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リーンスタートアップが5分でわかる!事例を元に優しく解説

最終更新: 2023年11月10日

リーンスタートアップとは「無駄を削り効率よく」進めていくビジネスコンセプトです。お金、人、資金に限界があるスタートアップにとって仮説検証を行う際に重要視するべきポイントになります。本記事では、実際にガイアックススタートアップスタジオで実施しているリーン事例をもとに解説していきます。

なお、若者で起業を考えている方にはスタートアップカフェへの参加もおすすめ。事業アイデアの壁打ちから出資、専門的なメンバー提供まで可能です。

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リーンスタートアップとは

起業や新規事業の立ち上げに興味がある人はよく耳にするであろう言葉、「リーンスタートアップ」とはどういう意味なのでしょうか?
リーンスタートアップとは簡単にいうと、「無駄を徹底的になくし、より安いコストで仮説検証を行うこと」です。

「リーン」なスタートアップとは

まずは「リーン」という単語の意味を解説していきます。
「リーン」は英語の形容詞で
Lean = 痩せ型、脂身のない、細い
という意味があります。無駄を剃り落とした体型というべきでしょうか。この「リーン」に「スタートアップ」を掛け合わせると、
無駄をなくし短時間のうちに急激な成長を狙う事業
と表現することができます。短期間で成長を目指すスタートアップにとって、無駄をなくして効率よく仮説検証をまわしていくマネージメントは非常に相性が良いです。
この言葉はエリック・リースが2008年に「リーン・スタートアップ」という書籍で提唱したのが始まりです。

リーンスタートアップの歴史

リーン方式で有名なのがトヨタの生産管理システムです。大量生産によるスケールメリットによるアプローチの象徴だったフォードとは対照的に、トヨタは以下の2点に注力しました。
・かんばん方式というツールを利用して、各工程が必要なものだけを、小ロットで流れるように停滞なく生産するというコンセプトによって実現される「生産効率性の向上」
・アンドンというツールを利用して、異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らないという「問題の顕在化・見える化」
トヨタは生産効率性の向上と問題の顕在化を同時に実現し、無駄を減らし質の高い商品の生産に成功しました。
それでは実際にリーンスタートアップの構成を説明していきます。

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リーンスタートアップの構成

リーンスタートアップは以下の4つの要素で構成されています。

仮説

事業を進めていくにあたって、仮説をたてることが重要です。なぜなら、初期のアイデアとはその時点では思いつきでしかなく、立証されなければ価値を持たないからです。特にゼロからビジネスモデルを作り上げるスタートアップは市場規模やニーズを数値化して課題感を確立していく必要があります。

構築

仮説を立てて実際に検証するためにプロトタイプを製作する必要があります。この構築する過程が一番コストがかかりやすいのですが、最小限のコストでプロダクトを完成させる「MVP」がリーンスタートアップにとって重要です。
MVPとは(Minimum Viable Product)の略で、実用最小限の製品をコストをかけずに開発することです。
MVPについては本記事の後半のインタビューで詳しく解説します。

計測

プロダクトを活用して得たデータをとってユーザーヒアリングを行います。ここで始めて初期に立てた仮説が検証されます。ここで重要なのが、もし仮説に沿わない結果だからといって事業を中断してしまわないことです。ユーザーのデータに沿って違うアプローチ方法で事業を進めていけるかを考察することが重要です。

学習&再構築

計測で得たデータを整えて今後の方針を作り上げるステップです。初期の仮説通りにいく場合はどうスケール化していけるかを考察、仮説通りいかなかった場合はピボットを視野に入れる必要があります。
それではリーンスタートアップのマネージメント術を活用して多くの成功起業をみてきた経験をお持ちのガイアックス・スタートアップスタジオの佐々木さんに事例をもとにリーンスタートアップスタジオについてお話しを伺います。

Yoshinori Sasaki

佐々木 喜徳

技術本部 本部長
スタートアップスタジオ 事業部長
組み込みOS開発やテクニカルサポート業務の経験を活かし、個人事業主として独立。 その後、フィールドエンジニアリング会社の役員経て2007年からガイアックスに参画。 技術部門の管理職と新規事業開発の経験を経てスタートアップスタジオ責任者に就任し起業家創出と投資判断を担当。また兼任で技術本部長として、ガイアックスで生まれるスタートアップの技術支援や組織のエンジニアリングの戦略に取り組んでいる。

Gaiax Twitter

リーンスタートアップの重要性

廣渡:スタートアップスタジオで多くの企業のサポートをしてきた経験がおありだと思いますが、リーンスタートアップはなぜここまで重要視されているのでしょうか?
佐々木:そもそも大前提として、リーンスタートアップが必要な場合とは「まだその市場の規模やニーズが不透明な時」に限ります。すでに既存のビジネスがある分野に2番手3番手で参入する場合はリーンスタートアップの思考を取り入れる必要はありません。なぜなら先行事例があるので、そこからいいとこ取りをしてオリジナル化していけば良いからです。
廣渡:まだだれも手をだしていない不確実性が高い領域に踏み入れる際に重要なのですね。
佐々木:はい、フォーカスしてる領域について学習をしなければいけない、且つ「お金、人、時間」が限られている中でリーンスタートアップのマネージメントは非常に有効です。スタートアップスタジオでの経験上、どの企業も最小でも2,3回の事業変更はするものです。ヒアリングによって更に良い事業が生まれることも少なくありません。

リーンスタートアップって時代遅れ?

廣渡:1990年代のトヨタのリーン方式実装をきっかけに日本でもよく聞かれるようになったリーンスタートアップですが、巷では時代遅れなのではないかという声もあります。誰もがリーンにサービスをローンチできる現代、簡単に事業アイデアを世に出してしまうと真似されるリスクがある。という話です。このリスクについて佐々木さんはどう思いますか?
佐々木:それはビジネスモデルによりますね。再現性の高いモデルは資金があれば簡単に真似されると思います。ただ、事業には必ず「人」が関わってきます。
廣渡:確かに奥行きのないゲームやツールは簡単にコピーされそうですね。人が関わるとどう違うのでしょうか?
佐々木:そうなんです。我々スタートアップスタジオは出資して事業のサポートを行う起業家の「人」に価値をおいています。その「人」が感じる課題だからこそうまくいくビジネスモデルもありますし、生み出した本人のパッションを他人が上回ることは不可能です。
ピボットするかもしれないフェーズのプロダクトやサービスを真似されることは問題視していません。
廣渡:なるほどですね。事業アイデアを生み出す人の潜在的な社会への課題感に着目しているということですね。確かに事業は問題解決の手段でしかないので真似されるか否かは問題ではないですね。
佐々木:はい。実際に事業がうまくいっている起業家の本人でさえ「本当にこの課題と事業はあっているのか」と問い続けながら改善を繰り返しています。

ガイアックスにおけるMVP

廣渡:リーンスタートアップの最も特徴的であるMVP(最低限のコストで開発)ですがガイアックスではどんな開発環境がありますか?
佐々木:ガイアックスの開発部は常に新しいツールやサービスを取り入れています。MVPは時代の流れとともに進化しています。
ちょっと前のMVPはRailsやReactといった開発のためのフレームワークを活用するのが主流でした。フレームワークの活用により1年かかっていた開発が半年でつくれるようになりました。直近の変化としては「ノーコード」と呼ばれる、コードさえ書かずにサービスがつくれてしまうサービスの活用です。RailsやReactで半年かかっていたものが1,2週間で完成できるスピードまで来ています。
廣渡:すさまじい時間の短縮が可能になっているんですね。確かに今ノーコードは話題になっていますね。BubbleやAdaloなど、本当に直感的に開発できるのが特徴的です。
佐々木:はい、ネイティブアプリに関しても「Flutter」という言語の対応もはじめました。従来ではiPhoneとAndroidのアプリはそれぞれコードが分かれていたのでその分エンジニアを稼働させる必要がありました。しかし、FlutterはiPhoneとAndroidどちらとも対応しているので人手を削減し、やりとりコストを最小限に抑えてアプリの開発が可能になりました。
廣渡:なるほど、ガイアックスのスタートアップスタジオのサポートを受けると最先端の技術を使って最短でサービスを形にできるのですね。
佐々木:はい、ガイアックスのスタートアップスタジオから出資を受ける企業はサポートの一部としてガイアックス開発部のリソースを活用することができます。起業を考えている人は是非、記事下で紹介している「STARTUP CAFE」に応募してみてください。

リーンスタートアップ成功事例

廣渡:ガイアックス・スタートアップスタジオがサポートしている企業でリーンスタートアップのマネージメントをうまく活用した事例などありますか?
佐々木:はい、実際出資先のほとんどがリーンスタートアップで成功しているのですが今回は2つの事例をお話しします。
まず新しい実践型プログラミング学習サービスで成長しているTechpitです。Techpitはユーザーニーズを調べる為にTwitterを活用しました。イメージ画像を作成して「こんなサービスがあったら使いたいですか?」と問いかけるツイートをしたところかなりの反響があり、広告費もLP作成費もかけずに、画像投稿一回でユーザーニーズとソリューションフィットを同時に獲得した代表的なリーンな手法です。
廣渡:SNSはユーザーの生の声を聞くことができますし、何よりターゲットが可視化して見えるのが最大のメリットですね。Techpit代表の山田さんが起業してからどんな手法でスケール化したのかをこちらの記事で詳しく紹介しています。是非参考にしてみてください。
佐々木:2つ目の事例としては、シェアグリのデータをもとに学習した手法です。シェアグリは当初、農機のシェアビジネスで進める予定でした。カスタマープロブレムを明らかにする為に、農機を持っている農家の特徴を調べていました。実際に農機を貸したい人と借りたい人のマッチング試作まで行いました。
得られたデータやヒアリング結果から、農業の根本的な課題は人手不足ということに気づきました。農機を購入する背景には労働力を補足するニーズがありました。そこで農業の人材派遣事業に切り替えて現在成長を続けています。
廣渡:データを計測して学習し、展開を吟味してピボットした例ですね。シェアグリの代表井出さんにも以前お話しを伺いましたが、農業領域の課題解決に対して様々なアプローチをしかけて前進しているリーンスタートアップを代表する会社ですね。井出さんのインタビュー記事はこちらから読むことができます。
佐々木:こういった2社の事例のように、スタートアップスタジオでは小さく始めて大きくスケール化していきたいという起業家を積極的にサポートしています。MVP活用はもちろんのこと、新規事業立ち上げのプロ集団がレビューを行うので様々な視点から事業を見て、スピード感を持って邁進していくことができます。「自分ひとりで何から始めて良いのかわからない」「ビジネスアイデアを聞いてもらいたい」という悩みをお持ちの方は是非オンライン無料相談「STARTUP CAFE」に応募してみてください。
廣渡:STARTUP CAFEでは事業アイデアを膨らますアイディエーションから、仮説検証まで包括的なサポート提供を行っています。まだ実績のない学生や若者でも安心して相談を受けることができるので、興味のある方は気軽に申し込みしてみるとよいかと思います。

人と人をつなげる事業で社会に大きなインパクトを与えるスタートアップを共創するガイアックスのスタートアップスタジオでは、ビジネスアイディアの相談を実施しています。
オンラインで事業相談を実施し、優れた事業案には200万円の出資を行っています。
出資だけでなく、事業開発・エンジニアリング・バックオフィスの支援も行うことにより、初めての起業でも、数十回の経験を経てきたスタートアップスタジオメンバーのノウハウの元、事業活動に取り組むことができます。
相談者の年齢関係なく、暖かく相談にのってくれるので気軽に問い合わせをしてみてください。

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ガイアックス廣渡裕介
学生起業後、3年で上場企業に売却。株式会社ガイアックスにてスタートアップスタジオ事業部で新規事業支援をした後に、DAO特化の事業部を開始。DAO組成運用のコンサルティング支援とツール「DAOX」を展開中。2023年には約30社の企業・自治体の支援事例あり。
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