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経営会議メンバーがつくり出したい「未来」とは? – ガイアックス未来会議【前編】

最終更新: 2024年10月9日

ガイアックスの経営会議では、「未来会議」という時間を3ヶ月に1度とっています。
2024年初回の未来会議で扱ったのは、経営会議メンバーが思い描く「つくりたい未来の社会」について。
今回は、あえて主語をガイアックスにするのではなく、メンバー個々人を主語に「それぞれがつくりたい未来の社会」について語り合った内容をお届けします。

前編では、以下の話をご紹介します。
死なない環境を社会に点在させる、“多様な価値観”の提供
「未知への挑戦」自体へのワクワク感
「挑戦数の増加にフォーカスした組織」という可能性
AI時代にガイアックスが担うであろう役割
自分が生きたい人生を生きると、人は優しくなる

※経営会議の発言内容は基本的にすべて文字起こしし社内に公開されています(ガイアックス・フラットカルチャー:議事録公開 )。ただし、秘密保持契約の該当事項や、インサイダーとなりうる可能性のある事項については記載・公開しておりません。

プロフィール

荒井 智子

コーポレートカルチャー推進室責任者

2013年4月に新卒入社。2年間法人・海外営業、社長室立ち上げなどを経て、2015年に社内起業プロジェクトでケータリング型社員食堂をスタートし、2017年にtiny peace kitchenとして事業化。2022年にブランド&カルチャー推進室(現コーポレートカルチャー推進室)の責任者に就任。ガイアックスにただようカルチャーを言語化することを得意とする。

田中嶺吾

田中 嶺吾

MIRAI-INSTITUTE株式会社・取締役

佐々木 喜徳

佐々木 喜徳

執行役・スタートアップ
スタジオ事業責任者

takumi.nagare

流 拓巳

管理本部長

峯 荒夢

峯 荒夢

開発部部長・
DAO事業部部長

管 大輔

管 大輔

ソリューション事業
本部責任者

荒井:今日は、経営会議に集っているみなさんが、それぞれの事業を通じてどんな未来をつくり出したいかについて聞かせてください。一人ひとりの未来への願いを聞くなかで、共通の未来が浮かび上がってくるのではないかなと思っています。

Gaia kitchen

「生きやすさ」の根源となる“多様な価値観”を提供したい

まずは、田中さん、いかがですか?

田中:「死なない環境を社会に点在させていくこと」をしたいと考えています。
たとえば、シェアオフィス事業の「MIDORI.so」では、集う人がどれだけ多様かを大事にしていて。IT産業が壊滅したとしても、漁業のコンサルをやればいいやとか、農業をやればいいやとか。
仮に一つのコミュニティで息苦しくなったとしても、ほかにも選択肢が常にある社会にできればと考えています。

荒井:まさにMIDORI.soは、田中さんの思想とドンピシャだと思うのですが、ガイアックスで田中さんがやりたいことってどんなことですか?

田中:ガイアックス自体にもいろんな事業や働き方、ひいては価値観を内包できているようにし続けたいと思いますし、顧客に対しても“価値観の多様さ”を提供していきたいと考えています。
スタートアップスタジオ事業では、高校生向けにアントレプレナーシップ教育を行う「起業ゼミ」を提供していますが、これは高校の授業で「起業」という新たな価値観を提供している一例になるのかなと思っていて。事業づくりを通じて、このような例をいくつも増やしていきたいです。

田中 嶺吾

自分は、「未知への挑戦」自体にワクワクする

荒井:では、次に佐々木さん、いかがでしょうか?

佐々木:幼少期から新しいことや他人がやってないことへのチャレンジが好きで、気づいたらガイアックス歴15年になりました。
「社会や産業の変え方をわかっている人がガイアックスに増えたらすごいことが起きそう」と思いながら、いまのスタートアップスタジオ事業に取り組んでいます。

荒井:佐々木さんのなかで「社会がこうなったらいいな」という観点で、何か思い浮かぶものってありますか?

佐々木:恥ずかしながら、自分の取り組みから生まれる影響の輪を「社会がこうなったらいいな」という具体的なビジョンにまで広げられていなくて。
もちろん、環境のいい世界だったり平和な世界であってほしいとは思うのですが、それって僕だけでなくみんなが当たり前に思っていることだよなと。

荒井:佐々木さんとしては、「社会が云々」というよりは、事業をいかに生み出すかとか伸ばすかなどの辺りがワクワクするポイントなのでしょうか?

佐々木:誰もできていない未知のことへの挑戦がワクワクするポイントですね。
「スタートアップスタジオの仕組みってうまくいくわけがないよね」という批判的な声をもらうと、逆にワクワクして楽しくなるというのもあります。

佐々木 喜徳

「挑戦数の増加にフォーカスした組織」という可能性

荒井:では、次に流さん、お願いします。
流:社会におけるガイアックスの立ち位置として、挑戦数を増やすところに責任を持つことを大事にしたいと思っています。
その挑戦がどこまで伸びていくかとか、どういう方向にいくかみたいなところに関しては、もっと社会に頼ったり、そもそもガイアックスの指標としなくてもいいのではないかとも思いはじめていて。

ガイアックスは、世界の変えはじめ方とか問題解決という行為への取り組みはじめ方みたいな「最初の一歩」を踏み出す領域に対しては大きく貢献できると考えています。
一方、「ある社会問題が解決されました」とか「ある事業が一定の大きさになりました」といったように課題解決の最後まで持っていく過程に関しては、うちよりも得意なプレーヤーがいっぱいいる気がしているんです。
なので、ガイアックスが得意な領域にフォーカスする観点で言えば、「“事業立ち上げ”のフェーズに特化した組織になっていいのではないかな?」みたいなことを考えています。

荒井:挑戦数が増えていくことは、社会へどんなインパクトをもたらしますか?

流:単純に、挑戦数が増えた方が成功数が上がりやすくなると思っていて。
実験を主な仕事としている人たちからしたら、「ある実験が失敗しました」というのは成果だと思うんです。「望む化学反応は起きませんでした」「だから、100通りあるとしたら他の99通りのどれかが正解かどうかという確認に移行します」となるのも1個の大きな成果なんだろうなと。

荒井:成功数が上がるというお話でしたが、流さんにとっての「成功」とは何なのでしょうか?

流:個人的な話になるのですが、もったいないことが嫌いなんです。
自分のミッションとして、「人の才能や物が持っている価値を最大限に発揮することを防いでいるものを破壊していくこと」を掲げているくらいで。

なので、箱の中に入っちゃって発揮されていない人の才能とか、箱の中に入っていて美味しい食べ物なのが世に出て必要な人のもとに届いたり、それらがちゃんと有効活用されて物事がスムーズに進むことを社会の成功イメージとして捉えています。

流 拓巳

AI時代に担うガイアックスの役割とは

荒井:では、次に峯さん、お願いします。

峯:AIやメタバースが入ってくることで、人間の人口よりもAIが増え、その増えた人口の分だけ大きなマーケットが生まれるのではないかと考えています。
人間の2〜3倍ぐらいの量の人か何かわからないものが動いていて、それらと物を売ったり買ったりしている世界観が数十年先にあるような気がしていて。

いま、私たちは企業がつくったモノやサービスを買うことが多いですが、この世界観においてはこうした行動が段々と行き詰まってくるのではないかと見ています。
一方で、人がつくったものを人から買うという世界観が同時に伸びてくるのではとも思っていて。
そして、そこに媒介するものこそが、SNSやコミュニティではないかと。
コミュニティ内で人から人へ、もしくはコミュニティ自体から人へ売るというプラットフォームをDAOが担うのだとしたら、その辺りをビジネスの領域に持ってこられる会社になり得るのがガイアックスなのではと思っています。

荒井:お話いただいたような「これから来るであろう未来」に向かうために、ガイアックスがやるべきことは何だと思いますか?

峯:やはり重要なのは、今日みたいな未来の話をすることだと思っています。
自分が考えるよりも面白い未来を語る人はいるので、「こんな未来もたしかにあるよね」と認識し合うことが1歩目かなと。
「その未来に対して何がコミットできるか」と議論を重ねていくのが、ガイアックスにとって重要なのではないかと思います。

同時に、「こういう未来があったらいやだな」というのを防ぎにいくのも大切だなとも考えています。たとえば、詐欺的なDAOが生まれる未来だと「DAOってやっぱりダメじゃん」となってしまう。そうならないように、防止策をあらかじめ考えておくことも重要ではないかなと。

荒井:「つくりたい未来」と「避けたい未来」の両方を話していくのは、たしかに面白そうですね。

峯 荒夢

自分が生きたい人生を生きると、人は優しくなる

それでは、次に管さん、お願いします。
管さんは、ガイアックスのお仕事以外でご自身でも事業をされていると思うのですが、それぞれに共通しているビジョンはありますか?

管:個々人が「選択肢を狭めない生き方」を実現できたらいいなと思っています。
コロナ禍を経て、いろいろな働き方が機能すると実感できたにも関わらず、マネジメント側の都合で出社指示が再度出はじめているような流れに違和感を覚えていて。

個々人がちゃんと自分のライフミッションに沿って生きていたり、自分が望む生き方を実現できていれば、人と人のつながりの質が高まると思うんです。
すると、人が他人に対して攻撃的になることって、結構減るんじゃないかなと思っていて。
なので、まずは「個々人がいい人生を生きること」ができるような社会にできたらなと考えています。

荒井:管さんが最後に話されていた「自分が生きたい人生を生きていたら、他者を攻撃しないのではないか」というところが、私も結構ど真ん中で。
私が家庭料理カフェ&ケータリング事業の「tiny peace kitchen」を運営していたときに、ミッションとして「やさしさが連鎖する経済圏をつくる」を掲げていました。
本来、人は優しさを持っている存在だと思うのですが、利害の衝突などの事情で優しくなれないことってあると思うんです。それこそ、自分が生きたいように伸び伸び生きていなかったとしたら、そういうふうに生きている人を邪魔したくなるとか。

管 大輔

同期の管さんの話を聞きながら胸が熱くなってしまったので語り出してしまいましたが、私もそういう世界観にいるなと思っています。
最近、ガイアックスのカルチャーづくりの指針として「才能と情熱」という言葉を使っていますが、人が自分の才能と情熱にしたがって伸び伸びと生きることができていれば、人のいい面が引き出されていくと思うんです。
かといって、個性の強さゆえに孤立するわけでなく、その姿のままで人とつながったり人の役に立っていけると、世のなかが連鎖的にもっと優しい場所になっていくんじゃないかなって。
なので、巡り巡ってガイアックスの事業や組織カルチャーは、自分の価値観や望む社会の未来と強くリンクしているなと感じました。

後編では、
・“幸せ”を自己定義する「人」と「チーム」の重要性
・混沌とした未来で、事業を営む者に問われる倫理観
・ポスト資本主義を体現する会社のロールモデルへ
・「理想を語りながら商売をする重要性」の再認識
を語り合います。

(執筆・編集 ヤマグチタツヤ)

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