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起業時の資金調達の方法は大きく分けて3つ
「たこ焼きが1個1,000円で売れる」という世の中になった時あなたならどうしますか?
たこ焼き器、調理道具、具材などを揃えて早速商売を始めようと思うはずです。
しかし貯金は2,000円しかない。商売を始めるには10,000円が必要。まずは資金が必要なことに気づきます。そうなった時どう資金を集めますか?
基本的な方法としては以下があげられるでしょう。
- 時計を売って10,000円現金化する
- 親に10,000円借りる
- お金持ちにたこ焼き商売の利益をシェアする約束をして10,000円借りる
このロジックが起業時の資金調達に当てはまります。難しい言葉を使って、
- 資産の現金化「アセットファイナンス」
- 借金をする「デット・ファイナンス」
- 株式を譲渡して出資してもらう「エクイティ・ファイナンス」
と呼んでいます。それぞれ詳しく解説していきます。
資金調達方法①アセットファイナンス
アセットファイナンスは簡単にいうと外部からの援助を受けず「自分の資本でどうにかする」ということです。先程の例で挙げた通り、自分の持ち物で価値がありそうなものを売却して現金化し、その現金を会社の資金にします。持ち家や車を売り払う場合が多いです。
「家や車を売り払ってしまうと生活できないのでは?」
という疑問が浮かぶと思います。そのリスクを回避するのが「セール&リースバック」です。セール&リースバックとは、一度持ち家や車、機械などの資産を売却して、自分でリースとして借りて使用することです。毎月のリース料はかかりますが一度に現金を得て且つ、同じ生活ができる方法です。
アセットファイナンスのメリット
自己解決できる唯一の資金調達方法でスピード感をもって実施することができます。使われていない機械製品や誰も利用していない土地などがある場合は独断で売却して現金化することができます。外部からの負債を受けないのでリスクがないことも大きなメリットです。
アセットファイナンスのデメリット
多くの人が会社経営に必要な分の資産を持っていないのが普通です。自己資産でどうにかしようと貯金をしてから起業しようと考えてしまいます。それだと機会損失をしてしまうことになります。ビジネスアイデアがうまくいくか否かはタイミングが重要です。事業を始めるまでに時間がかかるという理由でポジションにおけるチャンスを失うことが最大のデメリットです。
資金調達方法②デット・ファイナンス
デット・ファイナンスは「返さなければいけないお金」です。資金を貸してくれる機関としては「公的融資」「銀行融資」「ビジネスローン」「手形割引」「社債」「売掛債権担保路融資」などが代表的です。その中でも最もメジャーなのは銀行融資です。個人で融資の審査を受けることができるので本当に信頼があり将来性がある場合は会社を持つ前に融資を受けることも可能です。
デット・ファイナンスのメリット
銀行から融資を受けると税金を抑えることができます。利息の支払いが、税務上「損金」として処理され、会社の利益が損金分少なくなるため、節税効果に繋がります。
また銀行は日本中にあるので資金の調達先が多いこともメリットです。銀行にも様々なタイプがあるので状況に合った調達先を選択し、効率よく資金調達することができます。
デット・ファイナンスのデメリット
ベンチャーからすると難易度が高いのが一番のデメリットです。融資をする側もビジネスがうまくいかなかった場合の貸し倒れリスクがあるのでビジネスモデルやPL(損益計算書)に非常にシビアです。どうしても初動の安定性にかけるゼロイチのベンチャーには難しいのが現状です。一度エクイティファイナンスに成功した場合は可能性が高いです。
資金調達方法③エクイティ・ファイナンス
エクイティ・ファイナンスは簡単にいうと「出資者に会社の保有権を付与する代わりに資金をもらう」ということです。株式を譲渡することにより決定権などが生まれ会社の運営に関わることができます。事業の期待値や魅力で資金を調達することができるので今のスタートアップとしては主流になってきています。ガイアックス・スタートアップスタジオもエクイティファイナンス方式で出資をしています。
エクイティ・ファイナンスのメリット
エクイティ・ファイナンスの一番のメリットは出資をする側のリソースを活用できることです。エクイティ・ファイナンスで出資をするのは(1)企業、(2)他社にも投資を行っているエンジェル投資家、(3)ベンチャーキャピタル が代表的です。これらの投資家は企業経営のノウハウやコミュニティを保有しています。そういったリソースを活用できることは資源に限界があるベンチャーにとって非常に利益があります。
エクイティ・ファイナンスのデメリット
自社の株式を譲渡するので「100%自分の会社ではない」状態になります。投資家と方向性に相違が生じると自分の思っている事業展開ができないことがありあす。しかし、出資を受ける際にしっかりと話合いを重ねて信頼関係を築きあげることでそういった心配は解消できます。
本記事では多くの起業家が活用するエクイティ・ファイナンスの実態について深く解説していきます。ガイアックス・スタートアップスタジオの責任者、佐々木さんに資金調達について気をつけるポイント等をお話ししていただきます。
佐々木 喜徳
技術本部 本部長
スタートアップスタジオ 事業部長
組み込みOS開発やテクニカルサポート業務の経験を活かし、個人事業主として独立。 その後、フィールドエンジニアリング会社の役員経て2007年からガイアックスに参画。 技術部門の管理職と新規事業開発の経験を経てスタートアップスタジオ責任者に就任し起業家創出と投資判断を担当。また兼任で技術本部長として、ガイアックスで生まれるスタートアップの技術支援や組織のエンジニアリングの戦略に取り組んでいる。
ガイアックス・スタートアップスタジオの出資基準
廣渡:スタートアップスタジオの責任者として今まで様々な出資判断をされてきたと思います。ガイアックスが出資を決めるポイントがあれば教えて下さい。
佐々木:はい、基準というものはなく「良い事業アイデアは基本サポートしていく姿勢」ということ前提にお話しすると、ニッチでも良いので新しい独自価値を提供するような期待値と魅力が高い事業アイデアを積極的にサポートしています。
廣渡:既存ビジネスをブラッシュアップした事業はどうですか?
佐々木:既存ビジネスを模範したフォロワーサービスの期待値は低いです。すでに出来上がっている事業はビジネスモデルの方程式が出来上がっている為、Jカーブの成長が描きづらいからです。
廣渡:Jカーブとは初期は利益も求めず、コツコツ開発を進めてある一定期間から爆発的な成長率を出す事業モデルのことですね。グノシーは初期にユーザー獲得の為に10億超えの赤字を出してから急成長した「潜った」事業の一つですね。
佐々木:エクイティ・ファイナンス方式で出資する立場からするとキャピタルゲインを得ることが一番の目的です。コツコツと積み上げていくスモールビジネスとは異なり、革命的なアイデアでなければ爆発的な成長はありません。
廣渡:出資する際の将来的な価値の基準などはありますか?
佐々木:基本はIPO規模が水準です。具体的な数値だと売上高は100億円ほどです。もちろんマーケットによって上場基準が変動します。シェアリングエコノミー領域やCtoCビジネスだと30から50億円で上場できます。
廣渡:なるほど、最近ではシェアリングエコノミービジネスのスペースマーケットが上場しましたね。他にも出資者目線で重要視していることはありますか?
佐々木:やはり僕ら出資者側が得意としているジャンルのビジネスモデルだとサポートしやすいのはあります。ガイアックスだと、それこそシェアリングエコノミーやSNSマーケティング事業、その他企業相手のB向け事業を得意としています。
廣渡:ガイアックスが今まで培ってきたノウハウやリソースを活用できるということですよね。右も左も分からないスタートアップからしたらガイアックスから出資を受けるのは大変メリットだと感じます。
佐々木:そうですね。資金のサポートに留まらず、新規事業立ち上げのプロフェッショナルで構成されたスタートアップスタジオでマーケティングやプロダクト開発など全面的に援助していきます。そもそもゼロイチのフェーズだとファウンダー自ら事業検証に集中できる環境も必要で、経理や財務、労務、法務など経営の足回りとして必要な管理部機能も提供しています。
廣渡:もし今記事を読んでいる方で少しでもエクイティ・ファイナンスに興味があればガイアックス・スタートアップスタジオが実施している無料相談会「STARTUP CAFE」に応募してみてください。
資金調達の相談なら、事業アイデア相談会「STARTUP CAFE」
人と人をつなげる事業で社会に大きなインパクトを与えるスタートアップを共創するガイアックスのスタートアップスタジオでは、ビジネスアイディアの相談を実施しています。
オンラインで事業相談を実施し、優れた事業案には200万円の出資を行っています。
出資だけでなく、事業開発・エンジニアリング・バックオフィスの支援も行うことにより、初めての起業でも、数十回の経験を経てきたスタートアップスタジオメンバーのノウハウの元、事業活動に取り組むことができます。
相談者の年齢関係なく、暖かく相談にのってくれるので気軽に問い合わせをしてみてください。
起業時の資金調達で気をつけるべきポイント
廣渡:これから資金調達を行おうと考えている読者に向けて注意しておいくべき要項があれば教えてください。
佐々木:まずスタートアップにとっての資金の運用方法を理解することが重要です。資金の運用先は大きく3つあります。(1)事業をつくるための運転コスト、(2)プロダクト開発コスト、(3)広告・マーケティングコスト です。これらのコストを効率的に活用するためのアドバイス、手法や業界知識、同じ経営目線で考えてもらえる仲間として出資者は選別できるかが重要です。
廣渡:なるほど、資金を集めて終わりではなく、資金運用の際にどこまで出資先を利用できるかまで考えるべきですね。
佐々木:はい、ステークホルダーだけでなく仲間として一緒に手を組めるかが重要です。個人的な感覚ですが、「資金調達は仲間集め」と思っています。
廣渡:資金を頂く立場からすると多くの要求は出来ず下手に出てしまいがちですが、それ程のスタンスでいていいのですね。
佐々木:出資先からしても使えるリソースは遠慮なく使ってもらって成長してくれた方が嬉しいので要求することに罪悪感を感じることは一切ありません。
廣渡:エクイティ・ファイナンスの場合譲渡する株式比率の問題がありますが、評価額はどうやって決まるのですか?
佐々木:結論からいうとゼロイチのベンチャーの評価額は決めようがないです。そもそも今までにない事を始めるので基準にするものが明確ではないからです。だからこそ調達者の「人」に将来性を感じて投資をします。その上で事業を伸ばしていく為の時間やコストを考えた上で経済合理的な交渉を行っています。
廣渡:なるほどですね、調達側としては事業がうまくいくことが先決なので、活用できるリソースを精査した上で一番成功確率が高そうな投資家に出資してもうらのが一番ですね。
佐々木;はい、比率に関しては何が正しいということは存在しないので、出資者と調達者の納得度が一番大切です。
廣渡:「資金調達は仲間集め」ですからね!笑 佐々木さんのようなフランクな出資者だと調達側もストレスフリーでコミットできそうです。本日はお時間いただきありがとうございました。
佐々木:ありがとうございました!
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