3月5日、ガイアックスは設立20周年を迎えます。20周年目の想いを代表の上田より、ブログにて複数回に渡り、届けさせていただきます(内容は20周年パーティで配布の冊子に記載のものです)。
まずは、20周年パーティやNagatacho GRiD内のシェアスペースやイベントでご案内してきましたGaiax Communityの取り組みについてです。
以下、株式会社ガイアックス 上田祐司(創業者・代表執行役社長)からのメッセージです。
ガイアックスとして戦う
20年前、ガイアックスという会社を作りました。
みんなで、1つの会社の中、一緒に仲良く働いていました。
そして、仕事ができて、心意気の良い、そして、何より強い意思を持つタイプの優秀な人がどんどん仲間としてジョインしてくれました。
今思うと、会社組織としてのガイアックスがわかりやすい時代でした。
ある時、なんと、すごく活躍いただいていた古俣大介(※1)さんが退職すると言い出しました。
とても仕事ができ、人として尊敬する方が退職するのは嫌だったし、正直なところ普通に困りました。
そして、起業するとのこと。
絶対に成功するのは目に見えています。だから、出資させてもらいました。激安プライスです。
この時から、ガイアックスというものが、少しだけややこしくなったのかも知れません。
»ガイアックスの「ビジネスモデル」
※1: 現ピクスタ株式会社代表取締役社長
ピクスタ株式会社は、2015年上場。多大なるキャピタルゲインをガイアックスグループにもたらすこととなる。
ガイアックスグループとして戦う
ガイアックスは、名証セントレックスに上場しました。
上場後は事業拡大に伴い、グループに入ってもらう会社もいろいろ増え、新規子会社も作りました。
ガイアックスは、会社単体として戦う時代から、グループとして戦う時代に移りました。
ある時、完全子会社であるAppBank社代表の村井智建(※2)さんと宮下泰明さんが「AppBankを自分たちのものにしたい」とリクエストしてこられました。
ちょっと困りました。やっと黒字転換しつつあるところ。でも、明らかに実態としては、天才ペアの村井智建さんと宮下泰明さんで持っている会社です。
そして、議論の結果、カーブアウトすることにしました。半分以上の株を、ほぼ無償で村井智建さんと宮下泰明さんに渡したのです。
※2: 村井智建さん=マックスむらい・株式会社AppBank 取締役CCO・宮下泰明さん=株式会社AppBank 代表取締役社長CEO 株式会社AppBankは、2015年上場。多大なるキャピタルゲインをガイアックスグループにもたらすこととなる。
これは、他の子会社社長や事業部長の手前、ちょっと不平等です。
そこで、全事業部は、事業部の意思で子会社化でき、少なくとも1/3の株は、事業部長や事業部の幹部が持てるようにしました。
ルールの整理はできましたが、ややこしいのがもっとややこしくなりました。
事業部メンバーは株を持てるようになり、事業へのコミットが格段に上がりましたし、キャピタルゲインに比べてインパクトの少ない「給与や報酬」に対する興味は、だいぶなくなっていきました。
一方、事業部・子会社の経営陣がその会社株式の1/3以上を持っているため、ガイアックスからの指示命令はあまり機能しなくなりました。
参考になるアドバイスは求められます。僕からは指示命令のつもりでも、アドバイスとして扱われます。
そして、参考になるアドバイスを言えないと、話も聞いてもらえません。そういう時は、少し寂しいです。
事業部も法人化して、それぞれ持ち株比率もまちまちになり、一方で、投資先さんも増えてきました。
これまでの「グループとして戦う」ということと、同じように見えても、持ち分比率がだいぶ異なってきたので、画一感はありません。だいぶややこしいです。
»ガイアックスの「カーブアウトオプション制度」
これからのガイアックス、ガイアックスコミュニティとして戦う
会社として働きやすい環境づくりにも力を入れています。
だいたいの部署では、出社するかどうかは自由にしました。管さん(ソリューション事業本部長)は、1年間海外を渡り歩きながら仕事をするそうです。
副業ももちろん自由です。シェアリングエコノミー(以下、シェアエコ)は、つまり副業です。シェアエコを推進するガイアックスが副業を禁止にするわけがありません。推奨です。最近では、入社した人に「週何日なの?」という質問が普通に飛びます。
社内公募制度、つまり事業部間のメンバー移動は自由です。そればかりか、投資先さんや卒業生の会社さんとの間で、人が行き来したりもします。
LGBTの方について、差別も優遇もしません。そもそも採用面談時に性別も聞かないし、自己申告の「結婚しました」だけで、お祝い金や結婚休暇です。
ガイアックスと、各社さんとの関係があいまいになったわけですが、
「会社」と「働く個人」との関係もまた、あいまいな感じになったわけです。
例えば、ガイアックスを退職した久保田さんは、退職した後も、多くの部署からディレクターの仕事をフリーランスとして受注しています。
外注にクラウドソーシングも使っていますが、同じNagatacho GRiDで働いている方にも、デザインや企画の仕事をたくさんお願いしています。
シェアエコプラットフォーマー事業をしているガイアックスにとって、シェアワーカー、つまりホストの人が、社員よりも重要なこともありえるわけです。
そこで究極の質問「果たして、ガイアックスが雇用していない人は、ガイアックスにとって重要ではない人なのだろうか」が出てきました。
もともと新人研修は、「シェア研修」という名称で、親密先の企業さんと合同でやっていました。
ガイアックスグループでは、社員総会、社内研修、合宿などいろいろやっています。そしてなんと、これら全てのプログラムに社外の人も参加できるようにしました。
昔は社内の人が興味を持つような行事を開催したいと思っていましたが、結局、外部の人にも完全に開放したほうがいいだろうと、今はNagatacho GRiDの定期イベントとして多数運営しています。
オフィスも、機密情報は個室やロッカーに保管していますが、日頃は、シェアスペースでノートパソコンを開いて働いています。
僕も、Nagatacho GRiD 2Fのシェアスペースで、社外の人や、お客さんや、卒業生さんや、内定者さんや、見ず知らずの方たちと、隣同士になり混ざり合いながら、お仕事しています。
「社長室ってないのですか?社員さんと机を並べて仕事しているのですか?」と前のオフィスで聞いた質問が懐かしいです。
席でランチを食べながら、隣りに座っている人と話しても、彼が、今、ガイアックスの社員なのか、投資先さんの社員なのか、投資先さんの業務委託を受けている人なのか、単なる他人なのか、もはやわかりません。
このような組織運営は、本当に正しいのでしょうか。
もしかしたら、ややこしくなりすぎてて、うまくいかないのかもしれません。
でも、この弱肉強食の世界、淘汰の激しい資本主義な世界においては、中途半端だと、確実に瞬殺されます。
ある方向に倒すのならば、きっちりと倒しに行く。そこの第一人者には、生存できる余地があると信じています。
もちろん、もはや、このガイアックスの存在自体が実験である、という自認もあります。
だからこそ、倒し切るために、組織運営として、強制力の伴う求心力は、全て放棄します。
私たちが何をこの時代に生まれて成すべきなのか、それは人と人をつなげることではないか、こういったミッションのみを求心力とし、その求心力で、それぞれ別のユニークな個体として、でも、力を合わせて、ある部分は一体となり、社会を変えていきます。
ガイアックスの競争力は、もはや、単体の社員の強さではありません。
そして、グループや投資先さんの社員の皆さまの強さでもないです。
競争力になるのは、今、大切にしなければならないのは、ガイアックスというものに、もしくは、「人と人をつなげる」というミッションに、少しでもご共感いただけるガイアックスを取り囲むコミュニティの皆さまとの関係性と皆さまの強さ、なのです。
これをお読みいただいている皆さまと、いかに分かりあえて、いかに効率的に支え合えるかに掛かっています。
ガイアックスは、「ガイアックスコミュニティ」を大切にしていきます。
コミュニティ内でつながりあって、わかりあって、効率的で幸せな状態をみなさまと作り上げたいです。
もちろん、皆さまのお役に立てることがあれば、全力で努力したいと思っています。
(お読みいただいている皆さまには、「外の人」という意味ではなく、「ナカの人」という意味で、)これからも、引き続き、どうぞよろしくお願いします。
ガイアックス会社設立日の3月5日(火)、Nagatacho GRiDにて20周年パーティを開催。どなたもご参加いただけます。出入り自由です。
詳細は下記Facebookイベントページです。Gaiax Communityに登録のうえ、ご入場ください。
https://www.facebook.com/events/461289597739729/