私たちガイアックスは、“使命で動く” というPhilosophy (経営哲学/企業理念) を持っています。使命で動くとは、世の中の課題を自分ごととして捉え、ビジョンや問題意識を打ち出し、ムーブメントを生み出すことで社会を巻き込み実現すること。そんなガイアックスメンバーの様子を連載で紹介していく「使命で動くシリーズ」。どうぞご覧ください!
今回インタビューしたのは、開発部(以下、DEV)の海藤直成(かいとう・なおあき)さん。
ガイアックスに10年在籍するエンジニア。ガイアックスは「人と人をつなげる」というミッションを掲げ、ガイアックスに集うメンバーもミッションを掲げている人が多い中、それを考えるのが苦手という海藤さん。それでも10年間、ガイアックスで仕事を続けている理由や海藤さん流のガイアックスの楽しみ方に迫ります!
海藤 直成
株式会社ガイアックス
証券会社、航空会社、旅行代理店などのシステム構築に関わったのち、toC向けの自社サービスに憧れて入社。
入社後は自社サービスの開発とリニューアルを担当。その後、情報システム部にて社内システムの刷新やコストカット、新規事業の技術支援を行う。現在は新規事業のアプリ開発を行っている。
ミッションやビジョンを考えると、言葉が出てこない
インタビュアー(以下、イ):「ミッションやビジョンはいらない?!」というタイトルは、ガイアックスブログとしてはかなり攻めていますよね(笑)。海藤さん流のお考えについて伺っていきたいと思っています!よろしくお願いします。
まず始めに、ガイアックスは「人と人をつなげる」というミッションを掲げ、ガイアックスに集う個々人もミッションを持って仕事に取り組もうという文化があると感じているのですが、海藤さんのミッションについて教えていただけますか?
海藤(以下、海):う〜ん、ミッション・・・。ほら、出てこないんですよ。
イ:このブログのタイトルの通り、という感じですかね(汗)。
海:ガイアックスでは定期的にミッションやビジョンについて考える機会があるのですが、10年経った今でも考えようとすると落ち着かず、ソワソワする感じがします。僕の中から出てこない、という感覚です。
イ:分かりました。ありがとうございます。一旦、受け取ります(笑)。では、海藤さんについて教えていただきたいのですが、今はどんなお仕事をされていますか?
海:今はDEVという部署で、主にスタートアップスタジオの事業の仮説検証のアプリを作ったり、aini(旧:TABICA)というCtoCサービスのモバイルを作ったりしているエンジニアです。主に、自社開発のシステムを作っていまして、今までにはガイアックスのオフィスであるNagatacho GRiDを利用する際に利用者がインターネット上でチェックインするためのシステムなども作りました。
イ:ずっとエンジニアでいらっしゃるんですか?
海:そうですね。ガイアックスで2社目になりますが、社会人になってからずっとエンジニアをしています。
イ:ガイアックスに入社したきっかけは何だったのですか?
海:前職をやめて仕事に就かず、1年ぐらいバックパッカーとして東南アジアを周遊していました。1年も遊んでいるとお金が底を尽きてきて、さすがに仕事を探さないとと思い、給料もそこそこ担保されているエンジニアという仕事にもう一度就くことを決めました。転職活動をして、いくつかの会社から条件提示された中でガイアックスが一番規模の大きい会社だったので、ガイアックスに決めました。
イ:決め手は「会社の規模」だったのですか?
海:いやいや(笑)本当は、前職では官公庁や大手企業の顧客が多く、堅苦しさも感じていたので、次は企業相手ではなくユーザーが見えるサービスで、かつ自社開発がしたいと思っていて、ガイアックスではそれができると思ったので入社を決めました。
ガイアックスは常に新しい考え方や事業が生まれるから暇している時間なんてない
イ:そこから10年ですね。10年間はどんなお仕事をしてきたのでしょうか?
海:だいたい4年毎に部署が変わっていて、今まで3つの部署を経験しました。
最初に配属された部署では、SNSサービスのリニューアルを担当していました。リニューアルが終わり、安定運用に入った段階で、次の部署である社内の情報システム部門(以下、TSA)へ移ります。TSAも4年ほど在籍していましたが、会社全体で開発に力を入れたいということもあって、現在の部署に移ることになりました。
イ:エンジニアという職種は専門性も高く、活躍できるフィールドは様々だと思います。ガイアックスに10年以上居続ける理由はどういったものがあるのでしょうか。
海:辞める理由がないんですよ。ガイアックスでは時代の変化に合わせて、常に新しいサービスや事業が生まれています。事業も組織も流動的なので、常に新しい考え方や仕事ができることが僕の楽しみの一つ。暇するタイミングがないんです。
今までガイアックスで取り組んできた仕事を振り返ると、SNSサービスを担当している時は技術策定から仕様・構築に至るまで広く関わり、新しい開発手法にもチャレンジできました。次の部署であるTSAは、社内の様々な事業部の人から依頼が上がってくる部署だったので、それらに応えることで包括的に会社の仕組みを理解できましたし、そこから浮かび上がってくる問題を見つけたり解決方法を提案したりすることも面白かったです。
現在担当しているモバイルの開発は、世の中にまだ十分に情報が出ていない新しい技術を使うことが多く大変な側面はありますが、僕にとってはそれが刺激的でもあります。4年ごとに縁あって、違うチームに運良く誘われているといった感じです。
イ:10年を振り返ると、どんな歴史がありましたか?
海:ガイアックスは現在シェアリングエコノミーを体現する場所としてNagatatcho GRiDにオフィスを構えていますが、その前はいわゆるオフィスビルというところで、全員そろって朝礼したりしていました。10年という月日の中で、オフィスの形態も組織の形もがらっと変わり、今では全員が出社することもなく、いろんな場所で働く人が増えていますよね。もう僕自身、実態がつかめなくなりそうだったのと、よく社外の人から「ガイアックスが何をしている会社か分からない」と言われたので、ブログを書きました。書いてみて思ったのは、ガイアックスが何者かを説明するのは簡単ではなかったですね。よかったら見てください(笑)。
今は家族との時間を優先すると決めている
イ:海藤さんの人となりが徐々に分かってきました。話をミッションやビジョンのことについて戻していきたいと思うのですが、ミッションは先ほど出てこないと伺いました。少し言葉を変えて、「海藤さんが大事にしているものはどんなことですか?」ということについて伺ってもいいでしょうか。
海:大事にしていること、ですね。そうですね、大事なのは家族です。子どもがこの前1歳半になったのですが、最近は子どもと過ごす時間の比重を大きくしています。今は新しい知識を身につけて、仕事の幅を広げるというところから少し距離を置いています。子どもの手が離れる時はいずれやってくると思うので、今は自分のスキルアップよりも子どもとの時間を優先しています。
イ:素敵ですね。海藤さんのお考えについては、メンバーの方もご存知なのですか?
海:はい、そうですね。今は業務時間外に技術的な勉強をすることだったり、業務以外に時間を費やす仕事だったりにコミットできないことを伝えています。
イ:周囲に宣言してまで、海藤さんがご家族との時間を優先しようと思うようになったのは何かきっかけがあったのですか?
海:前職の時に仕事をしすぎて、心身共に倒れる寸前になったという経験があります。その時の反省として、仕事のために自分の時間や大切な人と過ごす時間を犠牲にする必要は無く、むしろもっと時間を取っておけば良かったと思います。
今は仕事の時間を自分で決めることができて、それ以外を家族との時間に回せる環境であることはとてもありがたいですね。ここも「辞める理由がない」というところにもつながるのですが、リモートワークや複業ができるという環境があって、その中で自分が選択したい働き方ができるというのはガイアックスならではだと思っています。
イ:今のお話を伺って、ガイアックスのカルチャーである「自由と責任」が思い浮かびました。海藤さんは、この「自由と責任」についてどうお考えになりますか?
海:責任という意味では、責任を果たせないと対価はもらえないですからね。お金というのは、要求に対する「責任代」だと思っています。ただ、ガイアックスのコアバリューと照らし合わせるとちょっと消極的かもしれません。この「自由と責任」という考え方を「社会に対する自由な問題提起と責任」という意味とするならば、僕自身はまだ社会に提起したい問題を見つけていないということになると思います。
イ:なるほど・・・。さすが十年戦士なだけあって、コアバリューへの理解の深度が深いですね。
生き方、考え方、人それぞれ個性があっていい
イ:ガイアックスには、自分の働き方は自分で決めるというカルチャーがあり、それを評価制度という仕組みの中でも体現していこうと、マイルストーンセッションという名称で展開されていきます。長期的に人生について考え、人生の計画に基づいて仕事の計画に落とし込んでいってほしいという願いが込められているのですが、海藤さんは今後の人生について現時点ではどんなマイルストーンをお持ちですか?
海:人生のマイルストーン・・・。将来的にどんなことをしたいと考えているかですよね。やっぱり5年先、10年先と、先のことを考えるということが苦手ですね。
その中でも思い浮かぶのは、移住ですね。僕自身が山形の田舎で育ったので、子供がのびのびと遊べるところがある環境はいいなと思っています。あとは、今の仕事も4年経過しているので、だいたい僕の周期だと4年毎に仕事が変わっているので、新しい仕事への興味も湧いてきているかもしれません。
イ:「苦手」とおっしゃいながらも、2つシェアしてくださいました。ご家族を大事にしながら、楽しくお仕事していたいという海藤さんのミッションを垣間見た気がします。ミッションという言葉について、海藤さんのお考えを教えていただけますか?
なぜ自分がミッションやビジョンを考えるのが苦手なのか、改めて考えてみました。社会人になって、キャリアパスのルートが予め決められていて、いつまでに次の役職に就きたいかの時期だけを問われていました。
自分は何も変わりたくないのに型にはめられているかのように窮屈で居心地が悪い感じがして、その時の経験から「目標を持とう」「生きる道を決めよう」という感じは、どうしても拒否反応が出てしまうのです。
イ:そうですか、人生の行く先を決められているということが拒否反応へとつながっていたんですね。
海:コロナ禍を経て、働き方が多様になったり、一極集中的な考え方が見直されたりして、考え方にも変化が出てくる人がいるかもしれません。でも、僕としては引き続き、目標や生き方を見つけることに焦る気持ちはありません。人間は人それぞれ個性があると思っていますので。見つかったらそれはその時考えよう、と楽観的に捉えています。
イ:海藤さんらしいですね。「今」という時を全力で過ごされていて、それこそが力強い軸だなと思いました。「今の自分が大切にしたいことはこれだ」とその時々の自分の気持ちに正直になり、大切にしたいものを守りながらも、少々の難しさと共に楽しく仕事の責任を果たされることこそが、海藤さんのミッションなのかもしれないと思ったのですが、いかがですか・・・?
海:それがミッションと言えるのかどうか・・・お話した内容は自分の中に染み付いているものなので、ミッションに値するのかよく分かりませんが、記事としてオチがつくのであればそう捉えていただいても大丈夫です。
自分自身のミッションを掲げることは生きる指針になったり、目標達成のためのモチベーション維持に役立つと思います。その反面、囚われすぎると、理想と現実とのギャップに苦しんだり、度を越すと思い通りにいかない自分を嫌いになったりする可能性もあると考えています。
あまり一つの事や考えに固執せず、色んな考えを広く見聞きして、その時の自分に合えば取り入れればいいし、そうでなければ距離を置くようなカジュアルな関係の方が自分には合っていると考えています。
イ:海藤さんの芯の強さ、かっこいいです。
人それぞれの個性が組織の中で尊重されることは、組織が彩り豊かな生命体になっていくために、とても重要な要素なのではないかと私は思っています。ミッションを掲げるガイアックスとしては、少し攻め気味のタイトルでしたが、この記事を読んでくださった方がガイアックスの多様性をご理解いただく一助となったらうれしいです。海藤さん、ありがとうございました!
インタビュー・ライティング:樗木 亜子
編集後記
人生の目標を設定することは、人それぞれ”ちょうどいい”と感じる尺度がありますよね。ガイアックスには、改めていろんな人が集まっていると感じましたし、その多様性こそが魅力だと思いました。ひっそり、どしんと佇む海藤さんのことを今後も発信していきたいです!
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