DAO(自律分散型組織)の立ち上げや運営において、既存の世にあるツールは必要不可欠な存在となっています。本記事では、そのようなDAO組成に欠かせないツールについて、特徴や使用シーンを踏まえた上で紹介していきます。これからDAOを始めたい方や、既存のDAOをより効果的に運営していきたい方は、本記事を参考にしていただけると幸いです。
なお、ガイアックスではDAOの立ち上げと参加者のコミュニティ運営をたったの1ツールだけで始めることができるDAOX(ダオエックス)をご提供しています。
通常DAOの構築にはNFT発行〜資金管理、投票、チャットなど機能ごとにツールが必要ですが、DAOXではこれらをワンストップで実装できます。DAOの立ち上げを最短で進み、本来注力すべき企画とコミュニティ運営に注力したい場合はぜひご活用ください。
仕組み上、DAOの組成にはツールが必須
DAO(自律分散型組織)は、株式会社における経営者と従業員のようなトップダウンの組織形態ではなく、共通のミッションにしたがって各自が役割を分担し、システムを通して対等に意思決定を行、それぞれの成果に応じて報酬分配を行う組織形態をとります。
トップダウンで取り仕切る権限をもつオーナーが不在になるため、ブロックチェーンをはじめとするツールがインフラとなります。そのため、機能ごとにツールが必要となり、最適なツールを導入しようとするとかなり多くのツールを導入する必要が出てきます。
まずは、DAOの立ち上げにおいて一般的に使われているツールをご紹介します。
DAOの組成に使われる一般的なツール
まずはこちらをご覧ください。
DAOは、一般的に次のような仕組みで構築されます。
OpenSea
DAOはコミュニティであり、ミッションに賛同する方が外部から自由に参加できる組織形態となっています。そのため、DAOメンバーとそうではない外部の方を区別する入口が必要で、ブロックチェーン上で容易にその識別ができる「NFTの購入」をコミュニティ参加の入口とすることが多いです。
OpenSea(オープンシー)は、NFTを売買できるプラットフォーム(=NFTマーケットプレイス)の代表例です。NFT化されたデジタルデータ(DAOの参加券など)の売買ができます。OpenSeaでは、デジタルアートやゲームアイテムなど多種多様なNFTを取り扱っており、後述するウォレットを接続するだけでNFTの作成や売買が可能です。
MetaMask
MetaMask(メタマスク)とは、イーサリアム系のトークンを保管することができる暗号資産のウォレットです。DAOにおいては、IDカードのような役割で、本人確認と資金・トークンの送受信に使われます。MetaMaskでは、ただ単に暗号資産を保管するだけでなく、多くのNFTサービスと連携することができるのも魅力的です。
このツールは、先ほど紹介したOpenSeaと連携することで、DAOメンバーがOpenSea上で購入したNFTを管理するために使うことができます。
Discord
Discordはチャットや音声通話をすることができるサービスで、既存のDAOメンバーに向けたクローズドなコミュニティを構築できるツールとなっています。
NFTを購入したDAOの参加者は、アドレスの認証を受け、Discordに招待されることで、コミュニティに参加できます。参加したDAOメンバーは、Discordを通してオンライン上でコミュニケーションを取り、DAOプロジェクトの運営に参加することが可能です。
なお、プロジェクトの告知やNFTの販売、メンバー集めなどはオープンなSNSであるX(旧:Twitter)が有効的なため、Discordとあわせて活用していきましょう。集客面ではオープンなSNSであるXを利用し、コミュニティ内でのクローズドなやり取りはDiscordで実施するという使い分けが重要となってきます。
このDAOのコミュニティ構築に欠かせないDiscordの重要性や立ち上げ方については、「DAOコミュニティ運営の鍵となるDiscord運営のコツは?」にてまとめているので、DAOのコミュニティ形成にお役立てください。
Collab. Land
Collab. Landとは、先ほど紹介したDiscordと連携することで、特定のDiscordチャンネルへのアクセス制限をNFT認証に基づいて設定することができるツールです。
このツールにより、NFT認証のみでDAOのメンバーシップを管理することができます。
Snapshot
Snapshotとは、オープンソースの分散型投票システムで、DAOとしての意思決定を行うことができるツールです。DiscordとCollab. Landを活用してDAOメンバーしか参加できない意思決定チャンネルを構築し、そのチャンネル内の参加者でSnapshotを通して投票が行われ、DAOプロジェクトの方向性が決定されていきます。
Snapshotの大きな特徴は、提案の作成や投票にブロックチェーンは使われず、ガス代をかけずに提案・投票ができる点です。これによりメンバーはコストを気にせず、積極的に意思決定に参加することができます。
このツールの詳細や仕組みについては、「Snapshot(スナップショット)– DAOで活用が進む分散型投票システム」にて解説しているので、あわせて参考にしていただけると幸いです。
Aragon
Aragonとは、プログラミングやブロックチェーンの専門知識がなくても、DAOを作成・運営することができる英語圏のツールです。このツールでは、DAO内での意思決定権を付与するガバナンストークンの発行と投票システムの作成、資金管理といった機能を備えています。
なお、「自律分散型組織(DAO)の作成・運用を支援するAragon」の記事にて、Aragonの詳細や利用事例について解説しているため、あわせて参考にしてください。
Juicebox
DAOでメンバーと一緒に社会的インパクトのある活動をしていくためには資金が必要です。また、調達した資金を誰かが勝手に使わないように複数人が管理するウォレットが必要となってきます。
その資金調達・管理を行うツールとしてJuiceboxが有名です。Juiceboxでは、DAOプロジェクトに資金を提供する支持者が、イーサリアムで投資を行うことができます。イーサリアムで投資した支持者は、支持したDAOに対応するガバナンストークンを受け取り、プロジェクトへの投票権や将来的な報酬などを獲得することができるという仕組みとなっています。
また、複数人で管理するウォレットが利用できるため、資金の透明性とセキュリティを担保できます。
Yearn
組織を自律的に運営していくために、プロジェクトへの貢献度や報酬は念密に設定・管理していく必要があります。特に、DAOは初めてつながる個人同士が関わりあって運営されるため、同じ目的を持つとはいえインセンティブ設計は重要になってきます。
このプロジェクトのタスク管理や貢献度管理、インセンティブ設計を行うツールとしてYearnが有名です。Yearnは、DAOの参加者がプロジェクトにおけるどのタスクに注力しているかを可視化することができ、プロジェクトへの貢献度に基づいて報酬を配分できるツールとなっています。
ツールを組み合わせてDAOを作るのは難易度が高い
ここまでお読みいただいたご担当者の方にはもうお分かりかと思いますが、ツールを組み合わせてDAOを構築するのは難易度が高いです。
何のツールを使えばいいのかは先述した通りですが、各ツールの使い方を自分たちだけでなく参加者にも伝えなければならず、web3ツールに慣れていない方には大きなハードルになるでしょう。
創設者たちが何とかツールを組み合わせてDAOを成立させたとしても、参加希望者からしてみれば、
- ウォレットにどうやって仮想通貨を入れるんだ…
- ツールが英語で意味不明…
- 普段見ないツール、かつ分散してるから、チャットを確認するのを忘れそう…
などといった課題が山積みなのです。
DAOXを使うとDAOの構築と運用を一本化できる
そこで、DAOの入口となるNFT発行から予算管理、投票、チャットまで一つのプラットフォームで完結できるDAOX(ダオエックス)を提供しています。
このツールを使うことで、覚えるのはたった1つのプラットフォームだけでよくなり、web3ツールに慣れていない一般の方々でもコミュニティ内での活動に集中できます。
DAO創設メンバーにおいても、ツールの使い方を説明するノンコア業務に時間を取られず、本来目的としている活動に注力できるでしょう。これは、多くのDAOがコミュニティを作ってみたものの、高いツールのハードルで失敗してきたことへの解決策となるはずです。
NFT購入までのハードルが圧倒的に低い
また、クレジットカードでのNFT購入決済も可能としていますので、ウォレット作成のハードルも大幅にカットしています。
DAOX内でNFTやネットワークを自由に設定できるため、画像データの登録後すぐのNFT販売が可能です。
さらに、NFT購入時にDAOXが自動でSNSアカウントを通して個人ウォレットを生成し、ウォレットにNFTを送付できます。NFT購入者は、複雑な登録や紐付けを一切せず、すぐにDAOメンバーとして活動が可能です。
プラットフォーム上で報酬付与が可能
DAOXには、各自の作業達成状況を確認するタスク機能があります。
タスク管理画面にて、報酬となるリワードトークンの送受信が簡単に可能です。DAOは自由な組織で命令では動きません。そのためメンバーの自主性が鍵となりますが、インセンティブの可視化により、コミュニティの活性化を図れます。
コミュニティの全体像を可視化できるダッシュボード
DAOXにはダッシュボードがあり、この画面でNFTの売上やメンバーの投稿数、主体的なメンバーのアクション数などを網羅的に一元管理できます。
また、独自開発のエキサイトメント数値により、コミュニティの活性度を一目で把握することができます。
自分たちが運営するDAOがどれほど活発なのかを客観的に分析でき、コミュニティ改善の施策も検討しやすいです。
なお、コミュニティ運営に悩んだ場合は、自治体や大手企業のDAO導入支援を日本でトップクラスに行なっているDAOX提供のガイアックスがご支援いたします。
その他、DAOに必要な全ての機能を網羅
その他、チャット・掲示板ページから新規投票案をシームレスに作成可能であったり、投票結果を改竄不可能なブロックチェーン上のストレージ(IPFS)に保存することで透明性を担保できる機能やNFTホルダー限定のチャット・掲示板も作成可能です。
日本製のツールで、日本人が使いやすいUIUXで開発したため、抵抗感なく利用できるでしょう。
手厚いサポートと導入事例
DAOXはすでに企業で導入されており、「DAOXで社会貢献と報酬獲得の両立を実現」のように利用者インタビューも公開しています。
DAOで本当に必要な機能が過不足なく揃っている点が魅力的でした。何より、DAOに登録するだけで全ての機能が使えるというシンプルなインターフェースは、技術的に難しい操作を不要にしてくれます。
これまでDAOの導入に躊躇していた人たちにとって、その障壁を分かりやすく解決してくれるのがDAOXだと感じました。
(オービタル コラボレーションズ株式会社 代表取締役社長 平尾 健二様)
DAOX自体の利用とは別プランにはなりますが、「DAO企画・構築フェーズ支援」といったDAO立ち上げのためのコンサルがあり、既に立ち上げているDAOのノウハウを生かしながら実証していくこともできます。必要に応じて相談できるので安心です。
ツールを活用して、円滑にDAOを立ち上げよう
本記事では、DAOの立ち上げを目指した際に欠かせないツールをご紹介しました。
海外ではweb3に精通した方々を中心にOpenSeaやmetamask、Discordをはじめとするツールの組み合わせ型でDAOを構築するのが一般的でした(DAO専用ツールがなかったのもあります)。ですが、日本で現実的に一般の方々も利用して普及させていくことを考えると、大きなハードルがあることは間違いありません。自社の目的に応じて、最適な形でDAOを構築いただけますと幸いです。これまで多くのDAO組成を支援してきましたが、注力すべきはDAOの設計とメンバーの自主性を引き出すコミュニティ運用です。DAOX(ダオエックス)を活用いただき、スムーズにDAO組成いただければと思います。
また、この記事を公開しているガイアックスでは、DAOの立ち上げを支援しています。DAO型シェアハウスの運営や複数自治体の連合によるDAOの立ち上げなどの実績がありますので、同様のDAO組成に興味があるご担当者様は、下記の詳細をご確認ください。