時間を使って、参加してみたら全部ネットに載っている話だった、ということもある。最終面接ならまだわかりますが、合同説明会は、まだどの企業が自分と合うかわからなくて、選択肢を広げるというフェーズです。だったら、接点を持つところはもっとオンラインで効率よくできるのでは?という思いから始まったのが、オンライン就活です。

最初はオンラインで合同説明会を始めました。
2019年6月に金沢大学でテスト的に実施し、手応えをつかんで9月から本格的に開催を増やしました。
9月の本格開始の前には100人くらいの学生にインタビューしていました。Twitterで募集したら50人ぐらいの学生が集まってその全員ににヒアリングして、そこからさらに友達を紹介してもらって100人以上に話を聞きました。

東京との物理的な距離が制限になっている学生をサポートしたいという思いがあったので、地方在住の学生や海外留学中の学生を紹介してもらったのですが、ヒアリングを通して取り組むべき課題が明確にあると確信しました。

もう一つ、自分たちがこの課題に取り組むべきだと感じた理由があります。SOC事業部ではずっとリモートワークで仕事をしてきて、もう4年以上になります。
オンラインコミュニケーションに関する知見を溜めてきた私たちだからこそ、就活のオンライン化を推進できるのではないか。学生も企業も、オンライン化を通してより多くの機会を得ることができ、結果的により多くの素敵な出会いを生み出せるのではないか。そんな思いから、この事業に本格的に取り組むことを決意しました。

ー後編につづくー

インタビュアー:荒井智子
文:黒岩麻衣

ライター編集後記

ここまでお話をお聞きして、日常で何か「違和感」や「課題」を感じたとして、そもそも自分はそれに気づいているだろうか?「あたりまえ」や「仕方がないこと」として扱ってはいないだろうかと思いました。課題に気づいたら、それを改善していい。シンプルですが、そんなことに気づかされました。


管 大輔
2013年新卒でガイアックスに入社。2015年9月から事業部長を務め、クラウドソーシングの活用、リモートワークの推進など働き方の多様化を積極的に進めた結果、2年間で離職率を40%から0%に、売上が5倍に成長。2019年に本部長就任。2020年に新卒採用支援サービス『オンライン就活』を立ち上げ、事業責任者を兼務。
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