コロナ禍という状況下で、オンラインで実施された夏季インターンシップ。
今回は、“Gaiax サマーインターン 2020 Beyond”で出会った大学生5名が、課題を解決していく中でどんな山や谷を経験したのか。何を得て成長につなげていったのか。対談形式で伺っていきます。
※本記事は、2020年8月に実施した“3DAYSインターン”についての2020年インタビュー取材記事です。
“Gaiax サマーインターン 2020 Beyond”とは?
3日間という限られた期間の中で、チームを組み、アイデアをだし、問題と課題を抽出。その後、市場調査や事業計画書の作成、ユーザーヒアリング、事業提案プレゼンなどを行います。
各チームには、10万円の資金援助、起業家やメンターからのサポートもつくプログラムとなっており、最終審査で優勝チームを決定。
≫ Gaiax サマーインターン 2020 Beyond
2021年度のGaiax“3DAYSインターン”は、9月8・9・10日に開催。(応募締め切り:8月31日 19時)
対象は、就活中で、難易度が高いインターンで腕試しをしたい方・起業したいと考えている方・本気で取り組みたい社会課題がある方など。もちろん、無料で応募いただけます。
「社会課題を解決せよ」
与えられるミッションはこれだけ。
何を課題として設定するか、それをどのように解決するか、Gaiaxをどのように利用するのかは、全て参加者が決定できます。
≫【ガイアックス】3days インターンシップ 2021
この記事の登場人物
深川 智行
(ふかがわ ともゆき)
夢を語れるラーメン屋「夢を語れ松山」で店長を務める大学3回生。現在はオンライン授業の特性を活かしてキャンパスのある千葉から離れて愛媛で生活をしながら、2021年8月に夢を語れ千葉をオープン予定。Noteで千葉店出店の様子を掲載中。僕の夢は大学生の間に日本中に夢を語れる場所を作ることです!
布袋 理乃
(ほてい りの)
アイドルオタクの大学4年生。アイドルコピーダンスの全国大会UNIDOL2018Summerにて全国優勝。翌年には3000人の観客の前で見事センターを務め上げる。NPO法人AIESECでは教育のPJに2年間携わる他、BOで人事領域を担う。
藤田 恒介
(ふじた こうすけ)
クリエイティブな大学4年生。学生時代には、メントスコーラ目覚まし時計,イケメンブサイク判定アプリ,学籍番号紹介システム,Twitterフォロワー増加サービスといった様々なモノ・サービスを作り出した。趣味はサウナ。現在は理想のサウナ施設を作るために活動中。
岡村 未来
(おかむら みらい)
奈良をこよなく愛する大学4年生。高専卒業後、大学編入し、1年の休学期間を経てフリーランスの映像クリエイターとしても活動中。地方自治体、企業YouTube動画、ブライダル映像など幅広く制作。Gaiaxのスタートアップスタジオで長期インターン中。
漆原 壮太
(うるしばら そうた)
名古屋の大学4年生。大学入学初期からビジネスに興味があり、事業立ち上げによる収益化や長期インターンを複数社経験。大学のオンライン化を利用し、現在は東京に在住。都内のベンチャー企業でマーケティングインターンに従事。
―まずは自己紹介をお願いします。皆さんの就職活動についても教えてください。
とも 僕は 今2年生で愛媛に住んでいます。すでにラーメン屋の店長を任されています。そこではラーメンを完食したお客さんに店内で夢を語る機会が与えられるという「夢を語れ」というユニークなコンセプトがあり、そんなところに惹かれて 今度、千葉にも出店しようということで現在準備中です。
≫参考:ハーバード大も注目!売り上げ目標なしでも黒字続きのYume Wo Katareのビジネスとは?(CRAZY inc.)
インターンにはGaiaxを含めて今まで4つ経験しています。ラーメン屋をやっているので就活はしたことがないですが、逆に4年生のキャリア相談にのることはあります(笑)
布袋 哲学科3年です。大学のダンスサークルに入っていて、優勝校なので結構力を入れています。サマーインターンは8つ行きました。
うるし 名古屋市内にある大学の3年生です。今は大学の授業がリモートなので、東京に住んでいます。僕もサマーインターンに5つ応募しました。
未来 大学3年生で、理系です。全体を俯瞰して見るのが得意です。1年間休学していて、フリーで映像制作をしていましたが、最近復学しました。Gaiaxでの長期インターンシップの経験があります。
こうすけ 大学3年生です。僕は今、友人と3人で、山梨にサウナを作ろうと考えていて、いろんなサウナを巡ったりしています。僕が夏季インターンで行ったのは、“3DAYSインターン”のように事業立案ができる、おもしろそうなものですね。
―将来の働き方については、どう思っていますか?
こうすけ 僕は、タイミングは未定ですが、確実に起業をするつもりです。でも、今はサウナを作る準備をしたりしながら、同時にインターンもやっているんです。
もし「これで行ける」となったら就活をやめて1年休学もありますが、駄目なら普通に就活して、数年間企業で働くことを考えています。
とも 僕は、大学5年まで3年間ラーメン屋の経営をしたら、世界のどこか大きい会社に2年間だけ就職したいと考えています。グローバルで戦える仲間を作って、2030年までにラーメン屋を世界展開させたいんです。
経営者と雇われる身、どちらも経験して、30歳まで駆け抜ける。その時に、自分が行きたいと思ったところに呼んでもらえるぐらいの人間になっていたいと思っています。
―周りの大学生の人たちは、この“3DAYSインターン”のようなインターンシップイベントには参加していますか?
布袋 3年生でインターンに参加している人は、半分ぐらいかな。残りの半分は「夏からやる必要はないかも」という感じです。2年生でも参加する人はいますが、長期バイトのような形で、ライターが多い印象ですね。
うるし 僕の場合、大学が名古屋にあることもあって、周りの人は割と地元志向です。就活に前のめりな人は少ないように感じます。
こうすけ 僕は理系なので、半分ぐらい大学院に行ってしまいます。だから、あまりいないですね。
―オンラインのイベントについてはどうでしょうか。
布袋 みんな、リアルよりもZoomのほうがむしろ慣れている感じです。オンラインのグループディスカッションでの勝ち方も、なんとなく分かってきました(笑)
こうすけ 説明会や面接は、オンラインだと本当に楽ですよね。でもそれ以外は、オフラインのほうがいいときもあります。
とも 僕の場合は、面接はリアルがいいですね。オンラインだと、非言語が伝わらないから、僕の強みが一切伝えられないんです(笑)
オンラインだけど深い。インターンシップで経験した、山と谷
―イベントの1日目に、「深掘りまくって挫折した…」と伺いましたが、どんな感じでしたか。
うるし 1日目は、事業の概要をブレストしていて、「どういう事業を考えていこうか」というフェーズにいました。そのときに迷っていたのが、1つはネット上に確からしいファクトがあって、課題がありそうだけど、5人全員は実感がない事業。
もう一つは、ファクトはないけれども自分たちがやりたい事業。「夢を語れる人を増やしたい」という事業です。「夢ってなんだろう」と考えるとすごく抽象的だったので、ここで悩んでいました。
―「夢を語る」は、ともさんの思いが詰まった事業ですね。みんなで意見出しをしたときに、ともさんの意見にみんなが賛同した形だと思います。ともさんはすでにアイデアありきで来られていたので、本気度が違っていたのかもしれませんね。
布袋 最初は、自分たちがやりたいほうをやろうと言っていたんです。でも、事業をつくりあげていくところで、リーンキャンバスというフレームワークが全く埋まりませんでした。考えても全然進まないし、時間はどんどん過ぎていく。
夢を語る事業をやりたいとは思うけれども、3日間のインターンでは、難しいことが分かってきました。「これを諦めて、確からしそうな、課題がありそうな事業、こっちでリーンキャンバスを書いて事業検証までいこう」、そういう決断をしながらも、挫折を感じていましたね…。
―2日目に話し合ったのが、栄養関係と英語のシェアハウス。これは誰の発案だったのですか?
こうすけ 1日目の最初に、自分たちの持っている課題をブレストしていこうということで、出し合いました。それを評価していくと、「英語を話せるようになりたい」「栄養バランスのとれた食事を手軽にとりたい」ということを、課題として感じていた人が多かったんです。そして、最終的に栄養のほうのアイデアを取ることにしました。
―残念ながら優勝には至りませんでしたが、これからカフェをやる話が出ているそうですね。どんな感じで話が進んでいったのでしょうか。
こうすけ 実は、2日目、3日目に、事業立案をする意味合い、目的を話し合ったんです。そもそもインターンで優勝するのが目的なのか、このメンバーで何か事業をやるのが目的なのか、話しました。
その結果、全員で腑に落ちたこと。
それは「別に、このバランスのとれた食事の事業をやり通すのが目的じゃない。このメンバーで何か事業をやるというのがいいんだ」ということに気付いたんですね。
それで、3日目は終わった後に、「このまま行くか、それとも変えるか、あるいはもうやめるか」で話し合いました。
未来 他のみんなが打ち上げをしているときに、うちのチームだけがZoomをつないで議論していましたよね。
布袋 そのときに「もとの、みんなで一番やりたかったものをやろう」ということになったんです。
こうすけ 実は、ともが千葉にラーメン屋を開くところに、カフェをつくれるスペースがあることが分かったので。「自分たちが持てるリソースで、できることをやりたい、それならカフェみたいなもの」、そういうふうに考えました。
まだ具体的になっていませんし、カフェでなくなる可能性もあります。でも、あの3日間の濃度で取り組めば、やるとなったら1週間でできるかもしれませんね。
―他にも“谷”だった部分はありましたか?
こうすけ そもそもGaiaxのインターンは、ゴールが決まっていません。だからどこをゴールにするかというのを、ずっと話し合っていた気がします。
布袋 2日目の夜も3時間ぐらい話したかな。しかも1日目に一瞬進んだものをやめて、2日目ゼロから始めたわけです。あと2日しかない中の3時間だから、大事な時間だった。
うるし 残り1日しかなくて大変だったけれど、なるべく時間は気にしないようにしていました。「何のためにやっているんだろう」という、本質的な話ができたのはよかったですね。だから多分、今でもみんなで集まっているんだろうと思います。
―“3DAYSインターン”は3日間のイベントだったのに、その後3カ月たっても、皆さん週1でZoomをつなげて会話されていると伺いました。会ったのはイベントの後かと思っていたら、イベント中にもうすでにリアルで会っていたそうですね。
布袋 1日目に「オンラインのネット環境が大変だ」ということで、「じゃあ会ったら楽かな」と思って、大阪2人、東京3人という形で集まったんです。
でも、会っていると、それぞれがZoomを通さずに話してしまうので、5人で共通認識が取りにくくなってしまいました。だから3日目は個々で参加することにしたんです。
“3DAYSインターン”を通して得た新たな気付き
―皆さん、本当に意気投合していて、楽しかったんだなということが伝わってきました。他に、インターンイベントを通して皆さんが得たことに、どのようなことがありますか?
こうすけ 何も方向性の定まっていない白紙のワークというのは、なかなかないですからね。事業立案自体、大きな学びがありました。
未来 事業立案の中で、私は「ゴールと目的と優先順位を意識しなければいけない」ということを実感しました。それは当たり前のことだし、インターンに参加する前から頭では分かってはいたのですが、しっかり意識していないと、忘れてしまうこともあるんだなと。
とも 僕が学んだのは、言葉の捉え方、認識、解釈といったことです。5人の人間が集まると、一つのワードに対してさまざまな解釈があるはずです。でも、お互いが共通の認識を持っていると思い込んで進んでしまうと、最後にひび割れてしまうことがある。
大事なワードは本当に認識が合っているのか、解釈のすり合わせをきちんとしておかないといけないと思いました。
うるし 僕は「君たちが持っている制約って実は制約じゃないから」というGaiaxの採用の方のメッセージに、はっとしました。
「最終日に役員の方にプレゼンするのもしないのも、自由ですよ」とか、「この事業を続けるも続けないのも、あなたの自由ですよ」「そもそも社員によっては一日空いていたんだよ。そこを押さえれば優勝できたかも」と最終日に言われた時には、自分の中の「制約の思い込み」に気がつかされた気がして、すごくびっくりしましたね。
布袋 私は、このインターンシップでメンターの方からうけたフィードバックが印象的でした。「その事業にすごく熱を持って当事者意識持ってやっている人って誰?」と言われたんです。
とものパッションを原動力に動いたら一番進めるチームなんだから、そういうところをちゃんとやっていれば、いいところまで進めるんじゃないかと。
事業を考えるときは、「やっぱり自分のこととして、しっかり思いを持ってやる人がいないと駄目なんだ」というのが分かりました。起業でもそうですが、熱量や想いといったものが意外と大事なんだなと気がつきましたね。
今までいくつものインターンシップを経験してきましたが、「この時間でこれをして」と言われるインターンが多かったんです。根本に立ち返るようなことを言われることも、ほとんどなかったですね。
とも 僕も同じです。
日本の教育は型にはまった教育だから答えを求めるけれども、ここでは僕らが自分たちで正解をつくっていかなきゃいけない。
これは今の日本人にとって、大切なことなんじゃないかと思いました。
尊敬し合えるチームなら、安心して進んでいける
―皆さん、さまざまな振り返りがあったのですね。最後に、これから皆さんがどういうビジョンで進んでいこうと思っているか、めざしていることを教えてください。
うるし ビジョンということで言えば、チームできちんと意思決定をしているか、そして、自分たちが本当にそれをやりたいのか、そういった軸は大事にしたいと思っています。
インターンで挫折するのは、自分たちが納得いっていないにもかかわらず、それらしいものに飛びついてしまったとき。そういった意味では、今後具体的に、みんなで何か事業をやるというところに進んでいっても、「本当に自分たちがやりたいのか」という部分は追求していきたいと思っています。
とも 僕は、自ら夢を語れる人を増やしたいと思っています。僕にとっては、インターンもラーメン屋も“手段”なんです。夢に向かって今この瞬間を楽しんでいる人が一番かっこいい。
「明日何々したい」=「夢」だと思っています。
「ラーメン食いたい」でも何でもいい、それが出てくる人を増やしたいなと思っています。
大人になると、心で感じたものを、できるかできないか頭で考えてしまうんですよ。僕は、どうやったらできるか考えて毎日ワクワクしている大人を増やしたい。
例えば、大学生が楽しそうにカフェを運営しているのはなぜか聞かれたところで、その話ができたらいいなと思っています。
―そんな思いになったのはなぜですか。
とも 浪人生で入院していた時、高校サッカーの選手たちを見て、それまで感じたことのなかった劣等感を感じたんです。彼らはずっと支えてくれて、かっこいいなと思っていました。でも、そのうちの一人が僕に「羨ましい」と言ったんです。
「夢があるっていいな」「世の中っていい大学に入るのがゴール、いい会社に入るのがゴールだけど、それは全て手段だと思う。もっと先に何か目的を持っていないと、入っても何もない」というんです。
僕は、彼に恩返しとして夢を与えることはできません。けれども、夢が語られる場所があれば、彼も誰かから、刺さる言葉をもらえるかもしれないと思いました。そして、そういう場がなければ僕が作ろうと思って、イベントをやったんです。そしたら人が結構来てくれて、案外そういうニーズがあるんだと分かりました。
そんな時、夢を語ることをコンセプトにしているラーメン屋があることを知り、僕も経営者の仲間入りをさせてもらったというわけです。
―この、ともさんのビジョンやパッションにみんなが賛同して、これからさらに進んでいくわけですね。
とも このチームの一番いいところは、お互いがお互いを尊重し合っているところです。そしてミーティングの終わりには必ず「ありがとう」と言います。初めは女子から言い始めたのかもしれませんが、みんながだんだん無意識に、口癖のように「ありがとう」と言うようになっていったんです。
こういうことがチームワークとして一番の根本的な、大事なものの一つなんだろうなと感じました。
布袋 本当にいいチームでよかった。バランスもいいし、チームワークもよくて、ラッキーでしたね。
たいていは、立案したものを会社の人が評価して 優勝者を決めて終わりというのが多いですが、今回は違っていました。結びつきが強くて、「まだ3カ月なのか」という感じがします。
うるし 今までもインターンで仲良くなった人たちはいますが、事業というところでつながっているのは、このチームが唯一ですね。
―尊敬し合った仲間たちと安心して何かができるというのは、とても大事なことですね。今後の皆さんの活躍に期待しています。
ライター:川原田香衣
構成・編集・インタビュー:遠藤桂視子
自己の成長は自分で決める
ガイアックスでは、個々のライフプランを実現させるための支援も惜しみません。そうして成長したメンバーは必ずよいサービスを生み、社会の課題を解決してくれると信じているからです。
スキルや知識を高めるためのメンタリングや自主自律性を促進するコーチングの各種制度を用意し、複業や、部署をまたぐ裁量権など、多様な働き方を推奨しています。
ガイアックスでは、いつでも誰にでも、成長できるチャンスがあります。
編集後記
オンラインだから、3日間だから…。そんな風に思いがちな、オンラインでの3DAYSインターンでしたが、こんなにも人と人とがつながり、そこから新しい事業の火種が生まれ、バタフライエフェクトのように5人の人生に大きなインパクトを与えるものになっているとは…お話を聞くまで思いもしませんでした。
このインタビューで初めて全員がリアルで顔合わせることが出来たという5名。コロナ禍で人と人との距離が分断されてしまいましたが「離れていてもつながっている」そして、良いチームだからこそ、このつながりからの事業の火種はこれからも熱く燃えていくのだろうなと思わされました。この世代が50代・60代になった時の日本もどうなっているのか楽しみです!ありがとうございました。