事業拡大に向けた取り組みの方法にはアクセラレーターがあり、大手企業とベンチャー企業が協力して活動に取り組めます。
お互いの強みや弱点をカバーできるメリットがあるため、これから新しく事業を拡大したいと考える方の参考にできる内容です。
今回はアクセラレーターとは何か、企業が導入するメリットと事例を解説します。これから事業活動を拡大させたいと考える企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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アクセラレーターとは?
加速させるものの意味があるアクセラレーターは、大手企業とベンチャー企業(スタートアップ企業)が協力して新しい事業を始めるアクセラレーター・プログラムに関わる言葉です。
大手企業の資金力やノウハウをベンチャー企業に提供しながら、対等な関係性でビジネスモデルを構築できるメリットがあります。
一から新しい事業活動を始めるのは大手企業にとってはリスクが大きく行動が取りづらいこと、ベンチャー企業は勢いのある行動ができる反面資金に悩むデメリットがありますが、両方を補う形で実施できるところが魅力です。
期間を決めて事業拡大に取り組む
アクセラレーターの取り組みは、基本的に短期間で事業拡大に向けた行動を取ることが一般的です。
企業の事業内容に関わるアイデアや仕組みづくりの土台があるシード期以降を中心に、事業を拡大したいベンチャー企業やスタートアップ企業などに働きかけます。
ベンチャー企業やスタートアップ企業にとっては、自由が認められやすい進め方で取り組めるところが利点です。
短期間での成長が見込みやすい特徴があり、協力し合いながら取り組みを実践していきます。
企業同士のつながりや人脈が広がる
アクセラレーターの取り組みを活用することで、従来にはなかった企業同士のつながりができるところが利点です。
新しい人脈が広がれば、今後の事業活動を継続する上で重要なアイデアを思いつく機会や事業活動の拡大ができるチャンスが生まれやすくなります。
現状を打開するための重要な取り組みにつながるため、アクセラレーターの取り組みは新しいビジネスモデルを形にしたいときに有効活用できる方法です。
協力し合う企業のどちらにもメリットが大きいため、積極的に活用してほしい内容といえます。
インキュベーターについて
起業後から時間がたっていないスタートアップ企業を中心に、数年以上の長期間をかけてフォローに取り組む企業や団体はインキュベーターと呼ばれます。
すでに関係性のある信頼できる企業を対象にビジネスプランを模索しながら支援する流れです。アクセラレーターの取り組みに比べると、自由な行動を取れる範囲は狭まる点が特徴です。
時間をかけてビジネスモデルの安定化を図れるため、スタートアップ企業にとっても支援を受けながら確実に成長できる魅力があります。
アクセラレーターの協力を得られる4つメリット
大手企業からベンチャー企業が協力を得られると、お互いにとっても大きな価値につながります。
アクセラレーターの協力を得られる4つメリットを見ていきましょう。
新しい事業のアイデアがもらえる
大手企業とベンチャー企業が協力し合うことで、事業を拡大させるアイデアが生まれて新しいビジネスモデルが展開できます。
アクセラレーターは公募の形でアイデアを集めるため、さまざまな企業とのやりとりが生まれてお互いにとっても刺激がもらえる内容です。
実現できるアイデアが提示できると、お互いの企業で相談し合って実践に向けた微調整を繰り返しながら最適な方法を実践できます。
資金を援助してもらえる
面白いアイデアを思いついたとしても、資金の調達ができていない状態では事業拡大が難しくなります。大手企業には安定的な資金力があり、資金調達の投資をする代わりに協力し合って事業活動に取り組めるところが魅力です。
大手企業にとっても、リスクを減らしながら新しい事業に参加できるメリットがあるため、資金の調達は経営を継続する上での投資につながります。
大手企業とベンチャー企業の強みを活かしたプランが立てられるところがアクセラレータープログラムの取り組みを実施するメリットです。
今後の方向性やアドバイスがもらえる
大手企業には成功や失敗を重ねてきたノウハウが蓄積されているので、ベンチャー企業が経営のノウハウを学ぶときの参考にできます。
事業内容の方向性を検討しながら、経験を活かした進め方で調整を繰り返せるので失敗のリスクを減らしながら進められるところも利点です。
利益を回収できる新しいビジネスモデルの実現に向けて、弱点を補いながら進められて短期間での成長が見込めます。
事業内容を広げられる
アクセラレーターの取り組みをベンチャー企業が活用できると、短期間での成長や資金調達が見込めて事業内容の拡大が早まるメリットがあります。
素晴らしいビジネスモデルを思いついた段階から市場に向けた展開が早まるため、周りの企業に遅れを取らずに進められるところも利点です。
事業拡大の方法にはさまざまな方法がありますが、アクセラレータープログラムを活用すると事業内容の拡大が早くなるメリットがあると押さえておきましょう。
アクセラレータープログラムの流れとは?
短期間を目安に事業拡大を目指す取り組みは、どのような流れで実施されるのか、アクセラレータープログラムの流れについて見ていきます。
事業内容のアイデアを募集する
新しいビジネスモデルの大元になる概要を公募にかけて、幅広い企業からアイデアを募ります。魅力的な内容の場合、公募する数が多く激戦になる場合も少なくありません。
アイデアが採用されるためには、マーケティングや市場調査を欠かさないようにしながら実現ができるプランや軸を示すことが重要です。
公募に採用されるとさまざまな支援やアドバイスが受けられるため、新しい事業活動を始めるときの大きな財産になります。
アイデアの採用を検討する
アクセラレータープログラムを成功させるためにも、公募のなかから最適なアイデアを選ぶことが重要です。
公募する側は説明会などを実施しながら、アイデアを提供する企業との書類や直接面接を繰り返しながら、お互いにとって支援できる内容かどうかを検討します。
新しいビジネスにつながるアイデアや企業の情報、資金投資による事業の成長が見込めるかどうかなど、さまざまな視点から判断して採用するアイデアを選ぶ流れです。
支援と実践に取り組む
公募の内容から採用するアイデアを選んだあとは、アクセラレーターの取り組みとして資金の調達やノウハウの提供を実施します。実際に成功経験のある起業家などのサポートやアドバイスも同時に受けながら、ビジネス拡大に向けた実験を小さくスタートする流れです。
成功者からの意見が聞けると具体的な行動に移しやすく、どのような成果が出せるのか短期間で把握できます。
成果の確認と調整を実施する
実際に市場での価値があるかを試して調整していき、成果の度合いを見ながら再度調整します。
アクセラレーターの取り組みは大手企業が実践する場合もありますが、仲介に専門の企業が入って実施する場合もあるため、全体の意見を参考にしながら成功に向けた道を模索する流れが必要です。
新しい事業活動に対する魅力度が高かったり、理念や情熱に共感できる内容だったりすると、さらに支援者を見つけて協力関係になれる場合もあります。
アクセラレーターの取り組みを成功させるには、社会貢献につながる思いと実現可能なプランを調整することが重要です。
アクセラレーターの取り組みに関する事例
国内では大手企業とベンチャー企業が協力して事業拡大に向けた取り組みが実施されています。アクセラレーターの取り組みに関する事例を見ていきましょう。
湯けむりアクセラレーションプログラム(YAP)の事例
大分県で活動するベンチャー企業や中小企業を応援する「湯けむりアクセラレーションプログラム」は、資金調達やメディアを通した宣伝、事業提携など、事業拡大に向けた支援を実施しています。
企業に対してメンターとしてアドバイスを実施したり、資金の援助や企業同士のマッチングをしたりするなど、全面的なバックアップをしているのが特徴です。
大分県で事業活動を通して地域を支援したい企業に向けて、イベントや合宿などの多様なイベントともに支援活動を実施している事例になります。
JR東日本スタートアップの事例
ベンチャー企業などからアイデアを募集して「JR東日本スタートアップ」は、社会貢献につながる活動の実現に向けた取り組みを実施しています。
JR東日本の鉄道や駅などの技術やノウハウを活かしながら、新しいアイデアと組み合わせて事業拡大を目指す流れです。
地域が活性化すると新しい雇用や人の流れが生まれやすくなり、経済がまわせる仕組みづくりにつながります。過去にさまざまな企業の採用事例があるため、これから事業活動を始めるベンチャー企業の方はアイデアを応募する機会にできる内容です。
アクセラレーターとは事業拡大が目指せる取り組み
アクセラレーターとは何か、企業が導入するメリットと事例を見てきました。
大手企業とベンチャー企業の強みを活かして協力しながら新しい事業を始める取り組みは、アクセラレータープログラムと呼ばれています。加速させるものの意味があるアクセラレーターは、名前のとおり事業拡大に向けた取り組みを短期間で成功に導ける方法として期待されている内容です。
ベンチャー企業は、大手企業の資金力でを支援しながら対等な関係性でビジネスモデルを構築できる魅力があります。アクセラレーターの取り組みは公募でアイデアを集めるため、人気のある内容では多くの応募者が殺到する点が特徴です。
これから新しい事業を始めたいベンチャー企業の方は、アクセラレーターの取り組みを活用すると事業拡大のスピード感を高められるメリットがあります。事業活動を続けるときの参考にしてみてください。