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ノーコードハッカソン「FULL CAST」審査員視点でのイベントレポ

最終更新: 2023年11月9日

大前 直也

私はおおさき、エンジニア。

はじめまして、株式会社ガイアックスの技術開発部でエンジニアをさせていただいております、大前(おおさき)と申します。普段は、「事業責任者に寄り添うエンジニア」をモットーに、スタートアップの事業検証を目的としたノーコードツールによるMVP開発、ヒアリング結果からのサービス改善、そして事業検証を終えたサービスのアプリ開発を行っています。現在は、「Otell」というワーケーションサイトのウェブ開発がメインの担当業務です。

ノーコードツールハッカソン「FULL CAST」に参加

今回、そんな私がハッカソンの審査員として参加してまいりました。学生時代に何度か参加者側としてハッカソンに参加したことがあるのですが、はじめて審査員という立場で参加しました。ノーコードツールにおけるセキュリティ周りの知見と開発ノウハウを買っていただき、お呼ばれした次第です。
今回のハッカソンの参加者は京大生オンリーということで、えらく緊張しました。何せ、みなさん地頭がダントツときてますからね。地頭にあまり自信のない私で審査員が務まるかどうか、若干の不安もありました。
なぜ不安かというと、「審査員としての参加」と前述しましたが、実は別方向でもこのイベントには一枚噛ませていただいているのです。
»ノーコードツールハッカソン「FULL CAST」詳細

ハッカソン前のノーコードツール講義

前提として、今回のハッカソンの参加者は全員が起業に興味を持っています。なおかつ彼らは、アイデアを出すだけではなく、そのアイデアを具現化する能力も重要だと捉える思考回路も持ち合わせているタイプの学生たちです。
この考え方は、起業家にとって非常に重要な要素だと思っています。事業責任者が技術に対して盲目的であると、チームとしての連携が非常に取りにくくなります。

ここで誤解していただきたくないのが、「では、起業家はエンジニアと互角の知識量と技術量を持っていなければならないのか?」ということです。
答えはもちろんNO。そうではありません。
重要なのは、「技術サイドの説明を聞いて理解しようとするスタンスを持つか持たないか」です。チームの状況として、「よくわからないからやって欲しい」「セキュリティの制限による不自由さに対してのみ不満になる」などの状態は最も回避すべきこと。
特にセキュリティ面は、検証速度とトレードオフにしていいものではありません。速度を最優先にした挙句、インシデントを起こして、ユーザーの信頼を失い、サービスが破綻すれば、起業もへったくれもありません。
技術を扱う以上、自身のサービスの安全性、その安全性を担保する技術・手法に対して関心を持つことは非常に大切です。

文字通り、ノーコードツールは「コードを書かなくていいこと」が最大のメリットですが、ノーロジックではないことを忘れてはいけません
開発する際にシステムを組み上げる思考は、エンジニアがコードを書く前に行う所作と同じです。ちなみに私の経験では、優秀なエンジニアであればあるほど、この思考速度が速く、短くなります。

少々脱線しましたが、ノーコードツールはプログラミングの技術をラップしている、つまり、ウェブが世に出てから使われてきた技術を簡略的で直感的なインターフェースを通して扱えるようにしただけに過ぎず、間接的にはウェブの技術に触れていることになるのです。
ですので、その技術に触れている以上、ある程度はルールに従わないと思わぬ事故につながります。たとえば、アプリの表示がおかしいからといって、おかしい箇所のDB内のデータを消したり、エレメント自体を削除する行為は、「テレビが映らないからぶっ叩いて直そう!」とすることと同じである感覚を持つ必要性があります。アニメではこれで直りますが、現実はさらに壊れるだけです。

こうした背景から、私は起業家を目指す今回の参加者に、「自身のアイデアを安全に(ここ重要)、速攻でつくれるのってカッコよくない?」という裏テーマを入れ込み、ハッカソンで実際に開発する際の一助となるような講義を構築しました。

ハッカソン本番にて

いざ講義がはじまってみると、開発時間中にみなさんから質問されることはあまりありませんでした。
この結果は、次回のハッカソン開催に向けた私の課題です。アンケートを見る限り、講義自体の満足度は高かったようですが、もう少し要所要所で手を動かす形式にすればよかったなと反省しています。
発表時においても、BubbleでUIを整えていましたが、バックエンドの実装まで到達している参加者はおらず、UIすらもが整っていない発表者もいました。たとえノーコードでも難易度の高い行為かつ慣れない実装作業だったとも思うので、この点は我々がハードルを下げる努力をしなければなりません。

とはいえ、発表の時間では、ハッカソンの起業アイデアとUIには素晴らしいものがありました。
特に今回の優勝者の考えたUIは素晴らしく、自身の辛い体験を課題とし、それを解決するためにサービスが生まれた流れがありありと見て取れる出来栄えでした。
私以外の審査員の方々も同意見で、やはりリアルな体験にもとづいた課題を克服しようとする意思には、人々を共感させるパワーがあるのだなと、あらためて感じました。
質疑応答の時間も、我々審査員と争うように質問する参加者の方が多く、起業家としてのソウルを感じた瞬間でした。

ハッカソンを終えて

ハッカソンも重要ですが、終わった後の懇親会こそ、このイベントの真価と言っても過言ではないでしょう。
審査結果を受けて、考えることや思うことは数多くあるでしょうし、イベント後にそういった話を参加者同士でするのもハッカソンイベントの醍醐味だと思っています。
私自身、ハッカソン参加がきっかけとなってガイアックスでエンジニアをさせていただいている人間ですので、コロナ情勢ではありますが、感染対策をしながらオフラインで交流するのはやはり大事だなと感じています。

あらためて、今回のイベントでは、参加者の学生のみなさんとそれはもう楽しい時間を過ごせました。
自分で言うのもなんですが、私のキャラはそれなりにウケがよかったです。アンケートでも唯一、名指しで「キャラがよかった」とコメントされていました。やったぜ。
彼らとは深い話をたくさんできたので、ガイアックスのフリー・フラット・オープンな文化に触れてもらえたと確信しています。具体的にどんな話が聞けるかは、ハッカソンに参加してからのお楽しみです。次回もあると思うので、参加してくださいね★
また、今回の参加者のみなさんには、ガイアックスには自分のようなタイプのエンジニアがたくさんいて、開発に積極的に協力してくれるんだと感じてもらえたら幸いです。

最後に

今回の開催地は京都だったのですが、起業に力を入れている京都経済センターは開催場所として最適な場所でした。またあの場所でイベントを開催したいですね。
心残りは京風すき焼きを食べ損なったこと……。つぎに行ったら絶対食べたい。
次回のハッカソンも呼んでいただけるか分かりませんが、また参加できたらなと思います。新たなアイデアに触れるのは、シンプルに楽しい行為です。私にとっても、学ぶところの多い時間でした。

今回受賞した学生には、東京のガイアックス本社への来訪及び、弊社代表取締役 上田の自宅(Hayama Collective House)へ招待されるという特別賞付きでした。次のハッカソンでも、きっとこの賞はあるでしょう。みなさんもご自身の起業アイデアを実際に社長に聞いてもらえる体験を手に入れるために、ぜひ次回のハッカソンに奮ってご参加くださいませ!

そしてこのハッカソンとは別に、「起業に興味がある・アイディアがある」という方向けにガイアックスではスタートアップカフェにて相談会を実施しています。こちらもお気軽にご応募してみてください。

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大前 直也
技術開発部 エンジニア 大前直也 18卒入社。エンジニアとして成長し、人と人を最高の形に繋げることを目指し、2018年4月に新卒で入社。現在は技術開発部でスタートアップサービスのアプリ開発者として業務に従事。司会するエンジニア。
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