働き方改革が始まり、多くの企業ではこれまでの働き方を根本的に見直すようになりました。会社に尽くし、会社の評価が絶対であった時代から、ライフプランに基づいた個人主体の働き方が重要視され始めています。
しかし、働き方を見直すといっても、具体的なイメージが湧かないという方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、働き方改革についての基本的な理解を深めるとともに、自由な働き方が定着しているガイアックスで取り組んでいる、個人の生き方を主体に置いたユニークな働き方の事例をご紹介します。
「自社に何を取り入れたらいいのかわからない」「働き方改革の具体例が知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
記事の後半では、ガイアックスの働き方の事例を紹介していきます。もし、その中でガイアックスで働くことに興味を持ってくださった方は、現役メンバーに仕事内容や働き方について直接話ができるオンライン座談会にお気軽にご参加ください。
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働き方改革とは
「働き方改革」とは、政府による、一億総活躍社会実現に向け労働環境を大きく見直す取り組みのことを指します。
厚生労働省の発表によると、
“「働き方改革」は、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。”
とあります。
日本は現在、「少子高齢化に伴う労働人口の減少」「育児や介護との両立など、働く人のニーズの多様化」などの課題・変化に直面しており、そこに対応する環境づくりを企業は求められています。
では、具体的に何をしたらいいのでしょうか?ここからは、働き方改革の詳細な内容を説明していきます。
多様で柔軟な働き方
働き方改革で目指す、「多様で柔軟な働き方」とは、時間・場所などに縛られずに、従業員にとってベストなスタイルの働き方を実現することを意味しています。
家庭環境が人によって変わるように、ベストな働き方も人によって違うものです。
例えば、「育児や介護と仕事を両立したい」「スキルアップのための学びの時間を確保しながら働きたい」「今の仕事をしながら自分の好きな土地で暮らしたい」など、一人ひとりの希望に合わせて働き方が選べるような柔軟な対応ができれば、仕事だけでなく趣味や家族との時間を大切にできるワークライフバランスの取れた生活が実現するでしょう。
今までは雇用契約時に「副業禁止」という就業規則を設けている企業も多かったですが、2018年に策定された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の影響を受けて、副業・兼業を認める企業も増えてきました。
長期間労働の是正
日本は先進国の中でも労働時間が長く、有給休暇の取得率も低いです。「サービス残業」という言葉があるように、長時間労働で会社に尽くすことを美徳とする文化が強く、労働力不足の悪循環によって過労死に繋がることもあります。
働き方改革でようやく本格的な長時間労働の是正が始まり、年間10日以上の有給休暇が付与される労働者は、毎年5日の有給休暇を消化することが義務付けられるなど、労働者の働き過ぎを防ぐ動きが定着してきています。
雇用形態に関わらない待遇
これまでは雇用形態によって給与や待遇に差がつけられ、有期雇用労働者やパートタイム労働者と正規雇用者に格差が生じる場合がありました。
しかし、働き方改革関連法である「パートタイム・有期雇用労働法」によって、待遇に不合理な差を設けることができなくなりました。
そのため、正社員とその他の社員で全く同じ責任で同じ仕事をしている場合、給与や賞与などの収入はもちろん、通勤手当や住宅手当などの手当や福利厚生にも、雇用形態で待遇差をつけることはできなくなりました。
ガイアックスにおける働き方改革の事例
ガイアックスは、ソーシャルメディアサービスとシェアリングエコノミー領域で新規事業を生み出すことに注力している”スタートアップスタジオ”という形態の会社で、独立した事業部ごとの自由な働き方で「Work Story Award 2021」などの賞を受賞しています。※働き方で受賞した賞に関して詳しくはこちら
ここからは、そんなガイアックスで行われている、働き方改革の事例を紹介します。
リモートワーク
ガイアックスではリモートワークを積極的に取り入れており、自分の好きな場所で仕事をすることができます。実際にほとんどのメンバーがリモートワークをしており、オフィスに出社をしているのは1割ほど。
また、リモートワークでは主にコミュニケーションに関する問題が起こりがちですが、ガイアックスでは「地域ハブ」など、メンバー同士の交流も推進し始めています。月に1回程度の合同リモートワークで、近所に住む異なる部署のメンバーと仕事やランチをしたり、仕事後には海岸で散歩やBBQをしたり。オフラインだからこそ生まれる思いがけない出会いとつながりから、社内副業になるなど新たな仕事が生まれています。
フレックスタイム
フレックスタイム制では、あらかじめ定められた総労働時間の範囲内で自分の都合に合わせて始業・終業時刻や1日の労働時間そのものを決めることができます。総労働時間の範囲内であれば、労働時間が少ない日があっても早退や遅刻になりません。
ガイアックスでは、メンバーは「どこで働くか」だけでなく「いつ働くか」も自分自身で判断して決めることができます。そのため、リモートワークと組み合わせると、同じチームのメンバー同士であっても「誰がいつどこで働いているかわからない」という状況が起こります。ですから、メンバーはそれぞれが工夫しながら、仕事がスムーズに進められるようなコミュニケーションを意識しています。
男性の育児休暇
一般的に女性のみの取得が多い育児休暇ですが、ガイアックスでは男性の育児休暇も推奨しています。
男性で育児休暇を取得したソーシャルメディアマーケティング事業部の雨宮さんは、育休を取る予定ではありませんでしたが、自分の体調不良と奥様の妊娠が重なったために、一度立ち止まって人生を見直す機会だと感じ、育休を取ることにしました。
当初は自身のキャリアを止める育児休暇自体に不安を感じていたものの、近視眼的な不安よりも自分にとって価値のある経験であると思い、育休取得を決断。その結果、仕事も育児も生活の一部であると考えられるようになり、より大好きな仕事ができることの喜びを感じられるようになったそうです。
» 男性育休は人生の選択の一つ。仕事から離れて見えたもの
ワークライフバランス
ガイアックスでは、ハードワークやワークライフバランスを支える自由度の高い組織になっており、メンバーの多くが多様な働き方を実践しています。
ここでは、自分のライフスタイルに合わせて、自由な働き方をしているメンバーの事例をご紹介します。
会社が個人の人生を最大限に優先
ガイアックスでは、会社のルールに個人の人生を縛り付けるのではなく、個人の人生を優先した働き方も大切にしています。
日本初のダブル正社員としてガイアックスとランサーズで働いていた蓑口さんは、週4日ガイアックスで働き、残りの1日を故郷の富山で立ち上げたプロジェクトにフリーランスとして働いていました。
以前から「地域の働き方を変えたい」という考えを持っていたことから、自分の時間の10%を富山に還元する道を選びました。
ガイアックスだから可能な柔軟な働き方であるといえるでしょう。
» 人生の10%を故郷・富山に還元。週1日フリーランス蓑口さんが語る、ライフミッションを実現する働き方
地方移住したい人は地方移住も可
リモートワークを導入している企業では、週に数日は出社する必要がある場合があります。一方で、ガイアックスでは一切出社する必要がないフルリモート勤務も可能です。インターネット環境さえ整えられたらどこでも仕事ができるので、最近では地方に移住するメンバーも増えてきました。
ライフ・デザイン事業部の中津さんは、コロナ禍での経験を機に福岡県糸島市に移住を決意。それまでは、都内の六畳一間で同居人と1つのテーブルをシェアしながらリモートワークをしていましたが、糸島に引っ越してからは住環境の変化によって生活がガラッと変わりました。
引っ越すことで叶えたかった「家賃を変えずに、生活の質を高くすること」を想像以上に良い形で実現することができ、自分たちの願った生き方ができていることに幸せを感じているそうです。
中津さんの移住については、中津さんのnote「思い立って糸島に移住し、2ヶ月が経ちました」からお読みいただけます。
海外行きたい人は海外旅行しながら働いたり、海外移住も。
海外へ移住したり、海外旅行をしながらリモートワークをするメンバーもいます。
会社としては、アウトプットを出していて、今後も報酬と稼働のすり合わせができていれば、雇用形態に縛られずに海外旅行・海外移住を諦める必要はないと考えています。
ソーシャルメディアマーケティング部コンサルタントの肘井さんは、世界中を旅行しながらフルリモートで働くことを試みているメンバーです。「もっと多くの国に行きたい」という思いから、業務量を今までの半分に減らし、旅を7割・仕事を3割に調整しながら世界一周と仕事を両立させています。
※現在は、コロナの影響で停止中。
世界一周をする前から、ガイアックスのロングホリデー制度を活用していたという肘井さん。仕事量を減らさず前後に調整させながら、インド・ロシア・ドイツ・オーストリアなどの国々を旅しています。この経験できちんと成果を出せていたのもあり、部署もすんなりと世界一周を認めました。
» 「総合職」×「世界一周」!?なぜ会社はそのような働き方を許容するのか?その実態に迫る。
また、本部長の管さんは、オランダへ移住して仕事を続けており、「やっと見つけた理想の環境。オランダに移住します。」の記事にて、そのライフスタイルも取材しています。
雇用形態も社員だけに囚われていない。業務委託OK。
ガイアックスは雇用形態も自分で自由に選択可能で、働き方に応じて、雇用関係から業務委託に切り替えるメンバーもいます。
自分にとって最適な働き方だけでなく、雇用形態も自分の人生に合わせられるのです。
複業・副業OK
これまでの日本では、副業を禁止とする企業も多くありました。しかし近年では、働き方の多様化や、政府が進める「働き方改革」を受け、徐々に副業を解禁し、促進する動きが出始めています。ガイアックスでは、社外での副業や復業が自由なだけではく、他部署の仕事をガイアックスの社員ではなく業務委託として個人で請け負うことができる「社内副業」という制度もあります。
複業の事例
ガイアックス社長室に在籍している千葉さんは、複業として長野県塩尻市の特任CCOに就任し、様々なコミュニティ運営を行なっています。
「人と人を繋げて新たな価値を生む媒体になりたい」という思いが複業に繋がったため、複業という選択肢は「人生でやりたいことは何か」に気付く機会になったそうです。
彼女は、複業は自分の可能性を意欲的に高める先になるものだと考えています。
» 複業できる企業でみつけた”人と人を繋いで新たな価値を生む”生き方
社内副業制度もある
社内副業とは、自分の所属部署に籍を置きながら他部署の業務に携わることを指しています。
社内副業ではメンバーの能力開発やスキルアップの効果が得られるだけでなく、自分の働き方を自分で選択可能になります。
今までは社員として他部署の手伝いをするのは当たり前の行動であり、別途報酬は発生しないという考えが一般的でしたが、社内副業では働きに合わせた報酬が得られます。
社内副業はメンバーだけでなく企業側にも、採用コストの削減や部署異動への繋げやすさなど多くのメリットがあるのです。
» 【社内副業】従業員かつ業務委託という新しい働き方
報酬は自分で決める
ガイアックスでは報酬は自分で決めるスタイルになっており、昇給も会社側が決めるのではなくメンバーが上長に相談します。
起業家輩出企業であり各事業部が別の会社になる前提で、独立採算制度を導入しているのです。
自分の意志で目標を設定し、報酬はもちろんキャリアパスも自ら設計することで自分のライフプランに合わせた単価交渉をしながら、人生を作る力を培います。
» マイルストーンセッション
経営会議などの議事録公開
一人ひとりが経営者目線の判断ができるように、ガイアックスでは各種KPIだけでなく経営会議の議事録も社内で公開しています。
一定の役職のものだけが特定の情報を知っているような状態にはならず、必要な情報は自ら取得可能な環境が整っていることで、会社の全体像を踏まえた企画・提案ができるでしょう。
ダイバーシティ
価値観・信仰・国籍・言語はもちろん家族の形にも多様性を認めているガイアックスでは、LGBTQの方でも働きやすい環境を用意することを目的として「LBGT支援宣言」を公表しています。
性別不問・顔写真不要のエントリーシートやパートナーの性別に関係なく利用可能な制度を設け、家族の形の多様化にも対応しているのです。
» ”こうあるべき”家族のカタチにとらわれないない、ただ”無条件に愛する”ということ。
ティール組織
ティール組織とは近年注目されている新しい組織形態のことです。上司から部下への一方的な指示系統で動く組織ではなく、目的に向かって全メンバーが自己決定を行う自律的組織という意味を持っています。
ガイアックスでは一人ひとりが自分自身の使命を掲げて周りと協調しながら世の中を変えることを大切にし「フリー・フラット・オープン」な環境を構築した上で、ティールな状態を維持しています。
こうしてメンバー全員が成果を出すために自分で判断がしやすくなり、個人のライフスタイルを尊重しながら常に変化に対応し続けられる組織づくりを実現しました。
» ティール組織とは?意味から事例、注意点まで実際に導入しているGaiaxが解説
【働き方改革】導入のポイント
ガイアックスでは働き方改革に沿った多様な働き方が用意されており、複数のメンバーがすでに新しい働き方を実践しています。
最後にガイアックスで考えている働き方改革導入のポイントを紹介しましょう。
どう生きるのか、働き方を決めるのはメンバー自身
ガイアックスでは、「自分の人生をどう生きるか」を決めるのはメンバー自身であり、人生の大部分を占める労働における働き方も、メンバー自身が決めるべきだと考えています。
働く場所や時間はもちろん、給与や雇用形態・社外での複業や社内副業、自分の目的やキャリアパスも自分で決める・設計することで、メンバーは自分が道を作り、進めるようになると考えています。
労務と協力し、社内副業制度を整備
「社員兼業務委託」などの新しい働き方のアイデアは、随時労務が社労士に相談したり、労基署への見解の確認を行いながら導入してきました。
新しい制度を作るためには労力が必要になるので、まずは他社でも事例があるところから少しずつ新しい働き方を取り入れ、「柔軟な働き方ができる職場」の土壌を作っていくとよいと思います。
生き方に沿った働き方を
今回はガイアックスでの事例も含め、新しい働き方の事例を紹介しました。
コロナウイルスの感染拡大をきっかけにリモートワークを導入する企業が増え、従来の「当たり前の働き方」に疑問を持つようになった人も多いのではないでしょうか。
「自分の生き方は自分で決めたい」「ライフプランに沿った働き方がしたい」という思いのある方は、自身らしい働き方ができる環境で働くのも手です。
この記事で事例を紹介していたガイアックスでも毎週オンライン座談会を開催していますので、興味を持ってくださった方は、現役メンバーに仕事内容や働き方について直接質問してみてくださいね。