起業のきっかけには、友達に誘われて始めるというケースもあるでしょう。しかし、「友達と起業するのはやめた方が良い」という話もよく聞きます。
「友達と起業した結果、友人も会社も失った」という人もいる一方で、友達と起業して成功している人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「友達と起業すると失敗する原因」とその「解決策」について詳しく紹介します。
なお、これまで上場企業経営者を含む多くの経営者を輩出しているガイアックスでは、長期インターンシップに参加する学生の方を募集しています。事業の立ち上げを経験したい方はぜひインターン募集をご確認ください。
友達と起業する際の落とし穴
友達と起業して成功している会社ももちろんあります。でも実際、友達と起業したケースの多くは失敗に終わることが多いです(ソース)。
ここでは、なぜ友達と起業すると失敗するのか、その原因について紹介します。
言いたいことが言えない
一緒に会社を経営していると、どうしても相手に対する疑問や不満が出てきます。
そういう時に友達の関係が壊れるのが嫌で、言いたいことを言えずため込んでしまうとストレスがたまり、最終的に爆発してしまうことになりかねません。
言いたいことを言わないことで、事業を経営する立場として正しい決断ができなくなることも懸念されます。
決断が鈍ってしまう
いくら仲の良い友達でも、いつでも、全てにおいて同じ意見になるとは限りません。
会社の体制が大きく変わってしまうような決断を迫られた時や、大きくお金が動く場面で友達と意見が食い違ってしまうと、決断が鈍ってしまうこともあります。
責任の所在が曖昧になる
前述と関連しますが、友達と話し合って決断したことで会社の経営が悪化するような大きなトラブルに発展した場合、どうしても相手の責任を追及したくなってしまうものです。
まして損害賠償などのお金の問題になるとなおさらです。
関係を解消しづらい
会社の方向性や経営方針について意見が食い違った場合、同じ力関係で起業しているとどちらが会社を辞めるのか、どちらがその後の事業を引き継ぐのかでトラブルに発展します。
株式会社の場合、持ち株の保有比率を50%:50%などにすると株式総会の決議が出来なくなったり、連絡が取れなくなった場合にも取締役から解任できなくなったりなど、経営に支障をきたすこともあります。
友達と起業するのは止めた方が良いのか?
「友達と起業すると失敗する原因」について紹介しました。ではやはり、友達と起業するのは止めた方が良いのでしょうか。
ガイアックス代表の上田も、「ベストではない」と話しています。
» 友人との起業はここを注意!友人との起業の良し悪し
友達との起業を失敗に終わらせないために
ここまでは、友達と起業する際に起こりうる問題について紹介しました。とはいえ、特に若くして起業する場合には、そこまで人脈がないということも。
それではここから、「友達と起業する際のトラブル回避方法」について、現実的な解決策を紹介します。
あなたが起業する際に友達を誘う場合
上下関係やそれぞれの責任範囲を明確にする
友達と会社を始める際、同等の立場でやっていこうとすると、後々トラブルに発展する可能性が高くなります。同等の立場では、例えばお互いの意見が対立した時に、両者が引くに引けずビジネスに影響が出る恐れがあります。ですから持ち株の比率も含め、どちらかを責任と株の過半数をもつ代表者として予め決めておくことが大切です。
お互いの意見は尊重しつつ、経営における最終決定権はどこにあるのかを明確にすることで、様々な問題を事前に防ぐことが出来ます。
報酬や仕事の配分をはっきり決める
お金の問題はトラブルになる大きな原因の一つです。トラブルを避けるために、友達と起業する際には、報酬や仕事の配分をはっきり決めておくことが大切です。
また、出資金については両方が出すのが理想的です。これは、出資をしていない方は経営に対して無責任になりがちなこと、片方だけ出資した場合に、出資した人は不満がたまりやすいことが理由です。
給料、仕事の配分、出資の割合は事前に話し合い、お互いが納得できる形にしておきましょう。
報酬は代表者が多く取る代わりに責任を負う
友達と起業すると「利益は折半にしよう」となりがちですが、成果報酬型の報酬体制でない場合は、代表者の報酬をより多く設定すると良いでしょう。
その代わり、代表者は全責任を負います。
友達の意見を登用したことで会社に不利益が出たとしても、代表者が一切の責任を負い、処理をします。
事業の経営方針や目標を共有する
事業を始める前に、経営方針や目標などを両者の間で明確にし、共有しておきましょう。
言葉にすることは簡単ではないかもしれませんが、お互いの認識にズレがあると将来的にトラブルに発展する可能性が高くなります。そうならないためにも、しっかりと話し合い、長期的な目標だけでなく、一年後、二年後などの短期でのビジョンも共有しておきます。
この時点でビジョンを共有出来ないのであれば、一緒に起業することは難しいです。
また、自分たちが始めようとしている会社が何をする会社で、何を実現しようとしているのかを、社長が自ら発信することも大切です。
ガイアックスでも、以下のようなブログやYouTubeで、代表の上田自身の言葉を発信しています。
» “Gaiax”とはどんな会社か?代表上田による会社紹介
事業規模に応じてメンバーが変わることも想定する
起業する当初には、その時々のマーケットのニーズや競合の状況を汲み取る能力や、自身のアイデアを実行に移せる行動力、自ら道を切り開いていくための精神力や忍耐力など、プレイヤーとしての力が求められます。
一方で、事業が軌道に乗り、徐々にメンバーが増えていくと、マネジメント能力が必要になってきます。マネジメント能力がないといつまでも自分で手を動かしてしまい、結果的に事業を広げることが出来ません。
また、初期メンバーが変わることもあるでしょう。事業規模が拡大してくると、上場や売却などを見据えた経営能力が必要になります。
このように、事業のフェーズによって求められる能力が変わることもあるため、新規事業の初期メンバーが、事業拡大後にも常に最適な人材であるとは限らないのです。
友達との起業を考えている人がやるべきこと
ここでは、友達との起業を考えている人が、起業する前にやっておくべきことについて紹介します。
会社経営についてインプットする
起業する際、手探りの状態で進めるより、まずは起業や経営についてインプットするといいでしょう。会社設立や資金調達などについてあらかじめ理解しておくことは、起業を成功させるためにはとても重要です。
ガイアックスのスタートアップスタジオでは、将来起業を目指す方やビジネスを学びたい若手社会人や学生の方向けに、会計・財務・スタートアップのファイナンス・組織作りなど、経営に関することを動画で学んで頂けるウェブメディアを運営しています。
現役の上場企業ガイアックスの代表である上田が講師となって、会計や財務、スタートアップのファイナンス、人事や法律やガバナンスなど、経営を学べるコンテンツを続々と配信しています。
» 経営カレッジ
また、ガイアックスのブログでは、スタートアップの知識を身につけるためにおすすめの本を紹介したり(スタートアップの知識を本で身につけるおすすめの9冊を紹介)、新規事業の立ち上げから進捗状況をリアルタイムで記事にして発信しています(スタートアップスタジオで生まれる事業のリアルを大公開!新規事業「Otell」進捗日記 vol1)。
その他にも、起業に役立つであろう様々な情報を記事にしているので、ぜひ読んでみてください。
人脈を広げる
起業するにあたって人脈を広げることは、会社の成長や存続のために必要になりうる行動です。
異業種交流会や起業セミナー、事業説明会などに参加してみるのも良いし、すでに起業家やその周りでスキルを持った人材との繋がりがあるのであれば、コミュニティに参加してリクルーティングしたり、紹介してもらうと良いですね。
では、周りにそういう人がいない場合はどうしたら良いでしょうか。
SNSで仲間を集める
頼れる人脈がない場合に有効なのがSNSです。現代ではSNSの普及により、自分と同じような価値観を持つ人とつながることが以前と比べて容易になってきています。
起業に関しても、自分が興味のある領域や、取り組んでいる事業に関して発信することで、共感・協力してくれる人とつながれる可能性が高まります。YoutubeやTwitterやnoteなどでどんどん発信して、関係しそうな人はフォローして、コミュニティに身を投じていくと良いでしょう。
また、そういったSNSでのつながりを通じて、求めている人物像を紹介してもらえるパターンも出てくるかもしれません。
スタートアップでインターンする
将来起業を考えている人は、起業家を多く輩出している環境で一度働いてみるのもおすすめです。
過去に上場企業の経営者を含む起業家を多く輩出しているガイアックスでは、社内の新規事業を中心にインターンシップ参加者を募集しています。このような環境では、マーケティングからエンジニアリング、さらには経営戦略まで、多岐にわたる分野でリアルな経験を積むことができます。
このような環境を生かして、現場経験を積んでからその後の選択肢を考えるのも一つの方法です。