今回インタビューしたのは荒巻陽佑(あらまき ようすけ)さん。
もともと文系の学生だった荒巻さんは、ビットコインをきっかけにブロックチェーンに興味を持ち、エンジニアを目指しはじめました。
プログラミングスクールや独学で技術を身につけ、2021年には新卒2年目にしてブロックチェーンにまつわる書籍を出版。2022年1月からは、ブロックチェーン上で日本円に連動するプリペイド型のデジタルコインを発行しているJPYC株式会社でCTOとして働いています。
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今回の記事では、荒巻さんがガイアックスで経験したことや、CTOとして意識されていることなどについてお届けします!
荒巻 陽佑
開発部・ブロックチェーン研究開発エンジニア
2019年3月からブロックチェーン研究開発インターンとしてガイアックスに入社。エンジニア未経験ながらもブロックチェーンのOSS開発。2020年2月からはガイアックスの出資先であるADDressのマーケティングツール導入支援を行う。2020年4月から開発部に新卒として入社し、2022年1月よりJPYC株式会社のCTOに就任。
ガイアックスではオンライン会社説明会にて、ガイアックスメンバーに直接疑問をぶつけることができます。「採用に興味がある」や「ガイアックスってどんな会社だろう?」と思った方は、以下よりご確認ください。
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アウトプットで成長を加速させる。努力で切り拓いたエンジニアへの扉
ーーガイアックスとの出会いについて教えてください。
ガイアックスを知ったのは、エンジニアのインターンを探していたときでした。
僕はもともと経済学部の出身なのですが、「エンジニアっていいな」という軽い気持ちから、エンジニアを目指すようになったんです。スクールに通ってプログラミングを学んだり、ハッカソンに参加してみたり、自分なりにエンジニアになるための行動を積み重ねていました。
とはいえ、文系の学生にはエンジニアのインターンはハードルが高く、wantedlyで数十社受けてもほとんど落ちてしまって……。そのなかで受かった会社が、ガイアックスでした。
当時のガイアックスはブロックチェーンに注力していくタイミングで、これから技術を身につけて一緒にブロックチェーンを盛り上げていける人を募集していました。
僕はエンジニアとしての経験はありませんでしたが、「ガイアックスのカルチャーと合っていそうだ」ということで採用していただき、本当に運が良かったなと思っています。
ーーインターン時代にはどのような業務を経験されましたか?
チェックインのアプリや、ERC721(*1)を使ったリファレンスの仕組みをつくりました。そのほかにも、仮想通貨「Libra(リブラ)」を決済手段としたマーケットプレイスアプリケーションのプロトタイプ「FLIBRA(フリブラ)」をつくっていましたね。
(*1)Ethereum Request for Commentsの略であり、イーサリアム上で行われる開発やトークンなどの共通規格のこと。
インターンをはじめる前からブロックチェーンに注力していきたいという想いがあり、Dapps(*2)開発を自分で1から勉強していて。インターンとして入社した後は、それまで自分で勉強していたものを形にすることができました。
(*2)分散型アプリケーション(Decentralized Applications)のことで、ブロックチェーンの仕組みを利用した非中央集権型のアプリケーションのこと。
ーーブロックチェーン業界は変化のスピードが早いですが、どのように情報を得ていますか?
Twitterやメルマガなどの2次ソースが主ですね。
面白いと思ったものはメモしておいて、さらに学びたいと思ったものは公式のドキュメントや1次ソースを見てしっかりと理解を深めています。
また、基本的には1人でコツコツと勉強していますが、誰かにアウトプットすることが大切だなと思っているので、公の場にアウトプットすることを習慣にしています。自分自身の学びが深まるのはもちろん、アウトプットを通じてブロックチェーン界隈の人とも新たにつながることができるため、、現在も積極的に発信していくことを心がけています。
ガイアックス時代も、学んだことはTwitterで発信したり、ガイアックスが運営するブロックチェーン情報サイト「Blockchain Biz」で記事にしていました。
ーーガイアックスでは、インターンと社員を経験されていますが、それぞれの働き方に違いはありましたか?
任される業務や得られる経験に違いは感じませんでした。
以前にほかの企業でインターンをしていたときには、インターンと社員で業務がはっきりと区別されていましたが、ガイアックスではいい意味で立場の違いを感じることはなかったですね。
見方を変えると、ガイアックスではすべての業務において自分自身が責任を持つ必要がある環境だとも言えます。
そこがガイアックスのユニークなところだと思いますし、そうした特徴を持つガイアックスでの業務を通じて、自分で物事を進める力が鍛えられたように感じています。
「文系出身」はハンデじゃない。変化の激しい業界で重要なのは素早いインプット
ーーどのような経緯でJPYC株式会社のCTOに就任されたのでしょうか?
JPYCの組織体制を整えるにあたり、CTOの打診をいただいたことがきっかけです。
最初は「自分にCTOが務まるのだろうか」という不安がありました。なぜなら、僕はチームのアウトプットは組織の上位層の能力や考え方によって良くも悪くも変わるという考え方を持っていたからです。
でも、CTOとして挑戦できる機会がこの先に何度もあるとは限らないですし、いい機会だとポジティブに捉えて引き受けることにしました。
CTOに就任してからは、CTOチームをつくってブロックチェーン関係の研究開発やリサーチを通じた新規事業の開発に取り組みつつ、チームのアウトプットを最大限引き出せるように努力しています。
ーーCTOとして、どのようなことを意識していますか?
「チーム全体で強くなること」と「俯瞰的に物事を捉えること」を意識しています。
JPYCには、さまざまな得意分野を持った方が数多く所属しています。そのため、これからの組織づくりを考えると、一人ひとりの知識を個人のなかだけに留めず、それぞれがお互いのノウハウを共有し、極限まで属人化をなくす工夫が欠かせません。
誰もが多くのノウハウを持てるようになることで、各メンバーがより責任感を持って業務にあたり、最終的に大きな達成感を得られるようになる。こうしたイメージでチーム全体を強くしていけるよう、CTOとして常にチーム内のナレッジシェアを意識しています。
また、会社が急成長するフェーズでは、次から次へとやるべきことが降ってきます。
その時に、目の前のタスクをただこなすのではなく、最新の技術や法規制の知識、市場動向などを含め、短期的な目線だけではなく長期的な目線でコストやリターンを考慮し、意思決定することが重要だと考えています。
ーー文系出身のエンジニアがブロックチェーンという新しい業界でCTOを務めるにあたり、難しさを感じることはありますか?
僕は、理系出身の方が学んでいるIT関連の基礎知識を体系的に学んでいないので、やはり難しさを感じる場面はあります。
ただ、ブロックチェーンと一口に言っても、その裏には数学、行動経済学、金融、暗号学などの幅広い知識が求められるので、文系で学んだ知識も実は活きやすくて。
また、動きの変化が激しい業界でもあるので、文系出身か理系出身かということよりも「いかに早く新しい知識をインプットするか」の方が重要だと感じています。
ーー最後に、ブロックチェーン業界に興味を持っている方へメッセージをお願いします。
現在のブロックチェーン業界は、かつてのインターネット黎明期に近いと言われています。
このタイミングでブロックチェーン業界に関われることはまたとないチャンスですし、いまから飛び込んでも決して遅くはありません。
一方で、これから成長していく業界だからこそ、法的な整備がまだ整っていなかったり、1ヶ月前まで使っていた技術が使えなくなったりと、カオスな状況がまだまだ続く分野でもあります。
それでも、新しい技術がいままさに発展しようとしているタイミングで、その場面に立ち会えることは人生において多くはありません。このようなチャンスとカオスが混在する状況だからこそ、先の読めない状況を楽しめる方や知的好奇心が旺盛な方であれば、価値ある挑戦ができる環境だと感じています。ご興味のある方は、ぜひブロックチェーン業界の扉を叩いてみてください!
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