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|イベントレポート|マネージャーがコーチング型アプローチを学ぶべき理由〜「部下の可能性を潰してしまう12の聴き方」とは〜

最終更新: 2023年11月9日

大きく時代が揺れ動く中で、組織をマネジメントする立場にある方々は、新たなマネジメントスタイルを模索する機会も増えているのではないでしょうか。
今回のイベントでは、「人の可能性を潰してしまう12の聴き方」を提唱した(株)はぐくむの小寺さんをお招きして、これからの時代に求められる聴き方やコミュニケーションについてお話いただきました。モデレーターは、株式会社ガイアックスの社内コーチ(*1)である荒井智子が担当しました。
* 1:コーチング(社内コーチ)とは、相手の話に耳を傾け質問を重ねることにより、相手の潜在的にある想いや答えを引き出し、目標達成に向け行動変容を促すためのサポートです。

takeshi.kodera

■登壇者プロフィール
株式会社はぐくむ 代表取締役社長 小寺 毅さん
株式会社はぐくむにて、脱・ヒエラルキー、脱・指示命令コントロール型の組織を目指す方々を対象にした経営コンサルティング事業を展開。支援実績としては、Uber、DeNA、ガイアックスなど。 コーチとしては2006年から活動。現在は企業の社長や幹部を対象に1on1コーチングを実施している。コーチング研修の講師も務めている。 書籍『奇跡の経営』で知られ、『ティール』でも触れられているブラジルのセムコ社が、自社の経営スタイルを広めるために運営している「セムコスタイル・インスティチュート」。その組織の中で、日本には数人しかいない公式コンサルタントも務めている。

コーチング的アプローチが求められる理由

(荒井)改めて小寺さんにお聞きしたいのですが、なぜ組織の中で、コーチング的アプローチが求められているのでしょうか?
(小寺)今までは、組織の中では指示命令のマネジメントでことが足りてきました。しかし、あらゆることが多様化する中で「これをすればこうなる」と1つのやり方が決まっているのではなく、曖昧で複雑な状況で多種多様なアプローチを取る必要が出てきたのです。このような時代に突入すると、必ずしも上司が答えを持っている訳ではなくなっていきます。コーチング的なアプローチでは、答えを押し付けるのではなく、その人の中にある答えを一緒に見つけていくことを大事にしています。答えがわからない時代だからこそ、組織や周囲の人たちが答えを引き出そうとしていかないと、マネジメントがうまくいかないんです。
(荒井)なぜ「聴き方」が大事になってくるのでしょうか?
(小寺)聴き方次第で、相手が話したいかどうかが決まってくると考えています。北風と太陽のたとえを使うと、北風のように接していると、必要以上に話したくなくなるんです。話し手の意欲を促進するためにも、太陽のように相手自身が話したくなる「土壌」を作ることが大切。だから、聴き方が大事なんです。

takeshi.kodera
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12の聴き方

この後は、小寺さんから「人の可能性を潰してしまう12の聴き方」についてレクチャーしていただきました。

12の聴き方

(荒井)仕事をしている時ほど、「12の聴き方」に該当するようなコミュニケーションが起こりやすいと思います。その時のチームはどういった状況になっている傾向がありそうでしょうか?
(小寺)チームや上司が成果を急いでいる時に、そのようなコミュニケーションが増えることが考えられます。はぐくむでは、これを最短最速思考とも言っています。成果を最短最速で出すことに関係がないことは無駄だと思って、価値がなさそうなことには見向きをしなくなる。特に上司に心理的なゆとりがないと、「12の聴き方」に該当するような状況に陥る傾向があると思います。
(荒井)とはいえ、仕事はスピードも大事な時があると思います。最短最速思考から脱却することは難しいように感じるのですか、どうすれば脱却できるのでしょうか?
(小寺)個人、上司、経営という点で観点が変わってきます。経営の利益という観点だと、短期的な利益か中長期的な利益の2つがあると思いますが、短期的な利益においては、最短最速思考の方が利益を出しやすいんじゃないかと感じています。最短最速思考で行きたい人たちにとっては、12の聴き方は罠でもなんでもない。あくまで世界観が違うだけです。
一方で、中長期的なスパンで持続的に利益を出していくとなると、指示命令的な組織では、バラバラと人が抜けて定着しないチームになっていくかと思います。それゆえ、関係性という資本がチームに残らなくなってしまいます。もし中長期的な観点で関係性という資本を残すのであれば、人に投資するのはコストではなくなります。
(荒井)何を成果とするか、が重要になるわけですね。

ライター:宇田川寛和

ライター編集後記

今回のイベントでは、「人の可能性を潰してしまう12の聴き方」をもとに、組織における「聴き方」のコツと、コーチング的なコミュニケーションを導入していく上での考え方についてお聞きしました。
「人の可能性を潰してしまう12の聴き方」のレクチャーの後は、参加者のチャット上でも「やりがちだな、、、」という声がチラホラ上がりました。実際にコミュニケーションをとっている時は、これらの聴き方をしてしまうことに気づかつきにくいですよね。私自身も、「停滞の罠」の「またこの話か」と思いながらコミュニケーションをとりがちだと気がつきました。チクリと針をさされたような気分でした、、、
小寺さんのお話の中でも、北風と太陽のたとえ話がとてもユニークだと感じました。小さなことでも拾ってくれる相手だと、自然と思っていることを言いやすくなるような感覚は、職場だけでなく、どんな環境でも感じています。表情やアイコンタクトといった身体的なことも含めて「話を聴きたいと思っています」というメッセージを相手に伝えることが大切だと思っています。
参加者の方にはフリーランスとして短期的なプロジェクトで働いている方々もいて、必ずしも「脱最短最速思考でが良い」というわけではないかもしれないといった話に発展しました。チームとして立ち止まって「何を成果とするのか?」と問いかけてみると、コミュニケーションの取り方を変えるきっかけになるのかもしれません。
今回のイベントでは、組織のあり方について実際のコミュニケーションの「人の可能性を潰してしまう12の聴き方」という観点から見直す時間となりました。私自身も、12の聴き方について今までに何度かお話を伺ったことがありましたが、毎回違った観点で気付きが生まれます。「なんでその聴き方をしてしまうんだろう?」と自分を見つめてみたり
定期的にチームメンバーと一緒に「12の聴き方」をチェックしてみて、メンバー間のコミュニケーションの取り方を見直したりしてはいかがでしょうか。

10/28(水) 社内コーチの先駆者をゲストにお招きし、イベントを開催します

Kohei.Tsunashima

サイボウズ株式会社の綱嶋航平(つなしま・こうへい)さんをゲストにお招きして、コーチング講座導入の実現や導入後の変化についてお話しいただきます。社内でコーチング文化を浸透させていくにはどうすればいいか、対話を通してみなさんと一緒に考えていきます。
■イベント名
「チームワーク」を真剣に考える会社で、コーチング文化を取り込んでいく(ゲスト:サイボウズ株式会社 綱嶋航平さん)
■日時
2020年10月28日(水) 19:30〜21:30
■会場
オンラインイベント
*zoomを使用します
■参加費
無料
*イベント開催後、1週間視聴いただける録画チケットもご用意しております。
■登壇者
<ゲスト>
サイボウズ会社 綱嶋 航平さん
■こんな方におすすめのイベントです
・すでに社内コーチとして活動している方
・これから社内コーチとして活動したい方
・社内にコーチングを導入したいと考えている方
・自律的な組織運営に興味をお持ちの方
■主催
株式会社ガイアックス 社内コーチチーム
■お問い合わせ
info@tinypeace.jp

イベント詳細・お申し込み

荒井 智子
2013年4月にガイアックスに入社し、2年間法人営業・海外営業、社長室立ち上げなどを経て、2015年に「働く人の心と身体を健康にしたい!」と会社に訴え、社内でケータリング型社員食堂をスタートし、2017年にtiny peace kitchenとして事業化。2020年に社内コーチプロジェクトを発足し、2022年にブランド&カルチャー推進室の責任者に就任。
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