私たちガイアックスは、“使命で動く” というPhilosophy (経営哲学/企業理念) を持っています。使命で動くとは、世の中の課題を自分ごととして捉え、ビジョンや問題意識を打ち出し、ムーブメントを生み出すことで社会を巻き込み実現すること。そんなガイアックスメンバーの様子を連載で紹介していく「使命で動くシリーズ」をご覧ください!
今回インタビューしたのは、ガイアックスの財務を担当しつつ、ガイアックスの投資先である株式会社シェアグリのバックオフィスも兼務する、岩間裕太さん。
入社1年目からベンチャーとスタートアップの両方で活躍する岩間さんに、その違いやスタートアップで求められることについて伺っていきます。
岩間 裕太
経営管理部財務担当・株式会社シェアグリ
学生時代にフィリピン留学とベトナムでのインターンを経て、2019年ガイアックスに新卒入社。1年目から経営管理での財務と、Nagatacho GRiDの管理運営をするチームでの社内複業を経験。現在は投資先である株式会社シェアグリにて、経営メンバーとして管理業務全般を担当。
スタートアップで、まっすぐな世界を実現する
ー岩間さんの現在のお仕事について教えてください。
ガイアックスの経営管理部で財務を担当しながら、ガイアックスが出資している株式会社シェアグリで、財務を中心に労務、総務などのバックオフィス全般を、ガイアックスのバックオフィスメンバーにご協力いただきながら担当しています。
2019年にガイアックスに入社した直後は、ガイアックスの財務を担当しながらGRiD事業部に所属していました。2020年の1月にGRiD事業部を離れて、農業の人材派遣サービスを展開しているシェアグリにジョインしています。
財務の仕事では、取締役会の資料作成や出資をする際に必要な手続きのサポートをしたり、外部向けには出資先のファイナンスのサポートをしたりしています。シェアグリでは、ガイアックスの労務の方や外部の弁護士の方と協業しながら、会社のバックオフィス全般を担っています。最近は、採用の仕事も担当するようになりました。
ー岩間さんの使命についてお聞かせください。
「自分と自分の周りの人を最高に幸せにして、かつ知らない人も結構幸せにすること」を、使命だと思っています。人間は社会的な生き物だからこそ、「社会に対して自分がどんな価値を提供するか」を突き詰めることが、人として生きる上で大前提なんじゃないかなと思っています。南国のビーチでのんびり過ごすのも、自分の世界の中だけでは楽しいかもしれないですが、社会に生きる人間の幸せとしては、何か物足りないはず。だからこそ、自分が知らない人も含めた社会に対して、何かしたら価値を提供できていると感じたいんです。
個人的にNetflixが大好きなのですが、Netflixの社長は僕のことを見たことがないけど、彼がつくったサービスによって、僕の人生は豊かになっていると思っています。僕もそんな風に、全く顔もあわせたことのない人を幸せにしたいし、そのためのサービスを作りたいと思っています。
ーどのようにして、その使命が生まれていったのでしょうか。
そもそも自分自身が、社会に対して存在している意味を感じられなかったんです。学生時代は、「何か頑張りたい!」と思って始めたスマホの紹介販売も、心からその意義を感じられなかったり、周りの友人から「なんでそんなバイトやってるの?」と非難されたこともありました。ゼミにも落ちたり、パートナーともうまくいかなかったり、何か頑張ろうとしても、うまくいかないことばかり。気持ちが沈んでいた時に、大学の同級生から「裕太って、もったいないよね。頑張りたいと思ってもがいているのに苦しそう。」と言われたことがショックで、何クソと思い動きだしたのが、海外留学とベトナムでのインターンでした。
ー留学に行ってからどんなことがありましたか?
ベトナムでオフショア開発の事業をしている会社でのインターンがきっかけで、社会的に意義のある取り組みをしたいと強く思うようにになりました。その会社は「機会平等な会社を作る」というのを掲げていたんです。当時は、ベトナム国籍の人の給与は、日本人よりも低くなるというのは良くあることでした。一方で、当時のインターン先では、ベトナム国籍の社員の方でも、マネージャーとして活躍できるスキルがあれば、日本人マネージャーと同じ給与を支払うような制度があったんです。生まれた国や人種などの先天的な属性で判断はせず、合理的に機会平等を組織の中で作っていることに、当時の僕は感銘を受けました。
他にも、ベトナム人の友人に「裕太はどこでも行けるなら、どこに行きたい?」と聞かれて「アメリカ、イギリスあたりにいきたいけど、お金が、、、」と答えたんです。そしたら友人が、「私たちはお金があったとしても、パスポートの関係で行けない国もあるんだよ。」と返ってきたのが衝撃的でした。世の中の実情は機械不平等がたくさんあるのだと実感したのがその時でした。
ー機会平等ではない、というところに反応したんですね。
元々曲がったことが嫌いな性格で、フェアな世の中になったらいいなと思っていました。そこにベトナムでの経験が加わって、より強く思うようになったんです。社会的に意義のあることを通して、もっとまっすぐな世の中にしていきたいと強く思っています。
スタートアップにはベンチャー企業と違ったヒリヒリ感がある
ーガイアックスへの入社を決めたのは何でしたか?
ガイアックスなら、不合理なことに押し殺されることなく伸び伸びと働けそうな印象を持ったからです。例えば、組織では情報の非対称性を作るのが当たり前の中で、ガイアックスでは全社に経営会議の議事録を公開していたり、新卒であっても意見できる。何かを強制することもなく、働く場所も自由。
就活をし始めた当初は、曲がったことが嫌いな性格だからこそ、「おかしい」と思っても社会の論理に押し殺されることが、会社に入ればたくさんあると思っていたんです。ただ、ガイアックスと出会った時に、組織全体が合理的だなと感じました。
ガイアックスは、一見変わった取り組みをしているように思われがちですが、合理的であるかどうかを突き詰めた結果の取り組みだと思っています。そこに魅力を感じてガイアックスに入社することを決めました。
ー新卒にしてベンチャーからスタートアップに移り、どんなことを感じていますか?
仕事をする中で感じるヒリヒリ感が増しているように思います。ガイアックスも事業部ごとの独立採算制なので、形的にはスタートアップに近いと思います。ただ、スタートアップは単位が「会社」だからこそ、自分の意思決定や行動が会社や事業によりインパクトを与えていると感じています。
財務であれば、事業部の財布と会社の財布では、個人的には感じる重みも違うと思っています。コアメンバー4人目を採用するか決める時も、事業の状況に対してのコストの掛かり具合をみて、「今の状況で採用することが果たしてどうなのか。」を議論した上で意思決定もしました。自分たち一人一人の意思決定が事業に与えるインパクトの大きさは、ガイアックスからスタートアップに移って大きく変化しています。
51%の確度の意思決定をして、スタートアップで成長する
ースタートアップで働く中で、どのような困難があるのでしょうか。
100%ではなく51%の確度で、意思決定を高速でし続ける必要があるところが、スタートアップの困難なところだと思っています。
農業の人材派遣サービスを展開をしているシェアグリでは、コロナウイルスの感染拡大の影響で、海外から人を呼べなくなったため、他の紹介会社を経由して人材を派遣する必要が出たんです。ただ、人材派遣は法的縛りが多くあって、在留資格次第で派遣できない場合もあるんです。派遣できるか確認する過程や必要な書類は、今は全て把握していますが、その当時は右も左もわからなかったので、「まあ大丈夫だろう」程度に楽観視していたんです。
実際は、その紹介会社から派遣される人材は在留資格的にアウトで、納期が近いにも関わらずシェアグリがクライアントの農家に派遣できる人材がいない状況になりました。結果、他の企業を当たりなんとかできましたが、自分たちの楽観さに対して怖さを感じました。スピード感を持って知識が不十分でも挑戦するからこそ、正解かどうか確信がなくても行動していく必要性が、スタートアップには色濃くあると思います。
ースタートアップで働く人に求められることは、どんなものがあるのでしょうか。
正解がない中でいろんな情報を取りつつ、自分で答えを出していくことが、スタートアップで働く上で大事だと思っています。特にスタートアップでは、自分たちなりのポリシーを持ちながら業務を推進していくことが求められていて、シェアグリの場合は、「農家さんにとって、農業にとって良い事業ってなんだろう」「農業に携わる外国人スタッフにとって、こんな環境を作るべきだよね」というのが、それに当たります。そういったポリシーを持って現状の課題と突き合わせることで、サービスを作ったり推進させたりすることが、スタートアップで求められています。スタートアップの中でも、よりソーシャルインパクトのある事業を推進する場合は、自分たちのポリシーを強く持つことが不可欠ですね。
「シェアグリ」という企業として社会に認められていく
ースタートアップだからこそ感じるやりがいは、何がありますか?
自分たちが作る会社が社会に認められていくことに対する実感は、スタートアップだとより強く感じられると思っています。ガイアックスは20年の歴史がある会社なので、社内事業部だと「ガイアックスの事業」として捉えられることが多いと思います。一方で、シェアグリは一つの会社だからこそ、「シェアグリ」として世の中に捉えられます。実際に、農業新聞に取り上げられて「株式会社シェアグリ」の名前で掲載されているのを見ると、嬉しく思いますね。起業して何もないところから認知されるまでの過程を見れるのは、スタートアップだからこそのやりがいですね。
ー「シェアグリ」として捉えられるところが、大きな違いなんですね。
実際の業務レベルで、会社の意思決定に対してより強く関わりやすいということは、スタートアップのやりがいの一つだと思っています。ガイアックスの財務の仕事では、ADDressなどガイアックスが投資している会社を担当していましたが、自分が任せてもらっている仕事領域はあくまでサポートをすることなので、会社全体を踏まえた上で資本政策を考えるところまでは担当していませんでした。
一方で、シェアグリは数名のスタートアップでまだ規模が小さいからこそ、自分たちがどういった株主に入って欲しいのか、どういった資本政策を描くのか、それによりどんな会社にしたいのか、という会社にとって重要な意思決定に関わっています。責任がより強くあるからこそヒリヒリしますが、自分たちで作っている感覚があり楽しさを感じています。
ー使命で動く中で、どういったことにチャレンジしていきたいですか?
今取り組んでいる課題は、農業業界の人材不足ですが、その先にまだ見えていない課題がたくさんあると思っています。まずは足元の見えている課題や困っている人に対してサービスを提供しつつ、農業業界全体の課題を解決できる会社にしていきたいです。
ー最後に一言お願いします。
ガイアックスには使命を強く持って課題解決に奮闘している人がたくさんいますが、自分がそうではないことにモヤモヤしていた時期もありました。ただ、ガイアックスで仕事をする中で使命で動く人をバックオフィスで支える仕事に魅力を感じたからこそ、事業を起こすようなファウンダータイプじゃない人にも、ガイアックスを知って欲しいなと思っています!
インタビュー・ライティング 宇田川寛和
編集後記
スタートアップのヒリヒリ感がたくさん伝わってきたインタビューでした。岩間さんをはじめとして、変化の激しい事業のバックオフィスを支える面白さが、より多くの人に届いて欲しいと思います。シェアグリと岩間さんの変化が楽しみでなりません。