私たちガイアックスは、“使命で動く” というPhilosophy (経営哲学/企業理念) を持っています。使命で動くとは、世の中の課題を自分ごととして捉え、ビジョンや問題意識を打ち出し、ムーブメントを生み出すことで社会を巻き込み実現すること。そんなガイアックスメンバーの様子を連載で紹介していく「使命で動くシリーズ」をご覧ください!
今回インタビューしたのは、広報の高野比呂史(たかの・ひろし)さん。
広報・IR担当として、ガイアックスという会社と社会との関係性を築く高野さん。広報という仕事に行き着いた経緯や、広報という役割を通じて実現したい社会について語っていただきます。
高野 比呂史
広報・IR担当
「世の中に一石をたくさん投じる」をモットーに、世の中によりよい変化が起こるよう広報活動中。社会的意義のある方々の取り組みをサポート。PRSJ公認PRプランナー。
広報という役割を通じて世の中に一石を投じたい
ー 高野さんのお仕事について教えてください。
ガイアックスの広報とIR(Investor Relations)を担当しています。
広報の仕事には、一般的に事業広報と全社広報の2つがあります。まず1つ目の事業広報は、各事業部の新しい情報やサービスについてプレスリリースを書いてメディアの人たちに届け、読者の方の目に触れるような取り組みをすること。2つ目の全社広報は、会社の方向性や取り組みを伝えていくことで、社会における企業の立ち位置や世間から見た企業のイメージを醸成していきます。
IRの仕事は、株主様を中心に様々な投資家からのお問い合わせに対応したり、当社に関心を寄せていただいている金融機関の方々に対して説明したりと、ステークホルダーの方々との関係性を築く役割を担っています。
ー 高野さんの使命について教えてください。
私の使命は、「世の中の変化の化学反応を速める」こと。
今、こうして変化し続けている世の中に対して、その変化というものの背中を押せたら、変化の反応を加速できるんじゃないかと思っています。
広報という仕事はまさに、その変化の化学反応を増やす役割を担えるのではないかと感じていて、情報を届けることで、読者や視聴者の方々に新たな発見や気づきを与え、変化を生み出すきっかけを作りたいと考えています。
世の中にはたくさんの情報やニュースが流れていますが、ニュースとなっている話題は、平常時と異なる何かが生じたときに私たちの目の前にやってきます。もちろんうれしいニュースもありますが、心が痛むニュースの方がセンセーショナルですよね。だからより多く伝えられ、見ている人の中にネガティブな感情がどこかで生まれてしまう。
でも世の中全体に視点を向け俯瞰して見てみると、世の中はどんどん良くなっているはずです。新しい発見があったり、その発見によって新たなものが生み出され、暮らしが豊かになっています。世の中を俯瞰すれば、もっと今ある豊かさに目線を向けられ、幸せを実感する人が増えるのではないかと思っています。
ガイアックスに入社してから向き合った自分の使命
ー 使命について考えるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
私は、今までの生きてきた多くの時間で、ただ漠然と「何のために生きているんだろう」という鬱々とした気持ちを持っていました。振り返ると、人生の様々な岐路において決断することから逃げていたなと思います。
大学受験の時も、このあたりの大学に行っておけば困らないかなという感じで大学を決めたり、大学に入学してからは「何のために勉強をするのか?」と勉強に身が入らない日々。そうこうしていると就活の時期になって、企業を見ている時に「このまま大企業に入るとその先の人生が決まってしまいそう。まだ人生を決めたくないなぁ」と、ここでも人生の決断を先延ばしにしたいと思っていました。
明確な軸が見当たらないまま会社説明会に参加していた時に出会ったのが、当時ではまだ珍しかった北海道発のベンチャー企業でした。「ベンチャー企業に入れば、決まり切ったレールはなさそう。まだ自分の人生を決め切らない選択だ」と守りに入ったような気持ちからベンチャー企業を選びました。
ー 現在の使命が生まれたのはいつだったのでしょうか?
新卒でそのベンチャー企業に入り、現在ガイアックスで4社目になるのですが、実はガイアックスに入ってから「本当に何をしたいか」ということに向き合うことになりました。もはや、対峙させられたという表現の方が適切かもしれないです(笑)。
ガイアックスには、好きなことをやればいい、自分の好きなことを突き詰めてやっていた方が結果的に最大のパフォーマンスが出るというカルチャーがあります。はじめはそういうアプローチがあるということ自体に衝撃を覚えたんです。それまでの自分の価値観では、好きなことを仕事にして食べていくということは綺麗事で、そんなことを考えていないで目の前の仕事に取り組まなきゃと思っていました。
でもガイアックスで仕事をしていく中で、周りの人と話しているうちに嫌が応にも「自分のやりたいことって何だろう?」と日々考え、向き合い始めるように。仕事のやりがいや楽しさは、もっと深いところにありそうだと、ガイアックスに入ってから思うようになりました。
営業として結果が上がらず悶々とした日々。
社内公募で自らつかんだ広報というキャリア
ー ガイアックスに入社したきっかけは何でしたか?
ガイアックスで働いている友人から声をかけてもらいました。私はガイアックスに入社するまで3社経験しているのですが、経歴を生かした転職というよりは転々としていた感じでした。1社目で入ったベンチャー企業は結果的に入社後半年で倒産してしまい、2社目では中小企業の新規海外事業部兼社長室にてタイやバングラデシュに行ったり、カスタマーサポートのシステム導入などをするも、仕事内容や企業理念に疑問がありました。転職を考えているときに会社を経営する知り合いの方から声をかけてもらい、携帯電話の基地局を設計する会社で働きました。
当時、ガイアックスでも人材を募集していて、こういう自分の経歴を知っているその友人から「不確実性が高いカオスな状況での耐性がありそうだから、ガイアックスでやっていけるんじゃないの?」と言ってもらい、ガイアックスを紹介してもらいました。
入社したのが2015年。インターネット業界には明るくありませんでしたが、影響力がさらに大きくなると感じており、そうなるとWebマーケティングという仕事の需要が伸びていくのではないかと思っていました。ガイアックスはIT企業だし、最先端のITに関する仕事に携われるのではないかと思ったのが入社を決めたポイント。ミッションに共感したというよりは、どちらかと言うと業界自体に興味がありました。
ー 入社してからはどのような仕事をしていたのですか?
入社してからは、法人のウェブサイトに対するコンサルティングサービスを販売する営業の担当となりました。今までのキャリアの中で営業をした経験がなかったため、分からないことも多く、自分に営業としての適正がないのではと思ったり、営業の楽しさというのもよくわからないまま悶々とする日々が続きました。そんな時に広報のポストに空きが出るということを社内公募でしり、「やってみたい!」と手を挙げて広報としてのキャリアが始まりました。華々しく始まったかというと決してそうではなくて、引き継ぎで何かを教えてもらうということもあまりなく、自分で開拓しながら今まで仕事を作ってきました。今振り返って考えると、広報も営業の要素を多く含んでいるなと思います。
良いプレスリリースは「サービスへ惚れ込み」から
ー 自ら開拓しながら広報として4年。高野さんにとって、広報という仕事はどんなものなのでしょうか?
広報という仕事は、自分の使命とつながっているということを強く感じています。発信したことが記事になるなど、メディアに露出して、誰かが利用してくれたり、新しく知るという変化が起きます。それはきっとその誰かの行動を引き起こし、一人ひとりの力が世の中に還元されることで、世の中がよくなっていることに寄与できているんじゃないかと思っているのです。自分が発信することによって、世の中がいい方向に変化するスピードを加速させられるというのは、なんてやりがいのある仕事なんだろうと思います。
そして私個人としても、広報としての仕事を通じて社会とのつながりを感じることができ、喜びを感じています。私はどこかで自分自身のことを否定してしまって、うまく自己承認できない時があるのですが、会社と社会をつなげるという仕事を通じて自分自身が社会とつながり、こんなちっぽけな自分でも何かしらの貢献ができたと思えるんです。
ー ガイアックスのPRパーソンとして、意識していることは?
「会社は社会のためにあるもの」という言葉を聞いたことがあるのですが、ガイアックスに入社するまでは便宜的な建前だと思っていました。でも、本当にガイアックスはそれを実践しようとしていると肌身に感じます。社会課題を解決するために事業を展開しようとする姿勢が素晴らしいですし、世の中をより良くしていきたいと思っていることそれ自体をより多くの人に伝えていきたいと思っています。
ガイアックスが提供するサービスが社会にとってなぜ必要なのか、どういう文脈で大事なのか、メディアの方と協力関係を築きながら、これからも共に社会に向けて発信していきたいです。
広報という立場上、事業部が新しくサービスを始める時に立ち会わせてもらうことが多いんですね。プレスリリースを協働しながら作成するのですが、そのときに「なぜやるのか?」をしつこいぐらいに聞きます。サービスの概要だけではなく、サービスの根っこにあるビジョンやメンバーの想いを知り、それらに惚れ込むことから始めたいからです。
最終的には、私がメディアの方とコミュニケーションしていきますが、そのサービスに心の底から惚れ込んだ自分の言葉で届けていきたい。サービスを好きになった自分から、本当の言葉でメディアの方に伝えないと、ちゃんとした情報として伝わらない。そういったことからも、広報には「誠実さ」が求められているんだろうなと思います。
自分の人生に向き合えたのは「自由と責任」があったから
ー ガイアックスのカルチャー「自由と責任」。どのように捉えていますか?
すごく自然なんだろうなと思います。きっと、みんなそうしたいんじゃないかと。
個人的には、働く人は会社から多くの制約を課されているのではないかと思います。例えば就労時間についても、何時から何時までコミットして下さい、というのも一つの制約ですよね。
ガイアックスにはそのような制約はなく、結果が伴っていればそれ以外の細かいことを指摘されることはありません。ただ、逆を言うと全ての範囲において自分で責任を持たなくてはいけません。全てを任されているということは、何か降りかかってくることにも自分で対処する責任があるので、そこには一種の厳しさがあるなと感じる場面も多いです。
だからこそ、自分が本当にどんな人生を歩んでいきたいかを自ら明らかにしておくことが大事だなと思います。各自が思い描く人生を突き詰めていき、自分の人生をより良いものにするために会社は邪魔しないし、むしろ応援するというスタンスでいてくれています。だからこそ、際限を設けずに自分のやりたいことを考えることができました。
ー 今後、どんなことにチャレンジしていきたいですか?
ガイアックスに入社して、自分自身を見つめる機会が圧倒的に増えました。今までは自分の使命について考えたことすらなかったですし、何のために生きるんだということを言語化することもありませんでした。でも、こういうことって生きる上で大事なテーマだなと思ったんです。
人生と向き合うにあたって、さらにどういったアプローチがあるんだろうかと考えたときに、その一つがコーチングかなと思い、コーチングの勉強をすることを決意しました。コーチをされている人から「コーチはあり方を問われる」と聞いたことがありました。コーチングって、誰かの話を聞いて相手の背中を押すことだと思っていたけれど、コーチ自身のあり方が問われるということは、コーチングを学ぶことを通じて成長できるのではないかと思いました。
今までは何事も選択する時、可能性の幅を狭めないように、と意思決定してきましたが、今回は自分で決断している感覚があります。これからは、決断や選択に関してもっと意識的であることで、自分の人生を自分の足で歩んでいきたいと思っています。
インタビュー・ライティング 樗木亜子
編集後記
インタビューが始まって10分ほどしたところで「これClubhouseで配信しようかな(ブームになって1週間前後の頃)」と急遽部屋を作成。なんともPRパーソンらしい発想でした。これからはコーチングを学ばれるとのこと。同じコーチとしても、同い年としても、一緒に切磋琢磨していきましょう!