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DAOにおける投票の仕組みとは?投票権やツールについて解説

最終更新: 2024年7月3日

中央管理者がおらず、メンバーの投票により意思決定が行われる非中央集権的な組織として注目を集めるDAO(分散型自立組織)。DAOにおける意思決定は、トップダウンに代表される従来組織のものとは大きく異なるため、投票といってもどのように行われるのかイメージしにくい方もいるのではないでしょうか。

この記事では、DAOの投票の仕組みや投票権について、複数の企業や自治体のDAO立ち上げ支援実績があるガイアックスが解説します。DAOの立ち上げから自走までを1ツールで実現できるDAOXのトライアル版を無料公開しているので、DAOを最短工数で確実に立ち上げたいご担当者様はぜひご活用ください。

DAOX 資料DL

DAOの投票の仕組み

DAOでプロジェクトをどのように進めていくかという意思決定は、メンバーの提案と投票によって行われます。DAOのメンバーは、DAOがガバナンストークンとして設定しているトークンを所持していれば、提案と投票を通して意思決定に参加可能です。

株式会社では社長や重役など、一部の人々の一存で意思決定が行われるケースがしばしばみられますが、DAOの場合はガバナンストークンの分配が公平なら、投票によって多くのメンバーの多様な意見を取り入れられます。

DAOにおける投票は、Snapshotなどの「DAO投票システム」を利用するケースが多いです。DAOの運営工程は①提案、②投票、③実施に分かれますが、DAO投票システムでは提案と投票の工程を効率化できます。

DAOにおいて、どのようなメンバーに提案や投票の権利を与えるか、投票権となるガバナンストークンをどれにするかなどのルールは、あらかじめ決めておく必要があります。一般的には、DAOのメンバーであること、一定量のガバナンストークンを持っていることが提案や投票の要件です。

DAOの投票権「ガバナンストークン」とは

ガバナンストークンとは、DAOにおける投票権が付いているトークンのことです。どのトークンをガバナンストークンにするかは、DAOが独自に決められ、そのDAO独自のガバナンストークンを発行したり、独自のトークンがない場合はDAIやETHなどをガバナンストークンとすることもできます。

基本的には1トークンにつき1票の投票権が得られますが、DAOのルールにより投票の条件は自由に設定できます。ガバナンストークンは、投票権を表すものであり、投票と引き換えに消費されることはありません。

ガバナンストークンの入手方法は、DEX(分散型取引所)で購入する、DAOに貢献して報酬として得るという2つの方法があります。ただし、DEXで購入したトークンは取引所に上場しているため流動性があり、大きな価格変動が起こることがあります。

DAO型入社式

DAOの投票で使われるツール

DAOの投票では、一から個別の投票システムを作り上げることは大きな負担になるため、既存のDAO投票システムを利用するケースが多くみられます。代表的なDAO投票システムには「Snapshot」が挙げられ、DAOの組成や運営のさまざまなシーンで使える「Aragon」にも投票機能があります。

ここでは、SnapshotとAragonというDAOの投票で活用されるツールをみていきましょう。

Snapshot

Snapshotとは、多くのDAOで活用されている分散型投票システムです。
Snapshotは投票自体にブロックチェーンを使っていない(オフチェーン)ため、提案や投票にガス代がかからない点が特徴です。ただし、提案や投票を行うためには、提案を受け付ける場所である「スペース」を作る必要があり、その際にENSドメイン代とガス代がかかります。

Snapshotでは提案の際に、投票のタイプを以下から選んで設定できます。

  • 単一選択投票:いくつかの選択肢から一つを選ぶ
  • 加重投票:任意の数の選択肢に任意の量の投票権を分散できる
  • 承認投票:任意の数の選択肢を選択でき、各選択肢に等しい投票権が与えられる
  • 二次投票:任意の数の選択肢に分散して投票する(クアドラティック・ボーティング)
  • 順位決定投票:全ての選択肢をランク付けする
  • 基本投票:賛成・反対・棄権のどれかを選ぶ

Snapshotで投票するときは、投票したいDAOのガバナンストークンを所持しているウォレットをSnapshotに接続します。

Snapshotについては、「Snapshot(スナップショット) – DAOで活用が進む分散型投票システム」でさらに詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

Aragon

AragonはDAOの立ち上げから運営までできるツールです。プログラミングやブロックチェーンの専門知識がなくても利用できるため、多くのDAOがAragonを導入しています。

Aragonでは、ガバナンストークンの作成・配布、投票、資金管理が行えます。Aragonはイーサリアムのブロックチェーンを使用する(オンチェーン)ツールであり、DAOにおけるさまざまな手続きが記録され、透明性の高い組織運営が可能です。

反面、投票する際にもガス代がかかる点はデメリットといえます。そのため、コスト面から提案や投票はSnapshotを別途使用するケースが多いです。

イーサリアム上のメタバースプロジェクト「Decentraland」のDAOでは、スマートコントラクトにAragon、提案と投票にはSnapshotというようにツールを使い分けて活用しています。

投票はDAOの意思決定の要!仕組みを理解して組成に活かそう

DAOでプロジェクトを進める意思決定は、ガバナンストークンを所持しているメンバーの提案や投票で行われます。ガバナンストークンを所持していれば、誰でも提案や投票ができるため、さまざまな意見を意思決定に取り入れられるフラットな組織運営が可能になるでしょう。

DAO立ち上げの際には、提案や投票のルールをあらかじめ決めておく必要がありますが、DAO運営をスムーズに進ませるためのルール作りには、知見が不可欠です。

ガイアックスは、評価の基準が明らかでなかった採用というシーンにおいてDAOを導入し、自分や他者の評価されたポイントが可視化される「三井住友海上のDAO型採用」など、さまざまなDAOの立ち上げを支援しています。DAOを立ち上げ、ビジネスのさまざまなシーンで新しい取り組みを始めたいとお考えの企業や自治体のご担当者様は、ぜひDAOコンサルにご相談ください。

DAOの立ち上げを検討している場合は

2024年現在、国内200個を超えてあらゆる領域で導入が進んでいるDAO。立ち上げのコツは初期の構想と参加者のハードルを下げる仕組みにあります。ガイアックスでは、大手企業・自治体をはじめとする豊富つ先進的な支援実績をもとにDAO組成支援を行っています。

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上井登志之
DAO事業部にて、企業や自治体におけるDAO立ち上げのコンサル・PMを担当。これまで日本郵船社の社内DAOプロジェクトや三井住友海上火災保険社の「採用DAO」構築に取り組む。採用DAOによる採用活動の透明性や公平性担保はTVなど多数のメディアで紹介された実績あり。参加就活生は「匿名・学歴等不問」「評価の公開」に高い満足を得た。
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