新しい働き方のひとつである「リモートワーク」。特に近年は完全なリモートワークである「フルリモートワーク」を導入している企業も増えています。新型コロナウィルスをきっかけにリモートワークを導入し、本格的に働き方改革へ取り組むようになった企業も多いのではないでしょうか。
今回は、フルリモートワークの概要やメリット・デメリット、実際にフルリモートワークを導入しているガイアックスの事例などを紹介していきます。
なお、ガイアックスは”スタートアップスタジオ”として起業家輩出に力を入れている会社です。ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー領域で新規事業を生み出す仲間(事業責任者、マーケター、エンジニア、バックオフィスメンバーなど)を募集しています。
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フルリモートワークとは?
フルリモートワークとは、基本的にオフィスに出社せずに仕事をする働き方のことです。オンラインで自宅やカフェ、コワーキングスペースなどから仕事をすることができます。
一般的な「リモートワーク」は、会議や社内ミーティング、先方との打ち合わせなど必要に応じてオフィスに出勤する必要があります。「週に3回は出社、週に2回はリモート」などのケースもあります。
しかし、フルリモートワークは出社が前提ではありません。フルリモートワークを採用している企業の中には、オフィスを持たない会社も存在します。
フルリモートワークを採用している会社で働くと、物理的にオフィスから離れた地域に住むことも可能になります。オフィスが東京にあったとしても、ネットさえ繋がれば、場所を選ばず仕事をすることができます。
フルリモートワークの魅力と落とし穴
フルリモートワークには、メリットとデメリットのどちらも存在します。それぞれの内容を知っておくことで、フルリモートワークが合うか合わないかを事前に知っておきましょう。
フルリモートワークのメリット
フルリモートワークの主なメリットは以下の5つです。
- 好きな場所で働ける
- 通勤のストレスがない
- 時間の融通が効きやすい
- 雇用の幅が広がる
- 雇用側としても固定費を削減できる
■好きな場所で働ける
フルリモートワークの大きな魅力は、働く場所を選ばないことです。一切出社する必要がないので、好きな地域に移住して仕事をすることも可能。実際にガイアックスには、オランダや福岡、広島、奈良、岐阜などで働くメンバーもいます。
働く場所が自宅であっても、気兼ねなく自分の好きなデスク環境で働くことができるのもメリットです。どんな音楽をかけようがどんなインテリアにしようが、誰にも迷惑をかける心配がありません。自宅で快適にフルリモートワークを行うなら、在宅環境を整えることが重要です。実際に揃えて良かったと思える便利グッズは、「リモートワークの便利グッズ14選」でまとめました。
■通勤のストレスがない
オフィスに出社するとなると、苦痛なのが毎朝の満員電車。出社するだけで時間も体力も無駄にしてしまい、仕事を始める前から疲れてしまうなんてことも。首都圏のオフィスワーカーを対象にした調査でも、通勤におけるストレスが多くの人の生活に影響を与えていることが明らかにされています。
毎日通勤に30分かかっている場合、1日1時間も無駄にしていることになります。月に20日出社すると考えると、毎月20時間・毎年240時間も通勤に時間を消費しているのです。フルリモートワークは、そんな通勤のストレスがありません。通勤で消費していた時間と体力を、仕事や私生活に当てることができます。
■時間の融通が効きやすい
フルリモートワークは、決まった時間にオフィスにいる必要がありません。そのため、自分の都合に合った働き方が叶います。朝方の生活が合っている場合は、始業時間を早くしてその分早く終わらせたり、夜型の場合は始業を遅めにすることも可能です。
休憩も、仕事の合間に自分の好きなように取ることができます。フルリモートワークを採用している企業は成果主義のところが多く、ガイアックスもフレックスタイム制度を導入しています。そのため、仕事中でも子供の用事や散歩などをすることも自由です。
時間に縛られないため、自分の好きなように融通を利かせた働き方が叶います。自分に合った働き方をすることで作業効率が上がり、仕事のパフォーマンスも上がるのではないでしょうか。
■雇用の幅が広がる
フルリモートを導入すると、世界各国から働きたい人を募ることができます。東京にオフィスがある場合、出社するとなれば東京都近郊の人しか募集できません。
しかし、出社を必要としないフルリモートなら、住んでいる場所は関係ありません。オンラインで仕事ができる環境さえ整えられるなら、遠く離れた場所同士でも、事情があって家から出ることが困難な人でも、一緒に働くことができます。
■雇用側としても固定費を削減できる
社員全員がフルリモートワークを活用すると、会社がオフィスを持つ必要がなくなります。そのため、毎月オフィスにかかっていた家賃や光熱費を支払う必要がなくなり、固定費の削減が可能です。
また、社員に対する交通費の支払いも不要になります。毎月10,000円の交通費を100人の社員に支払っていた場合、毎月100万円の支出がかかります。フルリモートワークにすると、このような固定費も削減できるのです。
フルリモートワークのデメリット
フルリモートワークのデメリットは以下の3つが挙げられます。
- 成果主義である
- コミュニケーション不足になる
- 精神的に参ってしまう可能性がある
■成果主義である
成果主義とは、時給や月給などといった固定給でなく、業務の成果に応じて給与や待遇が決定する形態のことです。フルリモートワークは、勤務時間を把握したり、上司が部下を仕事中の態度によって評価するのが難しいです。そのため、年功序列型の企業にありがちな勤務態度やプロセスで評価できず、仕事の成果で評価せざるを得ないのです。
経験や在籍年数に関係なく成果の分だけ給与が反映される成果主義は、個人の能力を正当に評価してくれる制度です。しかし、プロセスは評価されないため、成果を出さなければ給与に反映されることが難しくなる特徴があります。
フルリモートワークという自由な環境で働くには、成果を出すことが求められます。努力やプロセスを評価されないのが辛いという人は、フルリモートワークはデメリットであると言えます。
■コミュニケーション不足になる
オフィスでは仕事の合間に社員同士で気軽に話せたり、ちょっとした疑問もすぐに確認できたりしましたが、フルリモートワークではそれが簡単に叶いません。働く距離が遠くなればなるほど、心の距離も離れていくと感じている人は少なくないようです。仕事の後に食事に行く機会も減るため、仕事のストレスなどを共有することも難しくなります。ストレスを自分の中だけで抱えてしまい、孤独を感じやすくなる可能性も考えられます。
また、フルリモートワークになるとコミュニケーションツールはチャットが主になるため、文章から内容を汲み取らなくてはいけません。アウトプットとインプットのちょっとしたズレで大きなすれ違いが起こる可能性もあり、コミュニケーションの取り方に気を配る必要もあります。
リモートワークのコミュニケーション課題は、工夫次第で解決することができます。「リモートワークのコミュニケーション課題を解決する」の記事では、大切な5つのポイントを紹介しているので、リモートワークのコミュニケーションに不安な人はぜひ参考にしてください。
また、ガイアックスのブランド推進室では、数ヶ月に一度メンバーがオフラインで集まって一緒に仕事をしたり、ご飯を食べたりもしています。メンバーの誕生日やクリスマスなどをきっかけに顔を合わせることで、よりその後の仕事もしやすくなっています。
■精神的に参ってしまう可能性がある
フルリモートワークによる孤独感が募ると、最悪の場合うつ病を発症する可能性があります。自宅で仕事をすると部屋から一歩も出ないこともあり、誰にも会わず、ネガティブな気持ちになりやすいからです。
通勤する必要性がなくなったため、運動不足になることもうつ病の発症を引き起こす大きな原因です。そのため、在宅が続く場合には、1日20分など、意識的に散歩することをおすすめします。
最近IT業界ではApple Watchが流行っていますが、スマートウォッチで散歩や運動のログをつけると習慣化しやすいかも知れません。
フルリモートワークをするなら、完全リモートの採用がある会社
近年では、多くの企業がフルリモートワークの採用活動を行なっています。上記で解説したフルリモートワークのメリット・デメリットを理解して、自分に合うと感じたら、フルリモートワークを活用している企業で働くのもおすすめです。
ガイアックスもフルリモートワークを導入しており、フルリモートワークだけでなく社内副業やフリースカウトなど、自分らしく働くことができる制度が揃っていた結果、「Work Story Award 2021」にて3年連続で受賞することができました。
» 【受賞コメント】「Work Story Award 2021」過去最多3年連続受賞、本年度審査員特別賞2賞を受賞
ガイアックスもメンバー募集中ですので、IT企業に興味があり、ミッションなど考えも一致する方はぜひ一緒に働きましょう。
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フルリモートワークで働くメンバーの事例
記事の最後に、ガイアックスでフルリモートで仕事をしているメンバーの事例を紹介します。
- オランダに海外移住しながら働き続けている本部長
- 正社員×世界一周しながら仕事をしているメンバー
- 2部署のマーケティングに関わるメンバー
それぞれの事例を見ていきましょう。
■オランダに海外移住した本部長
ライフデザインソリューション事業部本部長の管さんは、日本で激務になってしまい、自身の働き方の環境を変えるためにオランダに移住しました。
日本にいた頃は会議や連絡・会食などが続き、自分の仕事に向き合う時間が全く取れなかったとのことで、オランダに移住したことで時差を利用し、日本の13時-19時・オランダの6時-12時は会議を行うなど、時差を生かした働き方を構築。
時差をうまく活用してタスクをどんどん消化することで、仕事のスピードも向上。メンバーとのコミュニケーションが円滑になったり、重要な仕事以外に向き合う余裕も増えたりと、本来望んでいた理想の働き方を叶えています。
オランダに移住した菅さんの詳しい事例は、「やっと見つけた理想の環境。オランダに移住します。」の記事からチェックできます。
■正社員×世界一周をしながら働いているメンバー
ソーシャルメディアマーケティング部コンサルタントの肘井さんは、世界中を旅行しながらフルリモートで働くことを試みているメンバーです。「もっと多くの国に行きたい」という思いから、業務量を今までの半分に減らし、旅を7割・仕事を3割に調整しながら世界一周と仕事を両立させています。
※現在は、コロナの影響で停止中。
世界一周をする前から、ガイアックスのロングホリデー制度を活用していたという肘井さん。仕事量を減らさず前後に調整させながら、インド・ロシア・ドイツ・オーストリアなどの国々を旅しています。この経験できちんと成果を出せていたのもあり、部署もすんなりと世界一周を認めてくれました。
世界一周をしながら働く肘井さんの事例は、「「総合職」×「世界一周」!?」の記事に詳しく掲載されています。
■フルリモートで2部署のマーケティングに関わるメンバー
最後に、この記事の執筆に関わっていた廣山の事例を紹介します。入社半年で岐阜に地方移住し、フルリモートでコーポレートブランディングに関する部署と法人向けライブ配信事業の2部署のWEBマーケティングを担当しています。
社内で新規事業の立ち上げに関わっていた流れで2部署で仕事することになっていたのですが、社員としては稼働日数を減らした契約に変え、ライブ配信事業の方は個人事業主で契約する「社員かつ業務委託」という稼働の仕方をしています。
このユニークな試みは、「【社内副業】従業員かつ業務委託という新しい働き方」にて深掘りしました。
フルリモートワークで自律的に働く
今回はフルリモートワークの概要やメリット・デメリット、また、フルリモートワークで働くガイアックスメンバーの事例をご紹介しました。
従来の働き方に比べ、フルリモートワークでは他のメンバーの顔が見えにくくなり、より自律的に働くことが必要になってきます。それが合わない人もいると思いますが、「自律的な働き方がしたい」「ライフプランに沿った働き方がしたい」という方にとっては、フルリモートワークが合うかもしれません。
※ 渡航先、適切な在留資格について調べた上で、会社が認めた場合に限り海外からのリモートワークを認めております。
国境を越え業務をする場合には、それぞれの国の法律や税制度、国際的な取り決めなどに則り、適正なビザの取得や税法上の対応などが必要になります。また、近年、世界各国で、デジタルノマド・ビザ(ワーケーション・ビザ)の整備が進んでおり、常に最新の滞在先のルールを確認をすることが必要です。