Gaiaxは、インキュベーション事業を軸とし、ソーシャルメディアとシェアリングエコノミーの分野に取り組んでいます。起業家やコンサルタントなど、様々な職種がある中の一つにあるエンジニアという働き方。Gaiaxのエンジニアとして働くメンバーのストーリーを紹介する「エンジニアストーリーシリーズ」、今回はデータサイエンティストとして働くガイアックスメンバーのストーリーを話してもらいました。ご覧ください!
今回インタビューしたのはデータサイエンティストの澁谷海渡(しぶや かいと)さん。
ガイアックスのエンジニアストーリーをインタビューするシリーズが今回からスタートしました。第一弾目は、ガイアックスのソーシャルメディアラボでデータサイエンティストを務める澁谷海渡さんです。大学時代、機械学習を学んだ澁谷さん。今はガイアックスでエンジニアとしてどの様に働いているのか、そして澁谷さんが人生で大切にしていることとは一体何なのか、についてお話いただきました。
澁谷 海渡
ソーシャルメディアマーケティング事業部 データサイエンティスト
17卒入社。アニメとラーメンをこよなく愛するエンジニア。学生時代は類似数式検索技術に関する研究に従事。ガイアックスのミッションや働いている人に惹かれて2017年4月に新卒で入社。現在はソーシャルメディアマーケティング事業部で自社アプリの開発、データサイエンティストとして業務に従事。
機械学習、そしてデータサイエンティストへ
ガイアックスにエンジニアとして入社した経緯を教えてください
過去記事にも書いているのですが、大学時代は、とある会社でインターンをしていたんです。広告運用のサポート業務やエンジニアとしてのインターンを1年半経験して、現場の人からもそれなりに良い声をかけていただいていました。
そのため、そのまま入社できると思っていたのですが、選考は不合格という形に。
能力面ではなく、ガツガツと会社の社風を突き破るタイプの人を相手企業は求めていたけれど、僕はそういう気質ではなかったというところが不合格の理由でした。
そんな折、逆求人型のイベントに参加しました。そこを通じて様々な企業の人に自己PRをし、そのイベントで出会った企業のうちの一つがガイアックスでした。
その後、選考を受け、いくつかの会社から就職活動で良い返事をいただいた中で、ガイアックスを選びました。
(参考)人生で一番の挫折が導いたガイアックスとの出会い
澁谷さんが、ガイアックスを選んだ理由については、こちらの記事からご覧いただけます
これまでにガイアックスでどんな内容のお仕事をされてきましたか?
- 2017
開発部(R&D) ー 自社アプリ開発支援、先端技術調査 - 2018~現在
ソーシャルメディアマーケティング事業部 ー 自社アプリ開発、データサイエンティスト業務を担当
新卒の時は、半年くらい修行的に開発部(R&D)へ配属。
新しい技術を調べて取り込み、そこからデジタルコミュニケーション事業部で3ヶ月くらい技術派遣として配属され、自社サイトの改修業務などを経験。その後、現在働くソーシャルメディアマーケティング事業部へ移動しました。
大学時代は機械学習を学んでいたので、入社当時は今よりも機械学習がメインの日々。そんな時に、ソーシャルメディアマーケティング事業部で提供しているサービスで機械学習を活用できないか相談をいただき、現在に至ります。
現在、担当しているお仕事はどんなサービス内容ですか?
今働いているソーシャルメディアマーケティング事業部では、「ソーシャルメディアラボ」の運用や、ソーシャルメディアのコンサル業務などを行っています。
(※2020/12時点:ソーシャルメディアラボは、で日本最大級のSNSマーケティングメディアです)
僕は、そこのエンジニアとして、SNS(Twitter、Instagram、Facebook)のデータ収集基盤の構築を行っていて、その収集したデータを分析しています。
SNS上にはアンケート調査などの従来のマーケティング調査で用いることのできなかった、消費者のとっさに出る本音やその時々の感情など様々なデータが存在しています。そのデータを用いて、特定のブランド(例えば「ガイアックス」など)がどういった印象を一般の人から受けているのか、もし、そこでミスマッチが起きていれば、データサイエンティストとしてデータ分析結果から原因を推定し改善提案をしたり、競合ブランドとの比較をしたりしています。ソーシャルメディアのサービスにおいて、何か改善点を探す場合に、実際に消費者の声を吸い上げるのには時間と手間がかかりますよね。そこで、ソーシャルメディアから収集した多種多様な人のデータを元に、消費者の思考や行動原理を読み解くために試行錯誤しています。どちらかというと研究みたいなものですね。
他にも、統計や機械学習の専門性が求められているInstagramのアルゴリズムについての英文記事を開発者向けに翻訳することもあります。社外での活動としても機械学習には関わっていて、勉強会の中で機械学習を教えることもあります。
ガイアックス ソーシャルメディアラボ Youtube
澁谷さんが担当するデータ分析について関連が高いソーシャルメディアラボのYoutube動画です。
目から鱗のソーシャルメディアマーケティングの話や、見る専門のユーザーは各SNSで何%かなど、無料視聴できるチャンネルです。
データ分析や仕事に関連して大変だったことはありますか?
実は、あまり「大変だ」と思ったことはないんです。
苦戦したことでいえば、最終的には失敗に終わったけれど、機械学習を取り入れたFacebook考察レポートの自動化プロジェクトがあります。
配属される際には、過去のFacebookレポートが蓄積されていると伺っていて、そのデータがあればレポート作成の自動化もできる可能性があると思ったんです。だけれど、実際にはバラバラのパワーポイントのレポートがあっただけで、考察の文章の自動生成を行うために必要な学習データが学習可能な形で存在していなかったということがありました。結局、その挑戦は失敗に終わってしまうんですね。その時に、大学での勉強と実際の現場のギャップを痛感しました。勉強をする際には、誰でも参照可能なオープンデータなどを活用するのですが、そういったデータは大体元から機械学習に利用可能なフォーマットで取得できるんです。だけど、実際の現場にはそのような綺麗なデータは存在しないことの方が多い。そのため、事業部の今後のことも考えると、まずはTwitterやFacebookのデータを収集できる基盤を構築する必要があると考え実装しました。
そういう時に、やはりエンジニアとしての喜びを感じますか?
はい。こんな風に新しいものを開発できることって開発者としては嬉しいんですよ。まるで自分に子供が出来たように思える。だから、余計大切に使って欲しいって思うんです。何より嬉しく感じるのは自分の作ったプロダクトが、きちんと使われている時ですね。逆に、サービスが閉じてしまう時は本当に悲しいです。自分を否定されるより、プロダクトを否定される方が悲しいな、と感じてしまいます。プロダクトを作っても自己満足で終わったら意味がない。だから、ちゃんと使われるもの、作っても無駄にならないものを作りたいと思っています。
チームで仕事をする際に気をつけていることはありますか?
「わからないことをわからない」と表明することには気をつけています。今やっている研究は、わからないままやると崩壊してしまうので、そこを研究して調べて、結果の質を担保したいと思っています。中には、僕がやらないとこの事業部で他に立ち回れる人がいないという場面もあるので、責任感を持ってチームで仕事をしています。これをやらないと事業部がヤバイぞと。
データサイエンティストが願う「人を幸せにできる人間でありたい」理由
澁谷さんの過去記事を見ると「人を幸せにできる人間でありたい」という言葉がよく出てきますが、その背景を是非お聞かせください
僕の家は母子家庭で、小学5年生くらいの時、父が癌で亡くなってしまいました。
癌で容体が急変して亡くなってしまったのですが、不幸中の幸いと言いますか、父の死に目に家族全員で立ち会えたんですね。
最後の最後まで、病院のベッドで父が母に対して「生きよう」と言っているかの様に、心拍数を必死に動かしているのがモニター越しに見えて、それに応じるように母が「今までありがとう」と言葉で伝えていた場面が、僕の中ではまだ昨日のことの様なんです。
その時、僕も父のように最期の最期まで周りの人から感謝されるような「人を幸せにできる人」になろうと思いました。
それが、この「人を幸せにできる人間でありたい」の根本の部分。
その思いもあって、ガイアックスのミッションである「人と人をつなげる」という部分にシンパシーを感じたことが、入社を決めた理由の一つでもあります。
そのほかにも「この人に人生を変えられた」という出会いはこれまでありましたか?
一人あげるとしたら、大学時代に出会った友人ですね。
その人は帰国子女で、考え方も周りの友達と違うタイプでした。いいことも悪いことも遠慮なく言う人で、彼女は「今の人生の枠が大学の外にもある」と僕に教えてくれた人だなと思いますね。彼女はすごく活発な人で、いつも学校の外にいて、むしろ大学で活動していなかった印象があります。対照的に僕は真面目に生きていたタイプなので、その影響を受けました。彼女に出会ってなければ、ガイアックスのフリーな環境にも疑問を持っていたままかもしれないです。
データサイエンティストとして目指すビジョン
これから、どういったことにチャレンジしていきたいですか?
データサイエンティストとしては、他社が追いつけないような独自性を際立たせたいという思いがあります。誰も真似できないような分析手法を開発し、ガイアックスのソーシャルメディアマーケティングを根本から変え、ユニークさで突き抜ける存在にして、そこから更に売り上げを上げていきたいと思っています。
インタビュー 荒巻 陽佑/遠藤 桂視子
ライティング 遠藤 桂視子
編集後記
澁谷さんには初対面なのにも関わらず、様々な質問にも真摯にお答えくださいました。
このインタビューの後も「ガイアックスの若手が澁谷さんにメッセージをしてもいいですか?」という問いに対して「Slack等で聞いてもらえれば返答しますよ」というご返答を。
リモートワークで、特に新卒社員がコミュニケーションの課題を持っているということは方々で叫ばれ始めている社会課題の一つです。いろいろな人に直接聞けたら解決できた課題を自分で解決しようとして、何倍もの時間を浪費してしまう。新卒でエンジニアとして働いているGaiax社員の方で、何か課題を持っていたり、澁谷さんに聞きたいことがあったりする方は、社内Slackでメッセージを送ってみるのがいいかもしれません。
最後に、様々な経験を経て、データサイエンティストとして働く澁谷さんのこれから、そして澁谷さんが変革を目指すソーシャルメディアマーケティング事業部の今後がとても楽しみです!