ガイアックス入社後に必ず受ける新入スタッフ研修に潜入
起業家を連続的に輩出することに特化したスタートアップスタジオであるガイアックス。
新卒の6割が起業する会社であり、「起業」する意思を持つ人が多い会社でもあります。
社会に大きなインパクトを与える事業をアイデアからグロースフェーズまで見送る支援を実施する組織です。
Gaiax スタートアップスタジオでは、出資だけでなく、事業開発・エンジニアリング・バックオフィスの支援も行うことにより、初めての起業でも、数十回の経験を経てきたスタートアップスタジオメンバーのノウハウの元、事業活動に取り組むことができます。また、アイデアの構想段階から起業後の資金調達とパートナー探しのフェーズまで、イベントなどを通して相談することもできます。詳細は以下よりご覧ください。
»スタートアップカフェ詳細
そのため、ガイアックスのメンバーは、自分の人生のゴールを基軸に目標を設定します。今自分がどんな仕事がしたいのか、何を達成したいのかというこを報酬と絡めて四半期に一度確認する仕組みになっています。それは、マイルストーンセッションというガイアックス独自の目標設定方法であり、評価制度でもあります。
»報酬も仕事内容も自分で決める ガイアックスの目標設定・評価制度「マイルストーンセッション」
ガイアックスの木村智浩です。
ガイアックスでは、全社的な研修に重点を置くというよりも、自分たちが必要だと思うこと現場で学んでいくということを大切にしています。
そんな環境にあるからこそ、「全社的な研修はない!?」と思いきや、実はあるんです。
それも入社後に、代表の上田による研修が!
それは一体何なのか?
今回は、ガイアックスの新入スタッフ研修の様子をそのままお伝えします。
10人未満の少人数での開催
代表上田が自ら講師をつとめる新入スタッフ研修は、2ヶ月に一度行われています。
今回潜入したのは2021年7月に開催された研修。平日の13時よりオンラインで開催されました。この日の参加者は、中途入社者数名と学生のインターン生が数名。10名未満の人数での開催です。
新入スタッフ研修のカリキュラム
まずは、どんなタイムテーブルで進んでいくのか?
ガイアックスの新入スタッフ研修のカリキュラムをご紹介します。
・ミッション、フィロソフィー
・収益状況
・組織図
2. 求められる仕事への取り組み方
・ベンチャー/自己責任な考え方
・仕事の受け方
└ ゴールの鮮明化(質と納期)
└ タスクブレイクダウン
・タスクのコントロール方法
└ 重要度が高い&優先度が高い
3. 質疑応答
ガイアックスが大切にしていること
それでは、新入スタッフ研修の内容について、上田のコメントと共にご紹介していきます。
最初にあったのは、ガイアックスのミッションとフィロソフィーについての紹介です。
ガイアックスがフォーカスするのは、人と人が出会って、ただ単に仲良くなるだけではなく、様々なレベルでのつながりを実現していくこと。それがSNSやシェアリングエコノミーを通して実現されていく。人と人がつながっていくことで相手に感情移入をするようになり、自然と助け合う社会が実現できると考えています。
“使命で動く”ということは、仕事として振られたからやるのではなく、世の中に何が必要なのかを感じて自ら動くということ。自分が“できるから”やるのではなく、世の中とって必要なことだから、課題を解決するために“何としてでもやる”ということが重要です。
参加者は事前に代表上田のインタビュー動画を視聴してから研修に参加。
ミッションとフィロソフィーについては核になる部分のみの説明でした。
その後は、会社の収益状況について。
こちらに関しても、よく質問をいただく内容は2021年に開催された個人投資家との質問会の議事録がブログで公開されています。
事前にそれを読むことで理解できるため、研修では軽く触れる程度でした。
続いて、ガイアックスのガバナンスおよび組織体制について。
取締役や事業部、子会社などの紹介がなされました。
»IRライブラリ
求められる仕事への取り組み方
ガイアックスは、会社自体が次々に新しい事業を生み出していくスタートアップスタジオになっています。
どんどん新しいことが起こるため、仕事が整理整頓されていないことも多く、混沌とした状況が続くこともしばしば。
研修の後半では、ガイアックスの中で求められる仕事への取り組み方についてのお話がありました。
ここからは、研修で上田より話があった内容をご紹介します。
自由と責任(自己責任)という考え方
まず、自己責任の考え方について。
自己責任の考え方とは、人のせいにしないということ。
チームや事業部全体のことを「自分ごと」として捉えることで、積極的に意見を言ったり、動くことにつながっていきます。
ガイアックスで求める人物像も、自己責任の考え方で社会全体を捉え、様々な社会問題に対しても「その問題が放置されているのは自分の責任なのではないか」と考えるような人です。
自己責任の感覚を持ってもらいたい、と言っているくらいなので、立場を気にせずに積極的に突き進んでもらいたいと思っています。
「まだ若いから」「新入スタッフだから」と遠慮するのではなく、立場を気にせずに意見を言ったり、行動できるカルチャーがガイアックスにはあります。
仕事の受け方
ガイアックスはベンチャー気質なので、マニュアルもあまりなく、環境が整っていない中で仕事をお願いされることも多くあります。
しかし、仕事を受け取る側が頭の中で整理できていない状態のまま仕事を進めても、うまくはいきません。その時に重要になるのが、「仕事の受け取り方」です。
まずは仕事の質の確認です。仕事の依頼を受けたら、質の鮮明化をしましょう。
品質が悪いこともだけど、過剰品質になることも問題です。
一般的には「質は高いほどいい」と思われそうですが、必要以上に質に時間をかけるなら、その時間は別の仕事に使った方がいい。
仕事を受ける時に、納品イメージを仮提示して確認することが重要です。仕事を依頼する側が、そのあたりを詳細に説明せずに依頼していることがあります。
事業責任者は皆さんがどれくらい仕事ができて、どれくらい情報を知っているかも分からないので、細かく指示されないことも多いと思います。
そして、事業責任者の人が仕事を依頼する能力が高いかどうかも分からない。だから、仕事の受け取り方が重要なのです。
仕事を受けたら、すぐにタスクをブレイクダウンして、上長やメンバーに進め方を確認してから取り掛かることが大切。
ガイアックスでは、仕事が割り振られるというよりも、事業やプロジェクトを自らつくるというスタンスの土壌があり、「自ら仕事をつくる」という考えが主流です。
他の会社だと、仕事を依頼する側が丁寧に伝えることに注力している場合もあるでしょう。
そう考えると、ガイアックスは丁寧な環境ではないかもしれません。
タスクのコントロール方法
ガイアックスでは、「朝出社したら、まずこれをやってください。」というような指示は降りてきませんし、マネージャーもそこに関与してこない可能性が高いです。
その結果、自分自身でタスクをコントロールして、仕事を進めていかなければいけません。
そこで大切なのが、仕事の重要度と優先度を整理すること。
重要度と優先度を整理整頓してください。重要度も優先度も低いタスクには取り組まなくていいですし、取り組まない方がいい。そこに取り組むくらいなら、外に出て遊んでいる方がいいんじゃないかというくらい。
重要度も優先度も高いことに取り組むことが大切なのは明らかですが、重要度が低いにも関わらず、優先度が高いタスクというものもあります。例えば、電話です。
オフィスに電話がかかってきて、出てみたら営業電話だったりする。その電話に出ても皆さんの成績にもならなければ、ガイアックスのプラスにもなりません。
重要度が低く優先度が高い仕事からどのように逃げるか。
個人として、部署として、会社として、せっせと逃げていただきたいです。逃げて、時間をつくって、優先度が低いけど重要度が高い仕事にきちんと取り組んでいただきたいと思います。
ガイアックスには、積極的にクラウドソーシングやアウトソーシングを使う文化があるので、そのようなものを活用して重要度の低い仕事から逃げることもできます。
そして時間をつくって、自分自身のスキルアップや、チーム全体をスピードアップさせるための仕組み化などの仕事に取り組むことが大切とされています。
ここでも、事業責任者としてプロジェクトを動かす人間を自律的に育てる組織の一部が垣間見えるかもしれません。
質疑応答
最後にあった質疑応答の時間。こちらで交わされた質問と回答をご紹介します。
ガイアックスで、“自分が怠けない環境に身を置く”とは?
大田 以前上田さんが大学で講演をしてくださった時に“自分が怠けない環境に身を置く”というお話をされていました。その話をガイアックスに寄せて、アドバイスをお願いします。
上田 ガイアックスには、入社して1〜2年で会社をつくって役員をしているメンバーなど、面白い人たちがいるので、そういう人たちと関わってみるといいと思います。
どれくらい仕事をしたらいいのかが分からない中で、そういう人と話すことで、「もっとやっていいんだ」というラインが見えてくると思います。
収益とミッション、どちらを優先するべきか?
小野 私が二つ案件をいただいたとして、どちらかを優先して取り組む必要がある場合に、片方はミッション達成に強くつながるもので、もう一つが収益に強くつながるものだった場合、どちらを優先すべきですか?それ以外で判断しようがないと仮定しての話です。
上田 ミッションですかね。
ミッションの方がはるかに大事なんですけど、収益が必要ないということではありません。
それは、皆さんが事業をする時に株主さんからお金を借りていて、返しますか?ということなんですよね。
同じように、皆さんが事業を手伝ってくれている、その対価を事業責任者は意識するわけです。これだけ手伝ってくれているのだから、高い給料を払わないととか、スキルアップにつながるような仕事をできる環境や、やりがいのある仕事を提供してあげないと、と。そのようなことと、事業部が取り組んでいるミッションのどちらが大切かといえば、ミッションなんですよ。それと似ていると思います。
結論は、ミッションの方が大切だけど、収益性も無視はできない、ということですね。
ガイアックスでは、なぜ「人と人をつなげることで社会課題を解決する」のか
小野 上田さんが、「人と人をつなげることで社会課題を解決する」ミッションにたどり着いたストーリーを伺いたいです。
上田 高校生の時に、高いお金を払って携帯電話を買いました。
その時に、携帯電話の効率のすごさを体感したんです。周りの学生が携帯電話を持っていない中で僕がハブのようになって、チームのプロジェクトの推進スピードがどんどん上がっていったんですね。
社会人になる時にやりがいのある仕事について考えて、世の中にインパクトを与えているのは携帯系のビジネスだなと。しかしその時はすでに普及していて、今更だなと思っている時に出てきたのがインターネットでした。
これはすごいぞと。携帯電話は知り合いしかつながりませんが、インターネットは赤の他人とつながることができる。赤の他人同士がつながった時に、どれほど効率がアップするのだろうと考えた時に、自分が取り組むべきテーマだと思いました。
「人と人をつなぐ」と言ってもいろんなニュアンスを想像されると思いますが、僕がイメージしているのは、世の中にある全ての脳がくっつくようなニュアンスです。それが全てを効率化させるのだと考えています。
社員研修参加者のコメント
研修終了後、研修に参加していた中途入社のメンバー・インターン生からの感想を一部ご紹介します。
中途入社社員の感想
・体制が整っていないというのと同時に、本人の自由だよということが伝わってきました。 自由で自己責任な環境なんだと解釈しました。(ソーシャルメディアマーケティング事業部 岡田さん)
・社会人5年目の私にとって、仕事の受け方やタスクコントロールは当たり前のこと。それをあえて上田さんが直々に話されていることで、会社として重要視されていることが伝わってきました。受け身ではダメだよと念を押されている印象がありました。(ソーシャルメディアマーケティング事業部 河崎さん)
インターン生の感想
・「自由な環境である」と面接の時に聞いて入ってきてはいたものの、本当に整っていなくて驚きました(笑)。正直もうちょっと整えてもいいのでは、と思ったのでそれを上長に伝えたら、「それ(整えること)をやったらいい」と言われました。自分が問題点を感じたのなら、変えていい。そこすら自由なのだと、驚きと面白さを感じました。(大田さん 横浜国立大学経営学部 1年/ainiインターン)
・仕事の重要度と優先度の話が印象深かったです。自分が担当するタスクの中でも、優先度は高くてもスキルを高めることにつながらないこともあるので、バランスが悩みどころではあると思いました。また、タスクのブレイクダウンの重要性についても再確認しました。(伊藤さん 千葉工業大学 4年生/ainiインターン)
ガイアックスオンライン座談会
ガイアックスの新入スタッフ研修の様子はいかがでしたか?
開始から質疑応答まで含め、時間にして30分弱。
参加者は事前に動画を試聴しレクチャーを見てくるところから始まり、押さえて欲しいポイントだけ直接代表から口頭で説明を受け、質疑応答で簡潔に完了します。
その後に参加者の方からいただいたアンケート結果をもとに、随時研修の進め方はブラッシュアップされる仕組みです。
ガイアックスは、起業家を多く輩出するスタートアップスタジオという形態をとっている企業でもあり、カーブアウト制度という申請した事業チームに対して、事業部を子会社化できる制度を導入しています。
一旦、事業をガイアックスの中でつくり、それがうまくいった後は、自身で事業化も可能です。
»カーブアウトの意味とは?ガイアックスから独立した5会社の実例も紹介
このように起業を目指す人以外にも、エンジニアやバックオフィスのメンバーなども幅広く採用を募集しています。もし、この記事を読んでガイアックスに興味を持たれた場合は、オンライン座談会でガイアックスメンバーに直接疑問をぶつけてみることも可能です。
座談会ではオンラインで複数のガイアックスメンバーと気軽に話をしたり、質問をしながらガイアックスに対する理解を深めていただくことができます。
ガイアックスで働くことに興味がある人は、以下のボタンをクリックして詳細をご覧ください。