2020年3月、コロナウィルスの感染拡大によって世間の混乱が急激に進む中で、ガイアックスは株主総会をオンライン化することを決め、準備期間たった1日でバーチャル株主総会を開催いたしました。
議長をはじめ、取締役・執行役が全員オンラインで参加する「出席型」のでバーチャル開催は、日本で初めてのことです。前例のない試みが成し遂げられたのはなぜか。そこにどんなガイアックスらしさがあったのか。上田(代表執行役社長)、岩本(財務担当)、木村(広報IR担当)の3名にバーチャル株主総会の一部始終を語ってもらいました。
株主総会のオンライン化にみえる、本質を捉えて行動するカルチャー
そもそもバーチャル株主総会の実施について、どのように意思決定をしましたか?
岩本)株主総会の2日前に小池都知事の記者会見で「平日の仕事は自宅で、夜間は外出を控えるように」「週末の外出も控えるように」との発表がありました。
それを受けて、その発表の翌朝、上田さんから「株主総会をオンラインでやりましょう」という提案をもらいました。
コロナウィルスの感染拡大前から、株主総会のオンライン化については話題には上がっていましたが、私はそもそもバーチャル株主総会の開催に反対だったんです。オンラインで株主総会を開催するとなると、技術面でも法律面でも障害がたくさんあるので、総会自体が成立しないリスクが大きかったからです。
とはいえ、今のこの状況では、法律に従って通常通り株主総会を開催することによりクラスターが発生することも避けないといけない。会社として感染拡大に寄与するわけにはいかないし、先進的な働き方に取り組んでいるガイアックスとしてオンライン化にもチャレンジしていきたい、というの上田さんの話を受けて、どうすれば開催できるのか、という考えにシフトしました。
社外取締役の方々にも相談をし、「総会の成立要件を満たせればいいのでは」という声をいただいた上で、GOサインをだしました。
上田)ベンチャー企業は「それは本当なのか?」という気持ちを常に持ってビジネスをしていると思うんです。今回の株主総会にしても「総会の成立要件は何か?」「法律では何を求められているのか?」というディスカッションを通して、不可能と言われていたオンライン株主総会は本当に開催できないのか?と改めて真剣に考えました。
もともと、全てのリアルをオンラインに置き換えることは可能で、そうすることによって、物事はよりエレガントになっていくと考えを持っています。オンラインでモノが購入できるか否かから始まって、オンラインで恋人もできるようになった。社内が非常にオンライン慣れしているのもあってか、「株主総会もオンラインにできるのでは?」という発想が自然とでてきました。
初動の早さが、ガイアックスの強さ
開催に向けて、どのようなに準備を進めましたか?
岩本)上田さんがすぐに株主総会をオンライン化させるためのメンバーをピックアップしてアサインしてくれました。株主総会をオンライン開催するプレスリリースを出した後に、株主の方々からの質問に電話対応するために人事チームから2名、オンライン配信の対応をするためにシステム担当者を1名アサインしました。
木村)当初の予定よりも増えたのは3名くらいで、日常の延長戦上という感覚で準備を進めました。電話対応ではなくウェブ上での対応も考えたのですが、告知から開催まで1日しかなかったので、電話対応の方が株主の方々に安心していただけるだろうという判断をしたんです。
上田)ガイアックスにオンライン化の専門チームがいた訳ではなく、手伝ってくれそうな人たちに声をかけただけですが、その人たちはオンラインのプロだったっていう感覚なんですよね。ガイアックスのメンバーそれぞれが日常的にオンラインでMTGやイベントを開催している。だから、急な決定に対しても、当たり前の感覚を持ちながら初動早く動ける。そんなチームとしての足腰の強さを再確認しました。
法律面と技術面のリスクはどのように対応していきましたか?
岩本)信託銀行の方や弁護士に方に、オンライン開催だとしても株主総会の成立要件は満たすだろう、とは言われました。一方で、途中で回線が落ちてしまうリスクや、発言しようとした株主を見落としてしまうことで、株主の発言機会を奪ってしまうことへの訴えが起こる可能性は大いにありました。
上田)「現場に誰もいなくても問題ない」という解釈をしたことが、今回のブレイクスルーだと思うんです。会社法上は、株主総会を開催するにあたって株主に通知する必要がある情報に「会場」があるんです。でも、会場が用意されていて、かつその場で参加できる選択肢も用意しておけば、法律面での成立要件が満たせるんですよね。
開催してみた感触はいかがでしたか?
岩本)特に問題がなく開催することができました。ただ、zoomミーティングを使っての開催だったので、弊社役員陣と並列で顔が画面上に表示されることで戸惑った株主の方もいらっしゃいました。
木村)画面に参加者の顔が並んで向き合っている感じがあったのか、普段より緊張感があった気がします。円卓会議のような感じですね。
上田)コロナウィルス感染拡大の影響で、今年3月に開催された株主総会は、どこも軒並み参加者が減ったという話を耳にしています。あの時期にオフラインで開催するのは、株主の方々にとってもストレスだったのでしょうね。
ガイアックスの場合は、そこまで株主総会への参加人数が減らなかったことは、会社にとっても株主の方々にとっても良かったんじゃないかと思います。
木村)普段参加が難しい遠方の方々も参加してくれました。地方在住の方が株主総会に参加しやすくなったことは間違いなく価値があると感じています。
アップデートされ続ける常識にキャッチアップし、それを乗り越え続けていく
今後ガイアックスとしてどういった取り組みをしていこうと考えていますか?
上田)株主総会のあり方や、オンライン化に関する認識やナレッジは今後も日々アップデートされ続けていきますし、新しいツールもどんどん出てくると思います。そのアップデートされ続ける最前線にガイアックスメンバーは常にキャッチアップしていきますし、挑戦し続けるカルチャーとそれを実現させるための体制があります。そういったガイアックスの強さを活かしながら、色々なことに取り組んでいきたいですね。
木村)どんな時も、世の中にある当たり前を疑い、本質を考え続けていきたいですね。そうじゃないと新しいことは生み出していけないですから。
インタビュアー:荒井智子
ライター:宇田川寛和
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