そんなガイアックスメンバーの様子を連載で紹介していく「使命で動くシリーズ」ご覧ください!
今回インタビューしたのは、ソーシャルメディアマーケティング事業部の岡野 宏(おかの・こう)さん
Web運用ディレクターとして入社後、クリエイティブチームのリーダー、ブランド推進室を経て、現在はソーシャルメディアマーケティング事業部でSNSコンサルタントを務める岡野さん。子育てをきっかけに、ワークスタイルが変わり、リモートワークやフレックス制をフルに活用されています。ガイアックスのさまざまな部署で仕事をしてきた岡野さんですが、Nagatacho GRiDの立ち上げを通して働き方への価値観が変化したとのこと。そんな岡野さんの使命とその裏にある想いについて伺っていきます。
人を巻き込む大変さを痛感したGRiD立ち上げプロジェクト
ー現在の仕事について教えてください。
現在はガイアックスのソーシャルメディアマーケティング事業部(以下、SOC)でSNSの運用コンサルタントを務めています。SNSアカウントの新規立ち上げにはじまり、運用の分析や結果に基づいたコンサルティングが主な業務となっています。コンサルティング業務に加えて、コンサルタントチームのマネジャーも務めており、SOC全体として人員配置が適切になるように、新しい案件が来た際のコンサルタントのリソース管理をしています。
ー2013年にガイアックスに入社された岡野さん。社内では今までどんな仕事をしてきたのでしょうか。
ガイアックスに入社してWeb運用ディレクターを務めた後、ブランド推進室(以下、BPO)に異動し、Nagatacho GRiD(以下、GRiD)の立ち上げなどに関わりました。現在所属するSOCに移ってきたのは2018年のことですね。
BPOで会社のブランディングの仕事をする中で、数字や売り上げにコミットしたい気持ちが強くなっていきました。もともとSOCのメンバーとは一緒に仕事をしていたこともあり、飲み仲間であったSOCメンバーを通じて、当時SOCの事業部長であった管さんから声をかけていただき、コンサルタントとしてSOCで働くことになりました。
ーWeb運用ディレクターから、全社ブランディングを担当するBPOに移った経緯についてお聞かせください。
当時所属していた部署がなくなるかもしれないとなった時に、BPOができるという話を聞き、もともとブランディングに興味があったため、異動することを決めました。
そのタイミングでガイアックスの上場10周年パーティが開催されることになり、異動前ではありましたが「この後ブランドチームに行くのであれば」とパーティをお手伝いしたことからBPOでの仕事がはじまりました。AppBankの村井さんをはじめとしたガイアックスの卒業生とのつながりを強く感じたパーティでしたね。
その後、GRiDの話が持ち上がりました。現在投資先である、多拠点コリビングサービスADDressの代表を務める佐別当さんが「日本一のシェアビルを作る」といい放ったところから話がはじまり、当時佐別当さんが所属していたBPOチームでGRiDの立ち上げを進めていくことになりました。10周年パーティ、オフィシャルサイトリニューアルに続いて大規模な仕事を任されることになりました。
ーGRiDの立ち上げでは、どのような仕事をしていたのでしょうか。
GRiD立ち上げのプロジェクトマネジャーとして、全体の進行管理をしていました。五反田オフィスから移転するための引越し部隊と、GRiDを作る部隊の2つに分かれていて、前者の引越し部隊は現執行役の佐々木さんや総務マネジャーのUさんたちに協力をお願いし、僕はGRiDのビルの所有者との契約周りのやりとりや、デザイナーや施工をする人たちとコミュニケーションをとりながら進行管理を主に担当していました。
社内と社外の間に立ってコミュニケーションをとることが多く、いかに人を巻き込んでプロジェクトを進めることが大変かを痛感しました。というのも、GRiDの立ち上げはオフィスの移転も兼ねていたため、オフィス環境や通勤環境などガイアックスメンバー全体への影響するプロジェクトでした。そのため関係者が多く、さまざまな意見が出てくるのですが、すべてを叶えるのは不可能に近いこと。何を取り入れて、取り入れられない意見をどのようにフォローするかを試行錯誤して、全体に配慮してプロジェクトを進めることが何より大変でした。
自分で働く場所を選べる世の中になって欲しい
ーGRiDの立ち上げを経て、心境的にどのような変化があったのでしょうか。
「日本で一番シェアが体験できるビル」というGRiDのコンセプトの元、当時は地下から6階までのあちこちに業務スペースがありました。GRiDができたばかりで誰もまだオフィスにいない時から、GRiD中のいろいろなところで仕事をしはじめました。試してみると仕事に何も支障はなく、自分の席が用意されているという今まで当然だった働き方が当たり前である必要性がないと思ったんです。
GRiDが完成した半年後あたりに、総務省によるリモートワーク推進運動にBPOチームも取り組んでみることになりました。試しにGRiD以外の場所でも仕事をしてみると、普段通りに仕事をすることができました。当時から通勤時間や通勤ラッシュのストレスに対して不満と疑問を感じていたので、リモートワークをするのであればGRiDでなくてもいいと思い、当時住んでいた千葉県柏市の家でリモートワークをしはじめました。
その翌年の2019年にガイアックス本部長の管さんが海外に移住にしたことをはじめ、ガイアックス全体でもさまざまな場所で働きはじめる人が増えてきました。その状況も相まって、2019年12月に金沢へと移住して現在に至ります。
ー実際に金沢に移住して、どんなことを感じましたか?
働き方は在宅でリモートワークをはじめた時からほとんど変わっていません。違うのはWiFi環境くらいじゃないですかね。
自分の場合は家庭の事情があって金沢への移住を検討しはじめたのですが、選択肢の1つとして移住が選べるような世の中になったらいいなと思いましたね。もし自分が移住を選択できなかったら、家庭の事情と仕事の両方を手にすることはできなかったはず。移住することで働き方を工夫する必要は多少生まれますが、自分自身で自由に働く場所や働き方を選べるような世の中になったらいいなと思っています。
感謝の積み重ねがアイデンティティになる
ー岡野さんの使命についてお聞かせください。
「使命」といわれると「これ!」というものはないんです。ただ「自分の原動力になるもの」に置き換えると、仕事で感謝された時の嬉しさに尽きると思っています。「岡野さんに頼んでよかった」「ガイアックスに依頼してよかった」とクライアントにいっていただいた時は、仕事のやりがいを強く感じます。
感謝の言葉は小さなことから大きなことまで粒度はさまざまで、その1つ1つの言葉が積み重なっていくことに、特に嬉しさを感じます。もともと自分自身に対してあまり自信がないタイプなので、感謝の積み重なりによって自分が誰かに必要とされていると感じられて、自分のアイデンティティになると思っています。また感謝の言葉をいただけるように頑張ってみよう、いうのが大きな原動力になっています。
SOCではコンサルタントとしてクライアントの課題解決に取り組んでいますが、クライアントの課題を解決すること自体が、自分が達成感を強く感じることの1つですね。
ー課題解決をすると達成感をおぼえる。もう少し詳しく聞かせていただけますか。
課題解決も感謝されたいと思う気持ちと根っこは同じ。課題解決すると感謝されることが多いので、より嬉しい気持ちが増すと思っています。課題の整理や解決は、これまでの人生の中で比較的得意な方でした。自分が持っている経験・スキルを活かして「自分にしかできないこと」で課題解決できた時は、嬉しい気持ちが強くなります。
ー「自分にしかできないこと」は今のSOCではどんなことがありますか?
SOCのマネジャーという役割は、その1つかもしれません。マネジャー業務は向き不向きがありますし、必要なことだけど通常業務+αでやらなければならない。現在のSOCではマネジャーは自分含めて二人で担っていますが、これまでの自分の経験を活かして取り組んでいることでもあるので、「自分にしかできないこと」といえるかもしれません。
SOCのマネジャーは「上司」ではない
ーSOCは自律的な組織作りに取り組んでいらっしゃいますね。その中でのマネジャー業務の特徴は何ですか?
マネジャーは「管理をする」というのが一般的な考えだと思っています。メンバーの状況を把握して、数値を管理し、円滑に業務が進むために対話的な関わりを仕事にしているマネジャーも多いと思います。
一方、SOCのマネジャーは、営業と同じように1つの役割であり、そこに上司部下といった関係性はないことが特徴的です。自分がSOCのマネジャーとして取り組んでいるのは、基本的にメンバーのリソース管理だけ。メンバーは主体的に動いているので、SOC全体で効率よく動けるように、的確な人員配置をするのがSOCにおけるマネジャーの役割です。そのため、世の中の一般的なマネジャー像とは認識が異なると思っています。むしろマネジャーという言葉すら当てはまらないのかもしれません。
もちろんSOC全体としてメンバーのモチベーションのケアをしないわけではなく、事業部長が1on1を請け負ったり、メンバー間で気づいた人がサポートすることはあります。その役割をマネジャーというポジションに与えていないことは、面白いと思っています。
ーSOCのマネジャーという役割の難しさは何がありますか?
対話的にみるのではなく、一定数距離をとったマネジメントをすることに最初は戸惑いがありました。1on1を通してメンバーがどんな人なのか自ずと分かることがあると思いますが、今は自分が1on1をやるわけではなく、基本的にリモートワークなので対面で会うこともない。各メンバーに対する解像度が低いがためにマネジメントのやり辛さを感じることもあります。
リソース管理に伴う採用判断も難しさの1つです。リソースが足りなくなってきたので採用をしようと思っても、その瞬間にいい人材が見つかるとも限らないし、かといって予め採用するにも案件の受注が一定数見込めていないと余剰リスクとなってしまいます。仮にうまく採用できたとしてもすぐに案件を担当できるわけでもないので、案件を増やしたことによって組織の誰かの負荷が上がることもあります。あちらが立てばこちらが立つ、といった具合に、いろんなことが連動する中でリソース管理をしていくことは難しいですね。
ーマネジメントをする中で岡野さんが工夫していることはありますか?
コミュニケーションの取り方は常に試行錯誤しています。仕事におけるコミュニケーションといっても、ちょっとした小話からMTG、雑談と多岐に渡りますよね。コロナ禍に関わらず地方で仕事している分対面する機会が少ないので、コミュニケーションのとり方は意識しています。
時間をとってまで話す必要のないことはテキストでのやりとりで十分ですし、少しやりとりが長くなりそうであれば時間をとってミーティングをすればいい。いたずらに会議が長くなったり、ミスコミュニケーションが起きているのは、ベストなコミュニケーションのとり方ができていないことが1つの原因だと思っています。コミュニケーションのとり方は、リモートワークかどうかに関わらず仕事をする上で大事なこと。リモートワークが進んだことにより、より顕著に求められるようになったと感じています。
事業を任せてきたから出来上がったカルチャーがある
ーガイアックスの中でさまざまなお仕事をしてきた中で、ガイアックスという組織について感じることをお聞かせください。
管理されることなく自由に動けることが、ガイアックスの特徴だと思っています。だからこそ自己責任の範囲は広く、セルフコントロールが強く求められています。自分のことは自分で責任を持って取り組むことは必須、というのも馬鹿らしいくらいガイアックスでは当たり前だと感じています。
セルフコントロールは簡単なことではないので、自分で責任を持って取り組む人がガイアックスにたくさんいることは凄いこと。上田さん(ガイアックス代表執行役)が「自分は何もしないけど」というくらい、事業をメンバーに任せてきたからこそ出来上がった文化だと思っています。そんな事業体制でも毎月数字を作っていることは、自己責任の意識の高さの現れではないでしょうか。
ーこれからチャレンジしていきたいことがあれば、お聞かせください。
SOCもまだまだ発展途上の組織なので、とにかく前に進んでいくことだけを考えていきたいです。
SOC以外では、自分が住んでいる金沢で「金沢にいるからこそできることをやってみたい」と思いはじめています。起業家精神が高いタイプではない自分でも、ガイアックスメンバーの影響を受けたのか、自分で何か別のことに取り組んでみたいと思うようになってきました。今まで「働く」というと仕事が中心でしたが、これからは仕事から少し離れたことにも自分の力を注いでいきたいです。
インタビュー・ライティング 宇田川寛和
「マネジャーも営業と同じように1つのポジション」という言葉を聞いて、自分自身のマネジャーに対する認識がアップデートされたように感じます。ガイアックスで働くからこそ、自分のコミュニケーションの選び方は考え続けていきたいと考えはじめたインタビューになりました。これからの岡野さんの活躍に乞うご期待です!