今回インタビューしたのは、ソーシャルメディアマーケティング事業部の板谷昂洋(いたや・たかひろ)さん。
広告代理店を経て2017年にガイアックスのソーシャルマーケティング事業部(以下、SOC)に入社した板谷さん。
SOCの営業として、数々の失敗を乗り越えてきた中で生まれた使命とその裏にある想いを伺いました。
板谷 昂洋
ソーシャルメディアマーケティング事業部 営業ユニット責任者
2014年卒。広告代理店を経て2017年にガイアックスのソーシャルマーケティング事業部に入社。メディア業務、他事業部での営業業務を経験し、現在は営業ユニットの責任者として業務に取り組む。副業との両立に失敗した過去を持つ。
クライアントの表情が変わる瞬間が楽しみの1つ
ーガイアックスに入社することになった経緯をお聞かせください。
ガイアックスに入社する以前は、運用コンサルタントとして広告代理店に勤めていたのですが、その当時、現在ガイアックスの本部長である管さんと野球仲間だったので色々話す機会があって、ある時「ガイアックスで働かないか?」とお誘いをいただきました。当時のガイアックスはリモートワークや副業を自由にできる印象が強く、面白い組織だなと思っていました。それ以上に、当時の僕にとって誰と働くかがとても重要だったので、「かっこいいビジネスマン」であった管さんから声をかけてもらったという事実がとても嬉しかったことを今でも覚えています。
自分の中に沸き起こった願いに従いたいという思いもありましたが、入社して1年しか経っていない広告代理店をすぐに辞める踏ん切りがつけられず、結果的には管さんからお誘いを受けて1年ほどたった2017年に転職を決め、ガイアックスへ入社しました。
ー現在のお仕事について聞かせてください。
SOCは、企業様のSNSを活用したマーケティングのコンサルティング、運用支援をしています。その中で僕は営業担当で、新規でお問い合わせいただいたクライアイントへのヒアリングや、サービスのご提案をしています。お客様のご要望をお伺いし、それふに適したサービスをご提案することが主な仕事ですが、受注後には運用担当であるコンサルタントとお客様との間に入りファシリテーターのような役割も担います。
一般的な営業といえば、飛び込み営業をしてクライアントと仲良くなることを思い浮かべるかもしれませんが、SOCでの営業の仕事はクライアントのニーズをヒアリングして、ニーズを満たすための提案力が求められています。営業というよりも「お客様の悩みを解決する人」という言葉が、自分にはしっくりきています。僕が提案した内容を聞いて、クライアントが「ああ、なるほど!」と思ってくれた瞬間は最高です。
ー営業というポジションでマーケティングに関わる魅力は何があるのでしょうか。
マーケティングで大事なことは、兎にも角にも「ユーザー理解」だと考えています。クライアントの課題ももちろん聴きながらですが、クライアントがサービスを提供する先の顧客に関して、新しい発見を提示できることが一番面白いですね。例えば、担当の方も一人の利用者としていろんなサービスを体験して発見があるにも関わらず、自分のサービスになるとその視点を見失ってしまうことがあります。打ち合わせの中で「ご自身なら、どう行動しますか?」と僕から問いかけることで新しい気づきが生まれ、クライアントの表情に変化が見える瞬間は楽しいですね。
僕自身も、周りの人から「いろんな質問をするよね」と言われるくらい、クライアントのいろんなことに興味を持つ人間です。「このサービスは、どこで誰に使われるんだろう?」と気になってしまい、クライアントのサービスに対しても一人の人間として興味が湧いて質問したくなります。サービスの他にも人に対しても同様で、「担当者の方は何に課題を感じているんだろう?」と気になり質問しているうちに、自然とクライアントの課題に関するディスカッションが始まることもあります。クライアントとの打ち合わせは本当に楽しいと感じています。
ー営業とマーケティングの仕事。どちらも板谷さんの楽しいポイントが詰まっているんですね。
SOCでは自分を隠す必要がない
ー板谷さんの使命について聞かせてください。
「SOCを勝たせること」が今の自分の使命だと思っています。勝たせるというのは、数あるSNSマーケティングの支援会社の中でガイアックスを選んでもらうこと、SOCがガイアックスの主力事業としてこれからも引っ張って行く存在であり続けることと思っています。ゆくゆくは「マーケティングの支援はガイアックスに相談すれば大丈夫」と言われるくらいの価値貢献をする組織にしていきたいと思っています。
ー「SOCを勝たせたい」という使命が生まれた背景には何があるのでしょうか?
SOCで働くチャンスを与え続けてもらっていると思っているからです。もう一度同じ失敗をしていたらSOCには残れなかったと思うくらい、たくさんの失敗をしてきました。それでもSOCに居続けられているのは、ポジティブに捉えると、周りのメンバーが自分の可能性を信じてくれたからだと思うんです。だからこそ、SOCに貢献して何かしらの恩返しをしたいです。
ー失敗が続いている時は、どんな状況だったのでしょうか?
失敗が続いている時はとてもしんどかったです。やらないといけない仕事はあるのに、身体が動かない時もありました。当時の僕は「こんな人になりたい」と言葉にはしているものの、実際はぼんやりとした理想しか持っておらず、明確に目標を定めて行動することはほとんどありませんでした。
失敗が続いても、改善して進みたい気持ちもなく、どうすべきかを突き詰めて考えることもせず、ぼんやり描いている理想に対して行動が全く伴っていない状態。しかも、そんな自分を見ないふりをして、仕事上のミスも隠そうとすることがありました。大ごとになってから上司に伝わり、激しく怒られることも多々ありました。
ー何がきっかけとなって、板谷さん自身の中で変化が起きたのでしょうか?
変化のきっかけは、当時SOCに所属していた日比さんという方が、僕に対して丁寧に話を聞いてくれる機会を作ってくれたことでした。それまでは、自分が「できる人」と思われたくて、どんな人にも自分の弱さや辛さを隠してばかりで、どこか自分にばかり意識が向いている感じがありました。コミュニケーションをする時もわかったふりをするとか、いい様に見せようとするとか、「自分」を中心に考えていたので、相手の視点で考えたコミュニケーションを取ろうともしていなかったです。結果それは伝わってしまうんですけどね。
日比さんが話を聞く時間を作ってくれたことによって、余計なプライドを捨てて、徐々に自分の弱さや辛いと感じていることをそのまま話せるようになっていきました。自分のことを隠すためにエネルギーを使う必要がなくなり、次第に自分の外に意識が向くように変わった感覚も生まれていきました。自分の外に意識を向けられるようになって初めて、自分と相手の普通が違うことを理解できたり、きちんと相手のことを考えてコミュニケーションを取れるようになったんです。プライドを捨てて、自分を隠さないようにしたことが、間違いなく自分が変わり出したきっかけだと思っています。
失敗ばかりしていた時の自分は、SOCのメンバーからの信頼はマイナスでした。ただ、自分の意識が変化していくにつれて周りからも「板谷くん変わったよね」と言われることも増えました。特に印象的だったのは「姿勢がよくなったね」と言われた時です。人って感情やその時の状況が姿勢に表れるんだと実感した瞬間でした。今は本当に仕事が楽しいですし、クライアントとの限られた時間の中で、最高の価値を提供したいと心から思えて行動できていると感じています。
目の前のことを「ちゃんと」頑張る
ーガイアックスに入社してから困難に感じたことは何がありましたか?
ガイアックスの自由なカルチャーには、最初は戸惑いました。ガイアックス以前に所属していた会社では出社が義務だったので、仕事をする環境が勝手に出来上がっていました。一方で、ガイアックスは誰かに干渉されることが圧倒的に少ないので、自分で考えて自制心を持って働く必要がありました。そこが入社の1つの理由でもあったのですが、想像以上に苦労しましたね。従来は「出社する=強制的に働く環境が整う」のでむしろ楽だったんですよね。働く環境を自分で作るので、自然と働くモードにするにはどうしたらいいか?を実験しましたし、今でもしています。働く場所を変えたり、家のテレビをなくしたり、ホワイトボードを購入したりもしました。自由な環境の中で働くことは、想像している以上に難しいです。ただ、一度自分に合う環境が作れさえすれば、働きやすくなると思っています。
ーSOCはガイアックスの中でも最も早くリモートワークを導入しましたよね。SOCは組織としてどんなところが魅力的ですか?
1つは、関係性がフラットなところですね。お互いに意見をきちんと伝え合う文化があると感じています。仕事だけではなく「フリートーク」という雑談部屋で、自分の趣味の話をする人がたくさんいます。「どんなことでもオープンに話して大丈夫」と思える文化が、仕組みでもメンバーのスタンスにも浸透していて、自分の弱さをオープンに話せるようになったことも、SOCのカルチャーがベースにあるからだと思っています。
もう1つは、テキストコミュニケーションが上手な人が多いことです。前職では直接会ってのやりとりがほとんどだったので、細かい部分はその場で伝え合うことができました。一方で、SOCでは基本的にリモートワーク。直接会って話せない状況でも、相手の感情の動きを考えたり、相手に伝えたいことを適切に届けるためのテキストコミュニケーションスキルが組織のベースにあると思っています。
*SOCのカルチャーについての記事はこちら
『社内ルールは「とにかく自由」。働き方改革で売上を2年で5倍に』
ー使命で動く中で、これからチャレンジしたいことについて聞かせてください。
頑張るのではなく、「ちゃんと頑張る」という言葉が好きです。「頑張れよ」と言われたら「いや、頑張っています」と思う人は多いでしょうし、自分で「頑張ります」と言っただけでは、どこか軽い感じがします。「ちゃんと頑張る」という言葉を意識することで、自分を気が引き締まるというか一個ギアをあげられると思っています。
僕自身、「毎年良い年にしよう」と思って過ごすことを大切にしています。自分が良い年と思えば良い年になる。目の前にあることを積み上げていくことでしか、自分にとっての「良い年」にはならないので、先を見過ぎずに目の前のことを「ちゃんと」頑張っていきたいです。
インタビュー・ライティング 宇田川寛和
編集後記
マーケティングのテーマで板谷さんと話をしていると、聞いている自分も楽しくなるくらい、熱量が伝わってきました。SOCが勝つ未来に、板谷さんがどのように関わっているかが楽しみです!