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中学生でもわかる仮説検証の意味!実例をもとに優しく解説

最終更新: 2023年11月9日

仮説検証とは、予測した物事や状況の真偽を確かめることです。事実情報に基づいた実験や観察などを通じてステップを踏みながら検証していきます。今回はガイアックス・スタートアップスタジオで行っている仮説検証の実例をもとに解説します。

なお、Gaiaxでは起業支援を行っています。今事業を作ろうと思い、マーケティングやプログラミング、経理などのバックオフィスができるメンバーがほしい方、出資してほしい、事業アイデアを相談したい方が対象です。これらにあてはまる方は、ぜひオンラインで相談できるスタートアップカフェにお越しください。
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仮説検証とは?

仮説検証とは「仮説=ある現象を統一的に説明するために立てた仮定」を「検証=実際に調べて証拠だてる」ことです。
簡単にまとめると、「こうかもしれないぁ」と思う疑問や予測を数値や事実確認を提示して答え合わせをすることです。
例えば、「コロナによる自宅要請の影響で国民のYouTubeの利用頻度は上がったはずだ」という仮説に対して以下のような統計データを確認します。

外部の信頼性の高いデータを調べ数値で事実確認をするのが検証の一つの手法です。他には内製でデータを取得して事実確認をすることもあります。
消費者のニーズを明確に知ることができる「ユーザーヒアリング」はスタートアップ企業には欠かせないものです。
実際にターゲット層にあたる人にアンケート調査を行い、ユーザーの生の声を聞いて仮説を検証します。
それでは仮説検証のプロセスを具体的に紹介します。

仮説検証のプロセス

状況分析ステージ

最初のステージでは現状把握から始めます。現状把握の内容は事業モデルによりますが以下の3つをクリアにしておくことが重要です。

        1. 目的 – 最終的な目標
          例えば、髪を10秒で完全に乾かす機械を販売したいという議題の際の最終的な目標は「髪を最短で乾かす」ことです。
        2. 背景 – なぜ行うのか
          上記の例につなげると、髪を最短で乾かす機械を販売する背景としては多くの女性がドライヤーの所要時間にペインを感じている。などが挙げられるでしょう
        3. 条件 – 範囲を指定する
          仮説を行う際に気を付けなければいけないのが、仮説の内容がそもそも検証するまでもない場合があることです。例えば、最短で髪を乾かす機械の販売事例の場合、仮説検証を行う対象はそもそも髪を乾かす行為自体に「不」を感じているのかを考察する必要があります。ここで答えが明確に出る場合は仮説検証を行う必要がないものです。ターゲットを絞り、曖昧で不明確な事柄をクリアにしてく必要があります

 

仮説設定ステージ

上記の3つをクリアにしたら実際に物事に対する仮の答えをたてていきます。例えば、「この商品はこうすれば売れるだろう」「これをすることにより、こんな効果があるだろう」といったことです。

検証ステージ

検証ステージでは実際にデータを集めて仮に立てた答えの答え合わせをしていきます。既存の統計データを利用する場合もありますが、最新でより具体的な情報を得るために自作アンケートで調査を行ったり、試作バージョンを利用してもらい感想やフィードバックをもらう方法もあります。

仮説検証が大切な理由

それでは実際に仮説検証が大切な理由を実例を使って解説していきます。今回はスタートアップスタジオのメンバーの富士さんに自身の体験を元にお話しを伺います。

また、この記事を見ながら起業戦略を考えるにあたり、もし事業の壁打ちが必要でしたら、Gaiaxにご相談ください。自社からカーブアウトした事業が3社上場した実績もあるガイアックスが運営するスタートアップカフェにて事業の壁打ちから出資、メンバー派遣まで対応可能です。
» Gaiax スタートアップスタジオ

富士 茜音

富士 茜音

20卒ガイアックス入社。投資先の株式会社オクリーにて新規事業立ち上げに参画。現在はスキルシェアマッチングの新規事業立ち上げや、中高生に向けての起業家教育、YouTube「経営カレッジ」の配信などに取り組む。大学在学中は、インドでボランティア活動や学生団体にて日本人学生向けに海外インターンシップを企画/運営などをした。

廣渡:ガイアックスのスタートアップスタジオで様々な事業をみつつ、自身でも事業を立ち上げている富士さんですが、なぜ仮説検証が重要だと思いますか?
富士:まさしく「人、モノ、金」に限界があるからです。例えば大企業で予算も無限にある状態であれば自分の好きなもの優先で事業を作ります。リソースに限界があるからこそ、より最小限のコストで事業を成功させる為に効率よく仮説検証を繰り返していく必要があります。最重要要項を最短で見つけていく作業がスタートアップに求められることです。
廣渡:なるほどですね。具体的に富士さんはどういう風に仮説を立てていますか?
富士:私の場合は完璧でなくてもいいので自分の知ってる範囲内でリーンキャンバスを作成します。リーンキャンバスにアウトプットする内容は以下の通りです。

  • 課題
  • ターゲット
  • 独自の価値
  • ソリューション
  • マネタイズ など

これらをアウトプットしてそれぞれを調査していきます。ここで難しいのが、課題に対して設定した仮説が外れると他の関連したソリューションなどの仮説も立て直す必要があることです。ある程度多様な予測を事前にしておきます。
廣渡:仮説検証の結果次第では自分のしたい事業ができなくなる可能性はありませんか?
富士:もちろんあります。自分の思いつきのアイデア自体には価値はないのでそこには思い入れはもちません。仮説が外れると少しは落ち込みますが、逆に仮説が立証されていくフェーズは社会と一体化しているような気分になれて楽しいです。
廣渡:世の中にある問題に対して自分なりの答えを持って、世の中に答え合わせをしてもらうイメージですよね。それでは実際に今どういった「答え合わせ」をしているのか教えていただけますか?

仮説検証の事例

富士:はい、最初は夫婦の課題に着目しました。知らない人同士をマッチングさせるサービスは世に溢れているがカップルのその後を支援するサービスはあまり聞かなかったのでその領域に興味を持ちました。
廣渡:確かに対人関係の問題は絶えないですよね。
富士:はい、今までの日本は男性が外で稼いで女性が家事をする文化がありましたが、今後は女性も社会に出て稼ぎ始める世の中になります。そうすると女性も経済的に独立できるので、離婚が増える可能性があるのではないかと思いました。
廣渡:それが課題の仮説ですね。どうやって検証しましたか?
富士:まずは夫婦カウンセラーにヒアリングをしました。そこで得た結果は、「多くのカップル・夫婦は危機感を持ち始めるまで支援サービスを活用しない」ということでした。アメリカでは社会保険にカウンセリング費用が含まれていたりとカウンセリング普及が進んでいるますが、日本ではカウンセリングの障壁が相当高いことが分かりました。
廣渡:「日本におけるカウンセリング需要は高くなかった」というのが一回目の仮説検証の結果だったのですね。続きが気になります!
富士:2回目の仮説検証は1回目の仮説検証中に気づいたことを広げました。LINE株式会社のカウンセリングサービスのプラットフォーム「トークCARE」を見ていたときに、カウンセラー相談のオンデマンドサービスがあることに気づきました。カウンセリングが可能なカウンセラーには「待機中」の表示がされていて、カウンセリング中の場合は「カウンセリング中」と表記されている作りです。
廣渡:夫婦カウンセリングからオンデマンドの活用に結びつけたのですね。
富士:はい、カウンセリングでオンデマンドができるのであれば、もっと瞬発的に解決したい悩みを相談できるプラットフォームがあってもおかしくないと思いました。
そこで今すぐ知りたい内容としてどんなものがあるのかアンケートをとりました。
廣渡:オンデマンド性のサービスにフィットする課題を見つけにいったわけですね。結果はどうでしたか?
富士:収穫した結果として、「エンジニアは相談し合うコミュニティが既にある」「法律系の相談サービスは既に十分に存在している」といったような結果です。一番の収穫は「人はスキルアップ領域に関してよりお金を払ってでも使いたいと思う」ことです。いわゆる自己投資ですね。
廣渡:自己投資に関しての悩みや課題をオンデマンドで解決したい需要は高いのですね。
富士:はい。自己投資にも種類があるので、まずはブログ作成についての問題を解決する枠をつくってユーザーの反応をみました。
廣渡:その試作プロダクト開発はどうやっておこなったのですか?
富士:ガイアックス・スタートアップスタジオのMVP開発を活用しました。Bubbleというノーコードツールを使って数時間で試作ベータ版を製作してもらいました。今は広告を回して見たり、実際に利用してくれたユーザーへのヒアリングに注力しているところです。
廣渡:ガイアックス・スタートアップスタジオのMVPは大変優れていますよね。仮説検証に最適化したMVP環境は新規立ち上げの際には貴重なリソースです。MVPの詳細はこちらの記事で紹介しています。

中学生から考える仮説検証【ドルトン学園】

廣渡:富士さんはスタートアップのメンバーとしてドルトン学園でビジネスモデルや経営ノウハウ授業をしていますよね。

daltontokyo

ドルトン東京学園中等部・高等部
ドルトン東京学園は 成城学園前に2019年4月開校した中高一貫校です。生徒の知的な興味や探究心を原点にした「学習者中心の教育」を、ドルトンプランに基づいて実現する学校です。一人ひとりの個性を大切にし、他者と協働しながら自らの意志で進んでいく人を育てます。
Facebook
https://www.facebook.com/daltontokyogakuen/
WEBサイト
https://www.daltontokyo.ed.jp/

富士:はい、中学生を対象に事業の作り方を教えています。
廣渡:中学生というのが驚きですよね!具体的にはどんな授業をしているのですか?
富士:学生も、私ががしていることと同じことに取り組んでいます笑
事業の作り方を学んで、仮説検証もしっかり行って最終的にガイアックスから出資をもらうというのがゴールです。その点では私と同じ土俵にいます。私が実践する仮説検証方法をそのまま教えています。
一緒にリーンキャンバスにアウトプットして本気でフィードバックしています。やり方を教えるだけで終わらず実際にユーザーヒアリングのためのアポとりまで行います。
廣渡:ノウハウを教えるだけでなく実際に世の中と接点をもっていくところまで実践しているのですね。中学生の出すビジネスアイデアとはどういったものがありますか?
富士:自分の好きなこと先行で考えるビジネスモデルが多いですね。例えば日本でe-スポーツ周りを盛り上げたいという男の子がいます。彼はYouTubeのゲームライブ配信が好きで、ゲーマーに興味があります。実力があってすごい人たちなのに仕事にすることができていない人が多いという現実を知り、ゲーマーを集めた事務所をつくりたいと語っています。
廣渡:なるほど。事務所をつくってしっかりマネタイズするところまで考えているところがすごいですね。
富士:そうなんです。一緒にリサーチを進めていくにあたって、日本は海外と比べてゲーム大会で出す賞金が小さいという事実を知り、e-スポーツが盛り上がらない要素を深く考察できていました。次のアクションとしては最先端でe-スポーツを盛り上げようとしている企業が企画していることを調べるなど、大人顔負けの仮説検証を行っています。
廣渡:中学生が仮説検証をこなしていくのには驚きですが、事業を行うにあたってそれ程重要ということですね。今後の活躍が楽しみですね!
もし、この記事を読んでいて経営のノウハウや事業の立ち上げ方法についてもって詳しく知りたい!と思った方は是非「STARTUP CAFE」に応募してみてください。
スタートアップスタジオのメンバーが完全無料で相談を受け付けいてます。
富士:そうですね、私含め新規事業立ち上げ経験豊富なメンバーで事業のサポートをしています。ちょっとしたビジネスアイデアでもいいので是非お話しを伺えればと思います!一緒に事業つくりの楽しみをシェアしましょう!
参考記事: 起業ゼミの様子を大公開 ! こちら より、中学生が参加する起業ゼミの様子をご覧いただけます

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