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現在30歳。高校生のときから将来起業したいと思っていた(同期対談・前編)

最終更新: 2023年11月9日

私には、佐原君という同期がいる。
今年4月3日にガイアックスから分社化した、EDGE株式会社の代表取締役だ。
「あの佐原さんが?」という声を複数聞いたが、そう、こんなことにも付き合ってくれる心優しい人である。

Akiko Suginohara

佐原君も私も、ガイアックスには、インターンとしてほぼ同時期に入社。お互い成果が上がらない冴えない時期を乗り越え、その後、ガイアックスに新卒で同期入社した。佐原君は、インターンのときから一貫してエアリー事業に従事し、この度、同事業をひっさげて子会社化、EDGE株式会社を設立した、という運びだ。

佐原 資寛
佐原 資寛
2008年横浜国立大学工学部在学中より、株式会社ガイアックスに参画。コーポレートコミュニケーション推進部(現EDGE株式会社)にて、エアリーダイバーシティ立ち上げに従事。その後、パートナー担当マネージャーを経て2014年よりエアリー事業部部長。国内最大のテーマパークをはじめ、社内SNSを活用した従業員満足度向上をコンサルティング。新卒採用、新人育成、研修フォロー、従業員満足度向上、離職率低減、女性活躍推進など、各人事課題に対するソリューションとしての社内SNSの支援実績は100社を超える。2017年4月にガイアックスより分社独立したEDGEで代表取締役社長を務める。

知っているようで実は知らない、同期の素顔に迫ってみました。

杉之原:そういえば、佐原君ってどうしてガイアックスでインターンをしていたのかが、いまさら、とても謎。
佐原:そこ?もともと、ガイアックスの前もいくつかインターンやっていて、外資系や長期インターンで3、4個やってたんだよね。
杉之原:なんと!インターンマンだったんだ。
佐原:なぜインターンを始めたかというと、高校生のときから将来起業したいとずっと思ってたんだよね。これから起業するならIT分野だろうと。それで、ハードからソフトまで幅広く学べる情報工学系の横浜国立大学に進学したんだけど、普通に授業受けていると、なんだか授業がつまらないわけですよ。これを4年間続けていても、おそらく起業できないだろうなぁ、何かないかなと思っていたところに、たまたま同じ学科のやつが「俺、今度インターンやる」って言っていて。インターンって何?みたいな。当時、インターン先を紹介する媒体みたいなのがあって、そこに登録したんだよね。
杉之原:その媒体、私も一緒。
佐原:登録したら、3分後くらいに電話かかってきて。登録会があるから来なよ、じゃあ行きます、みたいな展開で。とある創業したての会社を紹介してもらって、そこに行っていろんな話をして、じゃあ夏休みに働きに来てって言われて。そのまま働いたんだけど、俺、バイトもしたことなかったし、エクセルデータもろくすっぽ作れなかったんだよね。理系だったから、夏休み期間でインターンが終わりだったんだけど、アウトプット出せなかったことが悔しかった。で、よし、違うところでまたインターンしようと思ってたの。翌年の春休み期間がたまたま統一地方選挙で、地方議員の秘書インターンをすることに決めて、そこでいろいろ人とのつながりが出来たり、仕事をする上でのスタンスとか、そういうのを学んで、ちょっと気持ちよくなっちゃって。
杉之原:ちょっとつかんだぞって。
佐原:そう。次はどうしようかなって考えたときに、将来、経営をするならMBAを取りたいという短絡的な思考があったから、海外に行きたいなと。実験があったから、休学して長期休みを取るのは難しい。ならばと、大学2年生の休み期間に海外に1カ月ずつ行って、MBAスクールも見に行って。どうせ海外に行くならインターンもやったれと思って、海外の政治系NPOでインターンをして。帰国して、いよいよ天狗だよね。これだけやったんだから、集大成だって。自分の実力を試そうと思ってインターン先を探してたところに、ガイアックス代表の上田さんが大学に来たんだよね。上田さんの講演を聞いたて、ヤバい、この人変人やと思った。
杉之原:なるほど。高校生のときからあった「起業」というキーワードはいつ生まれたの?普通にあったの?
佐原:普通というより、サラリーマンで人生が終わるのが嫌だった。
杉之原:ご両親はサラリーマン?
佐原:うちの実家は農家だから、そもそもサラリーマン的な働き方が想像できなくて。だから60歳になって人生の終わりを迎えるとか、キャリアが終わったときにどこかの会社の部長とか、限界が見えているレールに乗って数十年を過ごすことがまじ嫌やって。なんのために生きているかわからへん、という思考があって。だから、絶対サラリーマンにはならいって決めてた。サラリーマンやってるけどね。

akiko suginohara

suginohara and sahara

なぜガイアックスに?

杉之原:話は戻って、超強烈天狗の佐原君が、外資系じゃなくてガイアックスに入社したのは、いったい何が起きたの?
佐原:まず、超天狗のときにインターンでガイアックスに入社しましたと。入社したものの、1日で仕上げてって言われたエクセルのリストをうまく完遂させられないという。自分のスキルの低さを改めて痛感して。
杉之原:あれ、1社目のインターンと変わってないじゃんみたいな?
佐原:そうそう。あれ?って。もはやデジャヴ。本当にやばいなと思ったのが、インターンで入社して3カ月後くらい。新規事業をやらせてもらっていたっていうのもあって、普通に楽しくは過ごせていたんだけど、圧倒的に成果が出ない状況で、まったく受注が取れないし、これちょっとやばいなって。そういう意味では、うまいことはめられたかんじ。
杉之原:どういうこと?
佐原:なんていうか、お前はまだまだだぞって押さえつけられるんじゃなくて、自分自身が「やばい、自分はまだまだだと思う」という落とし穴に落とされた感。結果、まだ修業が足りんかもって。あとは自分が事業を立ち上げた手前、上手くいっていない新規事業をほったらかして他社に新卒で入社するっていうのもちょっと引っかかってたのもあった。ガイアックスは普通に変な会社だし、まあ3年くらいで辞めるか、みたいなかんじで新卒でも入社した。
杉之原:ちなみに、今年4月に、ずっと従事してるエアリー事業をひっさげて、EDGEとして独立したよね。さっき言っていた「新規事業をほったらかして他社にいけない」とはまた違うニュアンスかもしれないけど、そういう責任感みたいなのは強めの人なのかな。その、佐原君って、ガイアックスにコミットしてないようでかなりコミットしてるよなって思っていて(笑)。佐原君もそうだけど、3年で辞めようかなと思って入社するって、まあよくあるじゃない、新卒は。30歳佐原は、なんでガイアックスにいるのでしょう。
佐原:ガイアックスは嫌いじゃない。そうだったら入社してないし。上田さんもおもろいなって引き続き思っている。ここまで社長に好き放題言っても刺されない、更迭されないのは文化として素晴らしいと思う。俺が別の会社で部長をやったとして、同じことを社長に言ったら速攻で潰されるんだろうなというのも自覚しているから、そう意味ではマッチしているなと思っています。
だから、言いたいことは言わせてもらっている。直接言わずに陰で言っていても改善されないし、そういう現象を見てきたから、そうはなりたくないみたいな反面教師的な気持ちもあって。言いたいことは言うし、違うことは違うって言ってるから、そこをパッと見られると、こいつガイアックスに馴染んでないんじゃないかと見られることもあるよね。
杉之原:なんかね(笑)
佐原:自分としては、これはこうだと思うことをぶつけているだけで、当然、馴染んでいないわけではない。実際、考え方は違うと思うことは多々あるけど、個人と会社の考え方が違うのは当然だよね。でも、違うよと考えていることは発信し続けたほうがいいなと思うし、発信し続けられる場所にいたいなと思ったから、経営会議メンバーにならせてもらったかんじ。

Suginohara & Sahara

40歳、50歳とどんな大人になりたい?

杉之原:どんな大人になりたいとかあるんですか?40歳とか、50歳とか。
佐原:自分が40歳とか50歳とか想像つかないよね。
杉之原:あまり想像しない派?
佐原:しない派。想像したらそれがキャップになっちゃいそうで、それより上に行けない気がしてすごく嫌だ。でも早く引退したいなとは思ってる。会社として、いずれかのタイミングで後任に渡せるくらいの状況にしたい。それから、いまのままのペースで永続的に頑張るのは無理じゃないかって思ってる。
杉之原:そうなんだ。永続的ってどのくらいのスパン?
佐原:分からない。60歳になるまで今のペースで何かに追われながら働きたいと思わない。なんか逆に、人より一歩二歩先に進んでいるという感覚はあるから、早くリタイアできるかもとか。35歳で今のことをやっていたら普通かもしれないけど、30歳でやっているからアドバンテージがあるよねみたいな感覚がある。だから今は、キャリアも最初の方のフェーズだし、いろいろなものに追われてバリバリ限界まで働いてなんぼだと思う。頑張ったら早く到達できるかもしれないという意識があるから、いまはペース配分せずに働いているけど、これを60歳まで永続的に全力疾走って言われたら、絶対どこかで潰れるだろうなと思う。
杉之原:過去にそういう現象が起きたことがあるの?
佐原:ない。多分、大学に入学してからずっと走り続けている気がするから、そう意味ではまだエネルギーもあるし、精神的にもまだまだ全然頑張りきれてない。
杉之原:だから40歳、50歳と言われてもちょっとイメージつかないよってかんじ?
佐原:そうそう。このペースで40歳、50歳、60歳って言われると絶対無理だなって思うし、前半戦をこれだけ頑張ったからには、後半戦は後半戦で、おもしいことを見つけたら、そっちにコミットする選択をするかもしれないと。
杉之原:そうだよね。次の山というか、いまの延長線上の山なのか、違うところの山なのか分からないけど。
佐原:そう。それがまだ見えてないから、いまは目の前にあるEDGEという会社を成長させたいし、いまの事業をもっと多くの人に使ってもらってもっと良くしたい。これが動機でいまも走ってる。
(後編に続く)


杉之原 明子
2008年に株式会社ガイアックスにインターンとして入社。学校非公式対策サービス「スクールガーディアン」事業の立ち上げを経て、2014年、アディッシュ株式会社設立及び取締役に就任。管理本部の立ち上げ及び上場準備を担う。2020年3月東証マザーズ上場。 特定非営利活動法人みんなのコードCOO。スローガン株式会社社外取締役。株式会社Kaizen Platform社外取締役。スポンサーシップ・コミュニティ代表発起人。
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