吉川佳佑
株式会社ガイアックス スタートアップスタジオ事業部 起業家教育事業 責任者私はガイアックス入社前、7年間高校教師として働いていました。教員時代は探究学習の担当を長年務めていたのですが、そこで偶然アントレプレナーシップ教育と出会い「自分の興味・関心をベースにゼロから事業アイディアを考えるアントレプレナーシップ教育は、究極の探究だ」と確信しました。
そこから研究と実践を重ね、学校を離れてからはガイアックスで全国の中学・高校でアントレプレナーシップ教育プログラムを提供してきました。
今回「起業ゼミonline」の開発に着手したのは、費用を抑えつつ、良質な教育コンテンツをより多くの学校に届ける必要があると感じたためです。
まだまだサービスとして改善の余地はありますが、私たちの想いに共感いただける学校様や自治体様は、生徒たちが熱狂する最高なサービスを共につくっていけると嬉しいです。
背景1:アントレプレナーシップ教育におけるヒト・モノ・カネの不足
岸田内閣が昨年11月に発表した『スタートアップ育成5か年計画』に先立ち、文部科学省は2014年より、全国の大学生・大学院生・若手研究者向けに『EDGE』や『EDGE-NEXT』などのアントレプレナーシップ教育施策を行ってきました。そこでは一定の成果を出しつつ、さまざまな課題も浮き彫りになりました。それは、ヒト・モノ・カネの課題です。
ヒトの課題
- アントレ教育を指導する教員の育成
- アントレ教育を支援する協力者(学内教職員、卒業生、専門家、VC等)の不足
モノの課題
- アントレ教育プログラムの設計・運用
- アントレ教育を支援する施設(大学内外問わず)の不足
カネの課題
- 資金(アントレ教育プログラム運営資金)の不足 など
※:文部科学省『アントレプレナーシップ教育の現状について』( https://www.mext.go.jp/content/20210728-mxt_sanchi01-000017123_1.pdf )より引用
今後、アントレプレナーシップ教育が小中高に本格的に拡大された際に、同様の課題が初等・中等教育でも発生することが予想されます。「起業ゼミonline」」はアントレプレナーシップを醸成するための動画コンテンツを、費用をおさえながら、オンデマンド形式でいつでも、どこでも学ぶことができるため、現状の日本のアントレプレナーシップ教育にまつわる諸問題の解決に繋がると考えています。
背景2:生徒一人ひとりに合った、個別最適なな学びの必要性
文部科学省は最新の学習指導要領の中で、これまで以上に「個別最適な学び」の重要性を強調しています。( https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/mext_01317.html )
アントレプレナーシップ教育は、生徒自身の興味・関心をベースにカリキュラムを進める必要があります。生徒それぞれがオリジナルの事業アイディアに取り組む「起業ゼミ」も、「学習の個性化」という観点で個別最適化ができていました。
しかし、これまで50以上の学校・団体で、2,500名以上の中高生に「起業ゼミ」を提供してきて分かったのは、同じ学校やコース、クラスであったとしても、起業やビジネスの理解度には差があるということです。実際に、ある生徒からは「早くアイディアを考えたいので、授業で使うスライドを先に全部ください」と提案がある一方、別の生徒からは「理解に時間がかかるので、授業の様子を録画したものが欲しいです」という声が上がることも少なくありませんでした。
生徒それぞれの特性や学習進度、学習到達度に合わせて「指導の個別化」を図る必要が出てきたことも、「起業ゼミonline」開発の大きな背景の一つです。
「起業ゼミonline」の3機能:知る→気づく→創るのサイクルを回す
1.レッスン動画【知る】
課題発見から事業アイディア考案、プロトタイプの作成、起業までを、1レッスン5~10分ほどの動画で学ぶことができます。(β版の段階では16レッスンを用意。)
コンテンツは経済産業省『キャリア教育アワード(2022)』で経済産業大臣賞(最優秀賞)を受賞しているガイアックスの中高生向けアントレプレナーシップ教育プログラム「起業ゼミ」をアップデートしたものです。
2.ヒント機能【気づく】
起業やビジネスに関するお役立ち情報や、全国の中高生の素晴らしいアイディアがブログ形式で発信され、生徒たちは自身のビジネスアイディアをより良くするためのヒントを得られます。
3.コンテスト【創る】
アイディアは考えて終わりではなく、「起業ゼミonline」内のコンテストへの応募が可能です。
コンテストは学習到達度別に複数用意されており、コンテストごとに活動支援金や最大200万円までの出資の権利などの副賞も用意しています。
また、学習を進めるうえで分からないことや相談事が出てきた際には、「起業ゼミ」の公式LINEから直接ガイアックスメンバーに質問もでき、生徒たちはこれらの機能を活用しながら、スモールステップで起業やビジネスについて学び、自身の興味・関心をベースにゼロから事業アイディアを考えることができます。
活用イメージ:ライブとオンデマンドのハイブリッド学習
「起業ゼミonline」は学校もしくはオンラインで行われる「起業ゼミ」と併用して活用することを想定しています。知識の伝達は動画コンテンツでカバーできても、学習の内発的動機付けや生徒一人ひとりのフォローは、対面でなければ難しいと考えているためです。
ライブとオンデマンドの両方のメリットを活かしたハイブリッド学習を行うことで、生徒たちはより質の高い探究活動を行えるようになります。(「起業ゼミ」の回数や実施場所、内容は学校の実情やカリキュラムに合わせて柔軟に変更可能。)
β版リリースを4月に予定、本日より事前登録を開始
ガイアックスは今後、全国どこにいても当たり前にアントレプレナーシップ教育を受けられる環境づくりを目指して、引き続き「起業ゼミ」の実施と「起業ゼミonline」の普及に務めて参ります。
「起業ゼミonline」ではまずその第一歩として、β版のリリースに向けて学校の先生や自治体様向けの事前登録を開始します。
▼「起業ゼミonline」(β版)事前登録はこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScweTNj-4SgWUjx3UQt7jR45B2zTMe7Byve1L1rWKOAzcTRYA/viewform
事前登録の特典
- β版リリースを優先的にご案内
- 総合的な探究の導入(課題設定)でも使える「起業ゼミonline」BASICコース①のレクチャー動画・ワークシートをプレゼント(全4本)
事前登録の対象
- 全国の中学校・高校・高専・大学の先生方、ならびに職員
- 各自治体のアントレプレナーシップ教育に関わる職員
※現時点では中高生個人や、事業会社などへのご案内は予定しておりません。
「起業ゼミonline」やβ版の事前登録等についてのお問い合わせは下記までお願いします。
宛名:株式会社ガイアックス 起業家教育事業 責任者 吉川佳佑
E-mail:venture-seminar@gaiax.com
※件名に「起業ゼミonlineについて」と記載いただき、所属・ご担当者名・ご相談内容をお送りください。
株式会社ガイアックス 概要
設立:1999年3月
代表執行役社長:上田 祐司
本社所在地:東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRiD
事業内容:ソーシャルメディアサービス事業、シェアリングエコノミー事業、インキュベーション事業
URL:https://www.gaiax.co.jp/