ビジネスアイディアをカタチにする「起業ゼミ」プログラムに参加した高校生のブログ第二弾をご紹介します。このブログでは実際に事業検証をした方が事業検証で何をしたのか・何を学んだのかなどを、プログラム参加者の目線からお届けします。
もしかしたら自分の事業アイディアもすでに他の人が事業検証済みかもしれない……?という疑問がよぎる方なら、その情報に触れるチャンス!
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これから事業検証を行う起業家候補の方や起業に興味のある方必見です!
川村 瑠茄(かわむら るな)
私は静岡県に住む高校三年生です。好きなことは自分が飼ってる文鳥と遊ぶことと、音楽を聞くこと。将来は子供たちの個性を活かし夢を切り開ける国際バカロレア教員を目指しています。そんな私が、どうして今回ガイアックスさんのビジネスコンテストに参加したのか、ビジネスコンテストの中で大変だったこと、そして将来教員として今回の経験をどう活かしたいのかについてお話ししたいと思います。
ー高3向け起業ゼミに参加したきっかけはなんですか?
高校生活の中でずっとビジコンに参加したいと思っていたものの、受験勉強や課外活動が忙しく参加できなかったのですが、受験が終わった後に友人のSNSで今回のビジコンの存在を知り、初心者の私でもできそうだなと思い参加しました。
高校生活でずっとビジコンに興味があったのは自分のクラスメイトの影響でした。私のクラスメイトはとても活発にビジコンや、スピーチコンテスト、模擬国連などに参加している人が多かったため、自然と興味を持つようになりました。ただ、当時は自分の勉強だけで手一杯だったので参加することはありませんでした。高校生活での課外活動は自分の夢に向けて教育関連のことに多く参加してたんです。環境問題について小学生に教えたり、英語の物語を小学生向けに作ったり、生徒会に参加したりもしていました。
ーピッチで発表したアイディアを教えてください
私のグループがピッチで発表したのは「安心して楽にランダムグッズが匿名交換できる交換アプリ」です。
今回のピッチではK-popに着目して準備を進めました。
現在K-popアイドルのグッズ交換は、主にツイッターやインスタグラムでハッシュタグなどを用いて行われています。しかし、中には交換が見つかりにくい、詐欺に会わないか不安、個人情報を渡すことが不安などの声も多く上がっています。また、交換が見つからなかった場合、メルカリなどで高額に売り出されているグッズを購入するしかないというのも悩ましい現状です。そのような現状を受け、自分たちは交換専用のアプリを作れないかと考えました。
このアプリでは、自分が持っていて交換したいグッズ、自分が持っていなくて交換したいと思っているグッズを入力するとその条件に合う人をマッチングしてくれるというアプリになります。マッチングした後は、グッズを匿名で交換することにより、個人情報の流出を防ぐほか、保証料の入金通知と商品の発送通知が送られるので、交換相手が詐欺師であっても期限内に通知が届かなければ取引は中止となり商品は返送されます。
ー最初のアイディアはどんなものでしたか?また、なぜピボットしたのでしょうか?
自分の周りの人にヒアリングをする前はいろんなアイディアを考えていました。
どんなことなら需要があるのか、今自分たちが困っていることはなんなのかなど三日ほど考えました。
アイディアの中にはバスの現在地を常に更新してくれるアプリ、コロナで出かけられないことを考慮してバーチャルな街でのショッピングやショッピングセンターの混雑状況をリアルタイムで更新してくれるアプリなどなど、さまざまなアイディアがありましたが、ヒアリング後からはKpopのグッズ交換についての事業に絞って考えました。
最初は自分たちは利益のことについて深く考えておらず、顧客になりうる人数がとても多かったので一回の交換につき10円の手数料でアプリの運営に十分な利益を上げることができると考えていました。しかし、何回もフィードバックを受けていく中で人件費やアプリ開発費などのことも考慮し、10円の手数料では運営するのに十分な利益が見込めないと考え、顧客の幅をKpopに限らずアニメや漫画、ゲームなどのグッズにも広げて考えるように。一回の交換における手数料も10円から50円に引き上げ人件費やアプリの運営費をもらうことにしました。
ー参加して難しかったことと楽しかったことはなんでしたか?
ビジコンで一番難しかったのは市場規模の計算の仕方です。
どのくらいのパーセントが自分たちのサービスを使ってくれるのか、どのくらいの人がそもそもグッズを買い、どのくらいの人がKpopのファンなのかというのを正確に考えるのがとても難しかったです。
インターネットの情報もさまざまな情報が入り混じっていたのでその中で精査するのも難しく、どのくらいの人が自分たちのサービスを使ってくれるのかについての数字は多く見積りすぎてしまったりしました。ですがガイアックスさんのフィードバックのおかげで何回も直したり、軌道修正することができたので最後のピッチのときにはより正確な数字を出せたのではないかなと思います。
ビジコンで一番楽しかったのは、自分たちの考える人々に必要なサービスが自分たちの手で実際に形になっていくのを感じることができたことです。自分一人では想像で終わってたであろうアイディアが、チームのメンバーやガイアックスのスタッフの方々の協力でより現実的に、どうしたらこのサービスを成り立たせることができるかということを話し合えることに楽しさを感じました。
ー今取り組んでいることを教えてください
今は自分たちは今回のビジコンで事業検証賞をいただき、その後も引き続きガイアックスさんからアドバイスをもらいながら事業検証を続けて、いつかガイアックス賞を取れるように頑張っています。
現在の悩みは、自分たちの実績の無さから、サービスを求めている人に信用してもらえず、うまく事業検証が進められないことです。
この話を持ちかける際の話し方や、文章の書き方などを工夫してより多くの人にこの事業のアイディアを知ってもらおうとしていますが、まだまだ改善が必要だと思っています。
これからは他の方法で宣伝してみたり、めげずに多くの人に話しかけてより多くの人の目に止まるように努力していきたいです。自分たちの事業は問題点が多く、これからも改善しなければならないことが多いですが、引き続き人々の声に耳を傾けてよりよいサービスにしていきたいです。
ー振り返って学んだことはなんでしたか?
この経験を通して学んだことは、自分が普段使っているサービス、たとえばメルカリなどでも表に出ているサービスの裏では運営の絶え間ない努力があるのだと実感しました。何気ない日常の中でも人々の努力がどれほど自分の生活を支えてくれていたのかということを感じました。
自分がサービスを利用する側ではなく、提供する側になって初めて気づけることだと思います。もちろん自分たちはまだ提供する段階にも至ってませんが、この立場に立って初めて気づけることが多かったと思います。どのように顧客に接するのか、値段設定はどのくらいなら顧客が手を出しやすいか、顧客が本当に求めているものはなんなのか、自分たちはそれに対してどれほど応えられるのか、どうすればより顧客に寄り添ったサービスにすることができるのかなど、自分たちの事業を考えていく上ではとても重要なことですが、今まで考える機会がなかったことなのでとても新鮮に感じました。
また、こういうことを考えるようになってから自分の身の回りにあるサービスはどのようにして出来上がったのだろう、どんな配慮が施されているのだろうと考えるようになり、そういう気遣いに気がつくようになりました。
ー今後に向けての意気込みをお願いします!
私は将来、教師になることが夢です。この事業が成功するかどうかにかかわらず、いつか教師になったときに生徒たちの人生にとって力になれるようないい助言ができる教師になりたいと思っています。そのためには、本や記事を読み、他人の感じたことを元に意見するのではなく、自分の経験したことを元に生徒たちに話をすることが重要だと考えています。
今回のビジコンでの経験は自分がいつか教師になり、自分の受け持つ生徒からビジネスに関しての助言を求められたとき、曖昧な知識で助言をせずに自分の経験を元に彼らのキャリアに有益なアドバイスをするために役立つと思っています。私のクラスでもビジネスの道に進む生徒が多くいるので、今回の経験はとても役に立つ貴重な経験だと思っています。自分が今回このビジコンで学んだこと、今現在学んでいることが生徒たちの将来を切り開くための武器になると信じて、これからも精一杯この事業に力を注ぎたいです。